2016.03.10 掲載
vol5
株式会社ニイガタ移住計画
鈴木博之さん
新潟市在住
vol5
高校まで新潟で過ごし、大学は東京へ。大学の就職活動時は「新潟なんてつまらない、東京しかない!」と思い、オリックスに入社。しかし初任地が新潟で、新潟の豊かなくらし・人間関係に魅了される。その後東京で勤務するも新潟への想いが立ち消えず、しかし帰りたくても自分のキャリアを生かした仕事が見つからず、悶々とした日々を過ごす。結果、自分の役割が最大化することが自分の幸せと認識し、幸せなUIターンを増やすことを理念とする株式会社ニイガタ移住計画を起業。現在、関屋浜の海の家SeaPoint NIIGATAを、様々な人が集まる通年の場とすべく、2016年春開業に向けて奮闘中。
新潟も三寒四温の日々が続いています。私がいる関屋浜の海もようやく春らしい陽気になって、休日には子供連れや高校生の姿が見られるようになり、いよいよ冬が終わるなぁという感じです。
この2月で新潟市にUターンして1年が経ちましたが、この1年を振り返ると、「これからも続く人の出会いへの感謝」と「想いがある新潟の地に足がついた生き方をしてきた喜び」を感じており、新潟の日常が楽しくて仕方がありません。
現在、新潟市中央区にある関屋浜海の家Sea Point NIIGATAにて、移住に必要なコミュニティと仕事を産むことを目的とした、カフェとコワーキングスペースの複合型シェアスペースを、4月開業に向けての準備に奮闘しています。
この場は、新潟で“豊か”に暮らしたいと思う全ての人のための場です。
・移住を検討していて、リアルな生活の話を聞きたい
・新潟で何かを始めたいけれど、仲間もいないし、進め方が分からない
・フリーランスで働いているけれど、周囲と協業しようにもリアルな場がない
・就職活動をしていて色々な社会人の話を聞きたいけれど、出会う場がない
・職場や家だけでなく、第三者でいられる場がほしい
例えば、こんな悩みをもつ人が想いを実現できる場となれれば、と思っています。
みんなの場を作るなら、みんなで作ろう。そんなコンセプトで昨年11月から改装計画がスタートしています。
12月には50名が真冬の海の家に集まり、「どんな使い方ができたら楽しいのか」をワークショップ形式で考え、使い方に応じた設計をみんなで考えてきました。(ストレス解消のメッカとして、夕日に向かってバカヤローと叫ぶ場にしようなど、本当に様々な意見が出ました(笑))。
いただいたアイデアをもとに設計を確定させ、この2月から実際に希望者によるDIYでペンキを塗ったり、柱を作ったりと、楽しく実際に場づくりを始めています。私含め、DIY経験が少ない人たちが集まっていますが、モノづくりは本当に楽しいです。
ペンキを塗るところを、余った資材を壁に貼ろうと変更になったり、記念に板の裏に名前を書いていたら名前を表に貼ることになったり。ドタバタ珍喜劇です。あ、自分で色を決めるのは忍びないので、Facebookで色をみんなで決めるという前代未聞のこともやりました(笑)。
みんなの場をつくるなら、出来合いの場を提供し「さぁ、どうぞ交流してください」というよりも、ちょっと不恰好でもたくさんの人が設計や工事に楽しく関わった方が自然だなぁと日々感じています。一番冬の厳しい時期に合計延べ200名もの方に宴会からワークショップ、そしてDIYに参加してもらい、まもなく、みんなの場がスタートできそうです。
地方創生の流れの中で、地域に「つながり」を求めるという話をよく聞きます。その通りと思う反面、日々メシを食べていかなくてはいけない、とも感じています。
自分のフィールドである新潟市は、東京と比較して、「つながり」と「メシ」の両建てで魅力を発信していくべきだと考えているので、みんなの場であるSeaPointも「交流から新しい仕事につながる」ことを意識して場づくりを考えていきたいと思っています。
フリーランスや起業家がプロジェクトでチームを組み、企業からの仕事を受託する。東京から研修で来た人がSeaPointで出会い、それがきっかけで仕事が生まれる。仕事が生まれるから、新潟に想いを持つ人がIUJターンできる。
そんな絵を見てみたいな、と願っているところです。
まぁ、みんなの場ですので自分の想いはさておき、来てくれるみなさんによって方向はおのずと決まっていくのでしょう。つくづく他力本願ですが(笑)、まずは続けていけるように、のんびりとできることをやっていきたいと思います。
1年に渡り何度もコラムを書かせていただく機会を頂戴し、本当にありがとうございました!関屋浜でお待ちしてます。
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