2015.10.08 掲載
vol3
古町花街コミュニティインフォメーションマネージャー
知野孝子さん
47歳 新潟市在住
vol3
1967年生まれ、新潟市出身。祖母、両親は飲食業を経営。幼いころから芸妓さんの着物やしぐさ、三味線の音色、宴会の音と匂い、板場のにぎやかさに囲まれて育つ。高校から東京に行きたかったが、途中下車した群馬県前橋市に30年間定住。不動産会社の企画室に配属、商業施設の開発や店舗企画、運営、販売促進などの業務に携わる。その後、婚活を目的に新潟へUターンをするものの、“まちづくり”に開眼。古町花街の会 事務局長を務めるほか、古町花街ぶらり酒・千社札めぐりコーディネーター、新潟中心商店街協同組合のタウンマネージャーを経て、現在、古町花街コミュニティインフォメーションのマネージャーとして、まちなか活性化に奮闘中。
一人の投げかけから始まった“古町にぎわい事業”も4年目を迎えました。やる事も段取りも少しずつ良くなる様に変わっていかなくてはいけませんが、現実は思っているほど変わってはいかないものです。
知らなかった人同士、挨拶が出来るようになり、手を取り合い一緒に汗をかいて作り上げていく。
3年目まではいろいろな商店主達が協力し合い、外部も支援をしてくださいます。もちろん、前に進もうと実行委員の想いも冷めたわけではないのですが、自分達の出来ること以上に負担もかかり始めてきました。それは、参加店が多くなるということは作業量も増えるという事で、マンパワーも足りなくなるからです。また、参加店との想いの差も大きく、ただイベントに参加すれば良いとか、一人でお店を切り盛りしているから手伝いに参加できない。など一緒に活動して行こうという想いを共有する場がなかなかもてないという現実です。実行委員は、声を出し合いながらも自分達の出来ることや時間をより多く使いながら打合せを行っていきますが、想いと自分達で出来ることにギャップがうまれ始め、関わる人達も立上げ当初のメンバーと変わっていきます。新しい力や考え方、動き方も取り入れて進んでいかなくてはいけませんが、その行動の中には、全員が理解して進む。ということが難しくなってきました。話し合いも『何のためにこのイベントを行っているのか』がよく問われました。イベントをやる事に論点がいく人と、イベントはまちの魅力を再発見する為の手段だと実行委員の中でも何度も話し合いました。しかし、話し合いは平行線をたどってしまうこともありましたが、『よし、やるぞ!』っと、旗を振る人が先頭を切って進んで行くことで新たな1歩に繋がり、今回、(株)JR東日本企画様の企画に取り入れて頂くことになったのです。それは、いろいろな方々からいろいろな形で応援や支援を頂けることを感謝し、いろいろな意見を受け入れ、自分達も変わっていこうという新たな決意の表れでもありました。
短期間で行われる“古町花街ぶらり酒”『食のお祭り』と、長期間で行われる“古町花街千社札めぐり”『日常のおもてなし』の2つのにぎわい創出イベントを行ってきましたが、今回、新たに『まちを楽しむ』をテーマに“古町パスポート”が誕生しました。まだまだ荒削りで修正しながら進めていかなくてはいけない内容ですが、このパスポートを持って古町を回遊する楽しみ、日常から古町を楽しむために考えられた企画です。
1つは、JR東日本企画様の「食と花の新潟市ふるさと旅行パック」に平成27年10月1日~平成28年1月31日まで使用できる“参加飲食店ご利用券5,000円付旅行パック”湊町・新潟の風情漂う繁華街「古町」で、割烹や居酒屋など57の参加店の旬のおつまみや地酒を味わう、店主や女将との楽しい会話も旅の醍醐味という企画です。これは、一人からご利用できるので、県外の方々が観光だけでなく、出張などでもご利用していただけるのではないかと思っています。また、500円券が10枚付いているので、古町をぶらりぶらりと回遊し、お店の千社札をお土産にもらい新潟古町の夜を楽しんで頂けたらと思っています。
2つめは、参加店とまちを一緒に楽しむ、という企画です。期間は、平成27年10月1日~平成28年3月31日まで使用できるパスポートです。その中には、お楽しみが3つあります。お楽しみ1は、千社札めぐり。各店オリジナルの千社札を5枚集めて抽選にいけます。お楽しみ2は、ご飲食1,500円(税込)以上で300円の割引が一人1店舗で3回まで使用できます。総額53,100円のお得な割引チケットが付いています。お楽しみ3は、参加店と一緒にまちを楽しむイベントです。毎月1回、飲み歩き強化日や佐渡フェアーなど1店舗では出来ない楽しみ方が付いています。
このようにイベントの形が変わっていくことで、活動していく内容や目指していく目標が変わっていきますが、最終的な目的は、『古町の魅力を紡ぐ』です。その過程には、沢山の想いや様々な活動が加わりまちの魅力を磨いていくということだと思います。それは、古町花街の文化・歴史、街並み、風情、人、たくさんの要素をひとつの目的に向かって受け継ぐ努力を行い、まちの魅力を高め、想いを繋いでいく、
歴史を紡いでいく―――。
そんな場をつくる仕事は、時間も不規則だったり資金のない中で活動するので精神的にも苦痛になったりしますが、私自身の目標をしっかり見据えて、たくさんの方々に支えられてここに居られることに感謝して取り組んで行きたいと思っています。
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