2013.08.21 掲載
“得意分野を活かして起業したい”と思っても、初めから一人でやっていくことに不安を感じる方も多いと思います。そんな時、様々なサポートが受けられる制度を活用してはいかがでしょうか。
今回は、独立起業を目指す人を支援する、新発田市のチャレンジショップ『パレット』をご紹介します。
『パレット』を管理する新発田商工会議所の本間大介さんにお話を伺いました。
「『パレット』は、中心市街地活性化のために、平成23年に新発田の商店街に設立した共同店舗です。おおむね1年間の出店が可能で、家賃は光熱費込みで毎月1万5千円と、手頃な資金で起業経験を積めるのが特徴です。出店者には、経営に関するアドバイスやお店の宣伝といったサポートも行うので、初めから独立するよりも心強く感じてもらえるのではないかと思います。」
「『パレット』出店者の年代や居住地域の条件はありませんが、出店終了後も新発田で起業し、中心市街地の活性化に取り組んでくれる若者であれば、尚良いと考えています。
事業はビジョンが大切なので、将来起業したい人は、どのようなお店にしたいのかをイメージした上で行動に移すと成功しやすいのではないでしょうか。自分が本当にやりたいことを貫くことで、良い結果が生まれると思います。」
次に、『パレット』に、フェイクスイーツ※のアクセサリー店『TiTi』を出店している野村知子さんにお話を伺いました。
「会社員として働いていた頃に、フェイクスイーツの作り方を独学で習得しました。元々小物作りを仕事にするのが夢だったので、その後会社を退職し、製作した商品をイベントやインターネットで販売し始めました。
当初は自宅を作業場にしていましたが、多くのお客様にフェイクスイーツを知っていただくために、製作の様子も見てもらえるお店を持ちたいと思うようになりました。そんな時、『パレット』の出店者募集のチラシを見付けて応募し、『TiTi』をオープンさせました。」
※フェイクスイーツ:本物のお菓子を模した手芸作品。
「製作と販売が同じ空間でできることや、一定の場所で商品を提供できることは、出店の大きなメリットです。また、同じく『パレット』で出店しているペットサロンと連携してペット用のアクセサリーを作るなど、共同店舗ならではの取組にも挑戦しています。
本当に好きなことに出会ったときは、迷いなくその道に進む決断ができるもので、私にとってはそれがフェイクスイーツでした。『パレット』での出店を終えた後も県内でお店を出して、地域を盛り上げられるような働きがしたいです。」
続いて、『パレット』出店後に、実際に独立起業された方々にお話をお聞きしました。
パソコン講師の志田由香さんは、新発田の商店街に『ユアーズパソコン教室』を立ち上げました。
「民間のパソコン教室や新発田市の生涯学習センターで教えているうちに、受講生の要望にきめ細かく対応できる場所を作りたいと考えるようになり、『パレット』での教室運営を始めました。『パレット』では、商工会議所の方から経理のノウハウも学ぶことができたので、非常に良い経験になりました。
その後も、レッスンを受けたいと言ってくださる多くの受講生のおかげで、独立起業を決意し、『ユアーズパソコン教室』を設立しました。」
「独立後は、多くの方に教室を知ってもらえるようにどう宣伝するかなど、苦労もありますが、自分の教室を持っていることは、パソコン講師としての大きな強みです。
受講生から“レッスンを受けたことで、できなかったことができるようになった”と言っていただける瞬間に、講師としてのやりがいを最も感じるので、一人一人のご希望にお応えできるよう、今後も頑張りたいです。」
理容師免許を持つ前田美幸さんは、女性顔そり専門店『あんじゅ』を運営しています。
「顔そりは理容室ならではのサービスですが、理容室に来られるお客様の多くは男性なので、女性のための顔そり専門店を立ち上げるために『パレット』に出店しました。出店を通して多くのお客様と出会い、出店期間を終えた後も、お客様から近くの物件を紹介していただいて『あんじゅ』をオープンさせました。」
「『パレット』では、他に出店していた方々とも仲良くなり、そのお店の商品を『あんじゅ』でも販売するなど、今でも協力し合っています。
最初は、『パレット』の出店者募集のチラシを見て、勢いで出店したようなものですが、そのおかげで色々なお客様や仲間と繋がり、起業にまで至りました。好きでやっているので、毎日楽しく仕事をしています。
将来、起業を考えている方も、タイミングや縁を大切にして、ぜひ一歩踏み出してほしいと思います。」
このページをSNSで共有する