2024.10.15 掲載
美容サロン「en.」オーナー
笛田 季実子さん
南魚沼市出身。高校卒業後、長岡市の美容専門学校で学び国家資格を取得し、美容師として東京のサロンに就職。6年間の勤務の中で新店舗立ち上げにも参加。退職後、Uターンし、飲食店や知人が経営するサロンで勤務。結婚・妊娠を機にサロンを退職。貸衣装店でヘアメイクを担当したのち、2022年に美容サロン「en.」をオープン。夫と2人の子どもと暮らしている。
【Q. 就職で新潟を離れたのですか?】
小学生の頃から美容師に憧れがあり、地元・南魚沼の高校を卒業後、長岡の美容専門学校で学び、美容師免許を取得しました。都会が好きだったので、就職先は東京のサロンを選びました。そこで、カット技術をはじめ、着付け、ヘアメイク、エステ、まつ毛パーマなどの技術を徹底的に学びました。
美容の仕事にやりがいを感じる瞬間は、お客様から指名をいただいたり、「出会えてよかった」と言ってもらえたとき。「喜んでいただきたい!」という気持ちがお客様に伝わったのだと感じます。
【Q. Uターンのきっかけを教えてください。】
勤めていたサロンは非常に忙しく、朝から晩まで働き、営業後はヘアカットなど施術の練習。休みの日にはカットモデルを探すために奔走していました。当時は今のようにSNSがない時代で、駅から出てくる人に声をかけ続ける日々でした。そうした努力の甲斐あって、1年半でアシスタントからスタイリストに昇格しました。
6年間働き、新店舗の立ち上げなども経験しましたが、ハードな仕事で、体への負担も大きく、一旦この忙しさから離れたいと思い退職を決意しました。再び東京に戻る前提で、26歳のときに南魚沼へUターンしました。
【Q. 開業までの経緯を教えてください。】
Uターン後に、地元のヘアサロンで働いたところ、東京時代よりも指名数が増えました(笑)。4年間勤めた後、結婚・出産を機に退職し、ヘアメイクのパートを経て、2022年にヘッドスパやピーリングを提供するマンツーマンの美容サロンを立ち上げました。
独立のきっかけはコロナ禍です。2020年4月に二人目の子どもが生まれ、緊急事態宣言が出るなど、世の中が緊迫していた時期に、自分のこれからを見つめ直し、自分にできることを追求した結果、美容サロンを開業することになりました。
【Q. キャリアを積んできた美容師ではなく、美容サロンとしての独立だったんですね。】
すでに美容室はたくさんあったので、地域にまだない分野で挑戦したいと思い決断しました。エステなどの美容サービスを行っている美容室もありましたが、専門店はほとんどありませんでした。そこで、エステ専用の機械を導入して、ゆったりと癒されながら施術を受けられるプライベート美容サロンを造りました。元々美容マニアだったこともあり、東京のサロンで学んだエステ技術も活かすことができました。
お客様からは「今までこういう店がなかったので、東京まで通っていた」という方も多く、喜んでいただいています。思い切って独立・開業に挑戦して本当によかったと思います。
女性は仕事や子育てを頑張っているので、自分へのご褒美をあげていいと思うんです。リラックスしておしゃべりしながらキレイになって、また明日から頑張ろうと思える、そんなパワースポットのような場所になれたら嬉しいです。
【Q. 初めての起業は大変ではありませんでしたか?】
南魚沼市は起業など挑戦する方へのサポートがとても手厚いと感じました。市主催の創業支援セミナーでは、経営の知識から書類作成、借入れまで手厚いサポートを受けることができました。また、起業家の集まりなどもあり、女性の起業仲間と繋がることができたのもありがたかったです。
子どもを保育園に送った後に参加できる午前開催の会があるなど、子育てをする女性が参加しやすい配慮もあり非常に助かりました。
南魚沼の女性起業家の皆さんはバイタリティにあふれた方ばかり。相談や情報交換をしたり、お客様として来てくださることもあります。皆さん子育てしながらもパワフルに活躍しているので、私も刺激を受けてもっと頑張ろうと思います。
家族も応援してくれるので、これからは東京に行かないと受けられなかった施術をもっと提供できるようにしていきたいですね。この秋には地方では珍しい美容機器を導入する予定です。数年内にはお店を拡大し、一緒に働くスタッフを採用したいと考えています。
【Q. オフの過ごし方や、家族との時間について教えてください。】
基本的には子どもの希望を優先しています。プールや公園、子育て支援センターに行くことが多いですね。南魚沼は四季がはっきりしていて、日々景色が変わっていくところも魅力です。子どもたちが川遊びをしたり、虫取りをしたり、花火をしたりと、自然の中でのびのびと過ごせるのが良いですね。騒いでも怒られないし、大きな声で注意もできるので常に大きい声出しています(笑)。都会では望めない子育て環境です。
また、お店が休みの日には、子どもたちが学校や保育園に行っている間に、カフェでランチをしたり、本を読んだりしてリフレッシュしています。
【Q. Uターンして変化したことや気づいたことはありますか?】
子どもの頃は早く地元を出たいと思っていましたし、Uターンを決めたときは東京を離れることがとても寂しくて「南魚沼に帰りたくない」と正直思っていました。しかし、結婚・出産を経て地元で暮らすようになり、今ではUターンして本当に良かったと感じています。子どもたちをのびのびと育てられるし、仕事面でも、今はネットから最新情報を入手できるし、オンラインで受けられるセミナーも充実しています。東京でセミナーや打ち合わせがあっても新幹線で1時間という近さも南魚沼のいいところです。
Uターンして変わったのは時間の使い方。子どもが生まれてライフスタイルが大きく変わり、朝早く起きて夜早く寝る生活になったことで、前向きな思考になったと感じています。
それに何といっても、食事がおいしい!東京で通い慣れたチェーン店がないことは寂しいですが、地元の個人店もボリュームがあって安くておいしいので、舌が贅沢になっています(笑)。
【Q. Uターンを考えている方にメッセージをお願いします。】
私がUターンを決めた時は、地元には働く場所がないのではないか、買い物も不便になるのではないかと不安でした。Uターンの決め手は「忙しさ」でしたが、南魚沼に戻ってからも毎日忙しい日々。ですが、東京で働いていた頃よりもストレスが少なく、ストレスフリーな環境だとこんなにも体は楽なのかと驚いています。本当にコンディションが最高に良いんです。日常生活にも不便はなく、東京にも気軽に遊びに行くことができ、この距離感がちょうどいいです。
もしUターンを考えているのであれば、その時点で心は決まっているのかもしれません。直感を信じて、タイミングが合えばUターンをしてみるのも良いと思います。
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