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ニイガタビト

すべてが暮らしの土台に

2016.07.04 掲載

保育士・さと記者

茂木真梨子さん

24歳 十日町市(旧松代町莇平集落)在住

 埼玉県出身。大学では現代美術を専攻。在学時に十日町市大地の芸術祭ツアーに参加。その後、アーティストの日比野克彦さんが携わっている十日町市莇平集落の活動を手伝うようになり、約1年間大学と集落を行き来。並行して保育士資格取得にむけて独学で勉強し、卒業前に取得。卒業後は、大地の芸術祭開催年ということもあり、2015年莇平集落に移住。スタッフとして約半年間作品の菅理をし、芸術祭終了後は十日町市内で保育士として働いている。

莇平(あざみひら)集落との出会い

 「大地の芸術祭スタッフとして作品に住み、管理をしていました。」と話すと、「芸術祭きっかけで移住されたんですね!」と言われることがあります。確かに『芸術祭きっかけ』は合っているのですが、実は開催の1年ほど前から地域とのつながりは始まっているんです。
 私は生まれも育ちも埼玉県で、大学は都内に通っていました。現代美術を専攻していたので、地方で行われるアートプロジェクトの先駆例として取り上げられることの多い大地の芸術祭には、以前から興味を持っていました。
 初めて十日町市に行ったのは、2013年5月、大学3年生の時で、大地の芸術祭バスツアーに参加し、作品を回りました。その時は、「面白い場所だなあ。」と思いましたが、あくまでも旅のひとつの思い出、という印象でそれ以上なにかあったわけではなかったんです。
 その数か月後、卒論の準備をするためアーティストの日比野克彦さんに連絡を取ったことがきっかけで、莇平集落で行われている『明後日(あさって)新聞社(しんぶんしゃ)文化事業部』の活動を知りました。十日町には一度行ったことがあったし、アクセスもよいのでフィールドワークを始めたのですが、いつの間にか毎月通い、新聞の記事を書くようになり、気付いたら編集長になってしまいました(笑)。

明後日新聞社文化事業部へのリンク

地方で働くための備え

 去年の9月から保育士として働いているので、大学は保育系の学科だと思われる方もいらっしゃるのですが、保育士資格は通信講座を利用し、大学とは別に勉強していました。大学3年生の時は、大学での勉強・月1回の莇平集落通い・保育士資格の勉強…今思えば、よくあんなことできたなと思います。
 なぜ保育士の資格を取ろうと思ったかというと、『備え』といいますか、「資格があったら、自分が住みたい場所で、仕事をみつけられるかも。」と思い始めていたからなんです。

粘り勝ち移住

 めまぐるしいながらも充実した大学生活を送り、無事、試験をパスして4年生の冬に保育士資格を取得。莇平にも通い慣れて、集落の人たちとも仲良くなり、まるで『田舎のばあちゃんち』に帰るような、そんな気持ちになっていました。  
 卒業が近づくにつれ、私は十日町市に移住するべく、芸術祭スタッフや家の情報を集めたりと準備を始めました。ただ、親は埼玉・都内で就職すると思っていたので、「卒業後は、十日町市に移住したい。」と伝えたら、心配して反対されてしまいました。
 親を説得するため、生活していけるかどうか収支計画書を作り、何度も説明を繰り返し粘った結果「自分で決めたんだから、やりなさい。」と背中を押してもらい、2015年3月ついに莇平集落に移住しました。

移住者同士の支えあい

 大地の芸術祭スタッフとして、莇平集落の作品に住みながら管理する生活がスタート。『作品であり、自分の住み家』ということに慣れるのはなかなか大変でしたね。掃除をしていると全く知らないお客様が「こんにちは~。」と入ってくるし、自分の生活スペースを見ているのは不思議な気分になりました(笑)。
 芸術祭のスタッフといっても、お給料はそんなにあるわけではないので、市内の保育園でアルバイトをしたり、集落になじむため、「お手伝いすることはありませんか?」とよく聞いて回っていました。
 学生の時から通っていても、『地域になじむ努力』はしたように思います。周りの目も気になったし、「どう思われているんだろう?」と気になったときもありました。そして、それが辛く感じたときもありました。
 きっと、地方に移住した方は同じような思いを経験したことがあるんじゃないかなと思うのですが、そんな時支えになってくれたのは、同じように移住してきた若い人たちの存在でした。
 十日町市には、大地の芸術祭きっかけで移住してきた人たちが結構いて、お互いの悩みや不安・嬉しかったことなんかをよく共有していました。この環境はありがたかったなあ、と思います。

大地の芸術祭へのリンク

ここで住み続ける

 芸術祭は2015年9月13日に閉幕しました。芸術祭きっかけで移住してきた人の中には、閉幕とともに旅立つ人たちもいて、私も埼玉に帰ろうかと悩むときもありました。親からも帰省するたびに「帰っておいでよ。」と言われていたので、喜ぶんじゃないかなと思って伝えたら、「自分でやるって決めたでしょ。」と一蹴(笑)。「これは本気でやるしかない。」と思いました。
 でも、実は住み続けるための下準備はこつこつしていたんですね。アルバイト先の保育園の先生や集落の方たちに相談に乗って頂いたり、いろんな方たちに助けてもらえたことで、これからも十日町市で住み続けるイメージを持てたんです。そして、集落以外での仕事や活動が増えてきて、自分の生活と集落と付き合い方のバランスが取れるようになってきたことも、住み続けられそうと思った理由のひとつかなと思います。
 今は、市内の保育園で保育士として働きつつ、さと記者という市民ライター活動もしています。まだ十日町での働き方は模索中ですが、学生の時からやってきたことがここでの暮らしの土台になっています。
 いろいろなことが全部つながっているんだな、と実感します。

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