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カフェ開業の夢から「加茂の名前を広めたい」という恩返しの夢へ

2020.08.21 掲載

cafe sugar

横尾 友(ゆう)さん・真美(まさみ)さん

加茂市

\横尾さん夫妻ってこんなひとたち/
◎出身など 友さん:東京都出身、真美さん:神奈川県出身、加茂市にIターン
◎経歴 友さんは、美容師を経て自動車のデータベースを調査する会社(東京都)に就職。真美さんは、食品会社で栄養士としての勤務を経てカフェ勤務(東京都)。2017年に結婚。2019年、夫婦で加茂市に移住し、カフェ「sugar」を開業。
◎にいがた暮らしのおすすめポイント
 地域の人のあたたかさです。縁もゆかりもない私たちがお店をつくるのに、ごみの捨て方から看板業者の紹介まで、どんなことでも親切に教えてくれました。

仕事に対するスタンスが逆だったふたりが、ともにカフェ開業を目指す

 加茂駅から徒歩5分ほどにある「cafe sugar」を営む横尾夫妻。今でこそ夫婦でお店を開業しましたが、結婚した当初は仕事に対して真逆のスタンスだったといいます。
 店主である夫の友さんは、一生会社員として生きていくことが当たり前だと思っていたタイプ。最初は美容師として働き始めましたが、他の店員とのスキルの違いを目の当たりにし、一般企業に転職。大手自動車メーカーの製品スペックをまとめる会社でデータベース管理者として働いていました。一方、妻の真美さんは、食べることやお菓子作りが好きだった経験から栄養士になるため4年制大学へ進学。しかし、都内のカフェによく行くようになると、バリスタへの憧れを抱きはじめました。一度はお弁当などの宅配食を扱う企業に勤めるも、夢を諦めきれずに社会人向けのバリスタ専門学校へ。卒業後はさまざまなカフェで修行を積み、自分のお店を持ちたいと考えている人たちと話すなかで『いつかは自分も』と思うようになったのです。
 そんな2人が同じ夢を目指しはじめたのは、結婚2年目を迎え、友さんが自分のキャリアを見直し始めていたころ。当初は転職を考えていましたが、テレビやインターネットで見かける、「好き」を仕事にして生きる人たちを知り、真美さんがずっと持っていたカフェ開業という夢を一緒に叶えようと思うようになりました。

理想のカフェを開く場所として選んだのが、加茂だった

 まず話し合ったのは、どんな場所でカフェを開きたいか。2人に共通していたのが、目指したいカフェは東京では難しいと考えていたことでした。「お客さまがリラックスできる空間をつくりたいと考えていましたが、東京は物件が狭くて家賃も高い。ゆったりとしたスペースを確保するために地方でカフェを開きたいと考えていました」(真美さん)。
 お互いの場所選びの条件をすり合わせて出てきたのは、駅から近いこと、自然から近いこと、地域の人とも関係性の深い商店街のなかにお店を出せること、お店と住居を一緒にできることの4点でした。これらの条件をもとにインターネットで空き家を探しましたが、すべての条件を満たす物件は少なく、首都圏へのアクセスの良さも踏まえると、3軒しかなかったといいます。そして内覧にまわり、最後に訪れた加茂市で「すべての条件がピタリとハマりすぎました!」と今でもふたりが興奮気味に語る、元金物屋の物件と出合います。「本当に嬉しくて、その場で決めてしまいました。加茂に降り立った時に感じた澄んだ空気と、川のきれいさも要因だったのだと思います」(友さん)。
 そして、翌月の5月に正式に契約書にサインし、カフェ開業に向けて本格的に動き出しました。

商店街の人に助けられながら、念願のカフェをオープン

 冬が来る前にお店をオープンさせたいと、契約してからは怒涛の開店準備に追われることに。多い時は月に4回も東京と加茂の行き来を繰り返し、内装や間取りなど全体のイメージをリフォーム業者と話し合いました。また、ペンキ塗りや床の張り替えなど、自分たちでできるところはD I Yで作り込んでいくことにしました。
 同時に、商店街組合や近隣のお店にも挨拶に回りました。その時、地域の区長さんが商店街の組合員や飲食店を営む人、常連のお客さまなどさまざまな人を紹介してくれたといいます。「自分たちのような縁もゆかりもない人間が突然やって来てお店をオープンするのに、こんなに親身になってくれることに驚きました。区長さんのおかげで地域の人との関係性がつくれたと思うと、感謝してもしきれません」(友さん)。
 こうして迎えた2019年10月のオープン日には、それまでに関わってくれた商店街の人が集まってくれました。オープンしてからも地域の人はもちろん、市外からも多くの人が訪れるようになり、お店や商店街にも賑わいが見えるようになっていきました。

自然や地域の人と触れ合いながら過ごす休日

 元々インドア派の2人でしたが、加茂に来てからは外に出かける機会が増えたと口を揃えていいます。「山や川などの自然に興味があったので、加茂川沿いを散歩したり、加茂山公園で歩き回ったりと、いろいろな場所へ足を運んでいます」(友さん)。「私は、銭湯が好きだったので、こっちに来てからは銭湯ばかり行っています。お気に入りは三条市下田にある温泉施設『いい湯らてい』。お風呂の広さやバリエーション、そこから見える景色が魅力です」(真美さん)。
 もちろん、商店街や他の飲食店に遊びに行くことも多いのだとか。おすすめを聞くと、お店から歩いて2分ほどにある小料理屋『うお清』さんと、車で5分ほどにある『Paradise*cafe』さんを教えてくれました。「元魚屋の『うお清』さんは、魚料理を中心とした和食を気軽に味わえるお店。しっかりとした和食を楽しみたいときに行く場所です。『Paradise*cafe』さんは、ボリューム満点のキッシュや地元野菜を使った料理を提供している小さなカフェです。外観や内装の造り方もそうですし、イラストレーターのneziさんのグッズやアイシングクッキーを取り入れるなど面白い取り組みもされているので、勉強になる点が多いです」(友さん)。

親切にしてくれた加茂のみなさんに恩返しがしたい

 2020年の春先はお店を一時休業していましたが、8月6日に再オープン。商店街の方々をはじめ、地域のみなさんに親切にしてもらった分、これからは恩返しをしていきたいといいます。
 「東京に住んでいた時は、人は冷たいものだと思っていました。隣の人がどんな人かは知らないですし、同じアパートの人とゴミ捨て場で会っても挨拶はしません。でも、加茂に来てから、色んな人がお店を紹介してくれたり、車がなくて困っていたら車を安く譲ってくれる人がいないかと探してくれたり、出会う人みんなが温かい人ばかりで、本当に助けられました」(友さん)。こうした経験から、横尾さん夫妻はお店で加茂紙(和紙)を使うなど、加茂に恩返しをする方法を考えはじめています。
 最後に、店主である友さんが将来の夢を教えてくれました。「いつかは、代々木公園や原宿などで行われるイベントに加茂の代表として出店したいと思っています。それだけ魅力ある店になって加茂の名前を全国区にする形で恩返しができたら嬉しいですね」。
 加茂にやってきた夫婦が見つけた、ひとつの夢。それは自分たちだけではなく、地域の人も含めた「幸せにしたい人」の範囲が広がった夢でした。

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