2013.10.09 掲載
弥彦クラフト TAKU GLASS
野澤拓自さん
31歳 弥彦村在住
1981年、新潟市秋葉区生まれ。15歳の時からガラス工場で働き、主に照明用のガラス製品を作ってきた。今年4月に、念願だったガラス細工のお店「TAKU GLASS」を弥彦神社の前にオープン。
定時制高校に通いながら、地元の照明器具会社に就職し、そこでガラス製品と出会いました。正直、初めはガラスに興味はなかったのですが、仕事を続けていく中で作品作りに没頭し、昼食もそこそこに作業をするようになりました。周りからは少し変わった若者に見られていたように思います。もっともっと上手くなりたくて、工場の窯に火が入る朝5時過ぎから練習するようになりました。会社が製品の良し悪しで社員を評価してくれるのも魅力で、少しでも早く上手くなりたいという気持ちがありました。
その後はさらに、他の工房の制作方法も気になったので、新発田市にあるガラス工房に足を運び、会社に勤めながら作品作りをさせてもらっていました。
その他にも、様々なガラス工房を見てまわりました。それぞれの工房や作り手によって工程が違うので、それを見ては、会社に戻ってやり方を試す日々が続きました。
地元の会社で照明器具を作り続ける中、どうしても他のガラス製品も作りたくなったので、県外に出ることにしました。仕事で知り合った人から様々な工房を紹介してもらった末、鹿児島県の工房で勉強させてもらうことになり、そこで修行を積んだ後は大分県の工房で、風鈴やグラス、酒器などの作り方を覚えました。もともと独立心が強かったので、いつかは自分のお店を持ちたいと考えており、地域毎のディスプレイ方法や接客なども学んできました。
6年間九州で経験を積み、26歳の時に新潟に戻って来ました。それからは改めて、月岡のガラス工房で3年間、作品作りをおこないました。その時に覚えた技術で制作したのものが、現在自分のお店に置いてある商品です。
1年半、ガラス製品とは全く離れた仕事をして開店資金を貯めました。実際にいざお店を持つとなると、自分でも少し不安が生まれましたが、それを目標に今まで頑張ってきたので、家族の応援もあって、物件探しにも弾みがついたように思います。
鹿児島では観光地、大分では温泉街にある工房で修行を積み、そういった地域の客層や価格帯なども勉強してきました。その経験をふまえて、温泉があり、県内外から老若男女が年間を通じて集まる弥彦神社周辺の物件を探し、今のお店の場所に出会いました。
ガラス製品は百円均一のショップにもありますし、手作りにこだわる人ばかりではありません。その中で自分の作品を選んでもらうわけですから、リピーターのお客様を大切にしています。接客を大事にするのは勿論のこと、季節ごとに商品のラインナップを変えながら、飽きのこない作品を提供できるように工夫しています。ちなみに、お店のディスプレイは彼女に任せています。
とにかく食べ物が美味しいです。特にお米は県外産に比べて一粒一粒が大きく、食べごたえがあります。6年ぶりに新潟に戻ってきて、食べ物の美味しさは改めて実感しています。
新潟は生活がしやすいと思いますし、地元ということもあり、友人や知人が応援してくれているのが心強いです。
お店のオープン当初は新潟市内から通っていましたが、今は弥彦村に住まいを移して、よりお店中心の生活になりました。お店をオープンさせてまだ数か月なので、まずは1年間、お客様の流れや商品の動きを見ている状態です。
今後は自由に制作ができるように、できるだけ早く専用の窯を作りたいと思っています。今は窯をお借りして作品作りをしている状態なので、ここで頑張って、次の作品を作れる窯を持つことが夢です。
私はガラス職人として仕事をしていますが、新潟県内には、他にも色々な経験や技術を活かせる場所がたくさんあると思います。おいしいご飯をエネルギーに、皆さんにもぜひ、新潟で頑張ってもらいたいです。
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