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新しい働き方 第141回

Uターンしたからできた店
- 新潟という土地に刺激され、作りたいパン、作りたい店が明確に -

2020.03.04 掲載

6/7(ロクガツナノカ) 店主

井浦志麻さん

新潟市

新潟県新潟市出身。大学進学にあたり上京。卒業後、近所にあったパンの店で働き始める。30歳で新潟へUターン。新潟の人に食事としてのパンを提案したいという想いから、2016年新潟市中央区文京町に「6/7(ロクガツナノカ)」をオープン。「地味ながらも味わい深いパン」を目標に、日々パン作りに励む。

\コラムのポイント/
● 「日々同じことを続けながら上達する」ことの楽しさ
 美術大学生時代に気づき、パン職人の道へ
● 新潟へUターンし、刺激を受けた
 自分がパン屋としてやりたいことがはっきりしていった
● 顔が見える小さな輪で回る経済
 人の温かさ、食のおいしさ―新潟のよさに改めて気づく

パン職人生活の始まり

 高校卒業後、東京の美術大学に進学しましたが、「日々新しい作品に取り組む」ことが求められる集団の中に身を置いてみて、私自身はそこにあまり魅力を感じないことに気がつきました。そして、むしろ「日々同じことを続けながら上達する」ことに楽しさを感じる自分に気づいたのです。いわゆる職人的な仕事に興味を抱いたまま、しかし具体的に何を職業としていいのか決められずに、あっという間に卒業目前。当然就職も決まっていませんでしたが、「とりあえずバイトをしていれば食べていくのには困らないだろう」くらいの考えで、せっかく一日中バイトするのならば好きな店で働こうと、近所にあった大好きなパン屋さんに「ここで働かせてください!」と直談判しました。店主さんに当時の話を聞くと、「人は足りているけど、就職も決まってないというし、断ったらかわいそうだな」と思ったとのこと(笑)。そんなお情けのおかげで、私のパン職人生活はスタートしました。

30歳。思いがけずUターン

 私がその店を大好きだったのは、パンの味はもちろんですが、とにかくお店が素敵だったから。知らなければ通らないような住宅街の一角にあって、3人も入ればいっぱいの売り場の隣にガラス戸を挟んで工房があり、中で黙々と作業している様子が見られました。パンの見た目は地味ですが、素朴ながらも味わい深く、店内の装飾もパンの包装もシンプルでセンスが良くて、そこでパンを買って帰ること自体が特別だと思える―そんな店でした。最初はとにかくその空間で働けることが嬉しく毎日が新鮮でしたし、製造も販売も事務仕事もスタッフ全員が携わるので、バイトながらもパン作りもお店の運営もすべてが自分事。何より憧れていた「日々同じことを続けながら上達する」仕事が性に合っていたようで、気が付けばパン職人としての生活にのめりこんでいました。
 その後製パン技術の向上を目的に、2度転職をしながら朝から晩までパンを作る生活をしていましたが、家族の事情で新潟に戻ることに。当時働いていた店を運営する会社の支店が新潟市にもあったので転勤も可能でしたが、気が付けば常に目の前の仕事に追われていて、パン職人としての目標があるわけではありませんでした。働きづめで肉体的に疲れていたこともあり、日々を見直すきっかけにしようと退職しました。ちょうど30歳になる年のことです。
 戻ってきてみたら同世代の友人は子育て真っ最中! 寝ているかパンを作っているかの生活をしていた自分とのギャップに驚きましたが、日が昇ってから起き、座って食事をとり、翌日の作業の段取りを考えずに眠りにつく生活は心地良く、ゆっくりと自分の将来について考える余裕が持てました。

自分の作りたいパンを作ろう

 やっぱり私はパンを作ることが好きだし、仕事として続けていきたい。そして続けていくのだから、自分の作りたいパンを作ろう――じっくり考えられたおかげで気持ちが固まりました。ただ、私の好きなハードパンは新潟ではそれほど多く作られていませんでした。朝食や昼食、おやつに食べるパンが中心で、夕食のご飯の代わりになるような味の付いていないパンを扱う店はあまりない。自分の作りたいパンを作っているお店がないのなら、自分で店を開こう!ということでお店を始めることにしたのです!!
 もちろん自分がやりたいということだけではなく、「新潟の人のパンに対する選択肢を増やしたい」と思ったのも店を始めた理由のひとつです。新潟には海も山も平野もあって、肉も魚も野菜も米も小麦も採れます。そしてどれもおいしい!こんなにおいしい物がたくさんあるのなら、家庭でもパンのある食卓ができれば、もっと食の幅が広がるのではと考えたのです。その提案の場所として私の店、「6/7(ロクガツナノカ)」ができました。新潟という土地に刺激されて、どんどん自分がパン屋としてやりたいことがはっきりしていったのだと思います。

Uターンをして気づいた新潟のよさ

 お店を始めてからはまたすっかり「パンを作っているか寝ているか」の生活に戻ってしまいましたが、それでも日々の生活の中でいろいろな買い物をします。新潟に戻ってから、気が付くと周りにたくさんの自営業の人がいました。お米や野菜を作っている人、豚や鳥を育てている人、料理を作っている人、洋服を作っている人、小物をセレクトしている人、建物を作っている人…。暮らしに関わるほとんどのものが近くで揃います。お世辞ではなく、本当に良いと思えるものが身近にあります。私が新潟の人にパンを買ってもらって得たお金は、新潟の人が提案してくれるものへの対価として使われていきます。そんな小さな輪で経済が回る環境は無駄がなく、人の顔が見える分、温かみがあるなぁと思います。
 また、食に関わる仕事をしていて食べることが大好きな私ですが、新潟を出るまではそこまで食に関心のある方ではなかったように思います。上京し、一人暮らしをして自炊や外食をするようになってから、今まで当たり前にあった新潟の食のおいしさに気が付きました。そして「おいしい!」というのは日々の生活の中で一番身近な幸せだと思うのです。働きづめの20代を情報あふれる都会で過ごせたことは刺激的でとても良かったのですが、30代になり生活や暮らしというものと向き合うようになった時、改めてそう感じました。
 新潟の人は仲良くなるまではちょっと気難しく素っ気なく感じることもあるかもしれません。私も開店直後は地元ながら戸惑うこともありました。でも「変なパン屋ができた!」と文句を言っていたお客さんが、今では差し入れに手作りのお菓子を持ってきてくれることも(笑)。「変なパン屋も同じ街の住人なのだと認めてもらえるようになったのかな」とうれしく思っています。

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