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ニイガタビト

変わらない料理人になるという夢

2016.12.07 掲載

高浪の池 料理人

伊藤大貴さん

21歳 糸魚川市

 糸魚川市出身。子どもの頃からスポーツが好きで、スキーは今も続けるほど熱中して取り組んでいた。料理を習い事でしたことはなかったが、食べるのが大好きで卒業文集には「料理人になりたい」と書き残す。県立海洋高等学校の航海や漁を学ぶコース(現 海洋開発科海洋技術コース)に進み、日本一周やロシア航路を回る研修を受けたり、操船を学ぶ。料理人になる夢を叶えるため、東京の調理師専門学校に進学し、卒業後は上越市の割烹で一人前の料理人になるべく朝から晩まで修行。今年7月より地元糸魚川にUターンし、「高浪の池」料理人としてお客様をもてなしている。

体験できないことばかりの高校生活

 子どもの頃から食べることが大好きで、小学校の調理実習は張り切ってしまうタイプ。卒業文集には「将来の夢は料理人」と書いていました。でも、いつからそう思っていたかはよく覚えておらず、習いごとも水泳、野球、スキーと色々しましたが料理は習っていませんでした。自分でも不思議だなと思うんですが、やっぱり「食べるのが好きだから」に尽きるのかなと思っています。
 県立海洋高等学校の航海や漁を学ぶコースに進学し、一般の高校生と同じように基礎知識を学びながら、専門知識も学びました。大きな特徴としては、日本一周しながら操船技術と漁を学ぶ40日航海研修(2年時)やロシア航海研修(3年時)があることです。
 日本一周の時は、出港していきなり2日目に台風に遭遇し、激しい船酔いに襲われました。気持ち悪くても作業や当直があるので休むこともできず、船酔いを治すために無理やりでも食べなければならないのが、本当に辛かったです(苦笑)。けれど、途中立ち寄った小樽港での自由行動は楽しかったし、小笠原諸島近辺で2週間行った漁で取れたマグロは本当に美味しかったです。船酔いに苦しんだ日も多かったですが、夜に波が全く無い時があって、そんな日の当直は幻想的な光景に出会うことができます。進む船にあたる波の音と夜光虫、夜空に広がる光の世界は本当に幻想的で、一般の高校生は体験できないだろうなと思うことばかりの高校生活でした。

ただただ、東京に行きたい

 ロシア航海研修が終わると3年生の夏休み前で、そろそろ進路を考える時期になります。大学に進み造船や航海の勉強をする人もいれば、魚河岸で働く人、建設業で働く人、漁師家業を継ぐ人など様々です。航海や漁も面白かったけれど、私は変わらず料理人になりたいと思い続けていました。
 夏休みに、東京にある調理師専門学校をいくつか見て回り、立川市にある学校に決めました。県内にも調理師専門学校はありますが、この機会を逃したら2度と東京に行くことはないだろうと思い、県内は候補には入れませんでした。ただただ、東京に行ってみたかったんです。地元の友人も進学する人は、大体東京に行っていたように思います。私の場合は姉が東京にいたこともあり、両親からの反対もなかったので、それも後押しになりました。
 立川市の暮らしは本当に快適そのもの。学校の近くに住んでいたので、自転車で通えるし、遊びもバイトも立川市で事足りる。また、糸魚川とは違い交通の便が良くて東京都心まですぐでした。あと、本当に偶然なんですけど同じクラスに三条市出身の子がいたんです。しかもアパートが私のすぐ向かい(笑)。東京にいるのに、しょっちゅう新潟あるあるなんかを話したりして、本当に楽しかったです。

生まれ育った糸魚川じゃなきゃ

 就職を考え始めてからは、立川市での就職も考えましたが、やっぱり糸魚川に帰りたいと思ったんです。立川市は本当に住みやすくて好きだったけれど、自分が生まれ育った糸魚川じゃなきゃ、海や山、花や草木や風の香りが感じられませんでした。夏は海遊び、冬はスキー、四季折々の楽しさを覚えていたから、「帰りたい」と素直に思いました。
 就職活動は新潟の情報が少なくて苦労しました。リクルート系のサイトやハローワークで探しましたが、なかなかほしい情報がなく…。そんな時、1年時の担任の先生が「いいところがあったぞ」と1件の割烹を紹介してくれました。上越市に本店がある割烹で、ちょうど東京進出の求人が出ていたんです。当時のアルバイト先の店長から「ここで就職したらどうだ?」とお話も頂いたんですが、「やっぱり地元がいい」という思いは揺らがず、上越市に本店のある割烹を選びました。募集は東京支店でしたが、本店を希望し、春から上越市で働くことが決まりました。

追廻しとして働く日々

 2015年春、卒業と同時に上越市に移り、いよいよ修行の日々が始まりました。最初は追廻しという、いわゆる雑用をしました。各調理場の野菜や魚の下準備、掃除などを朝から晩まで。半年ほど経った頃、煮方で野菜を切らせてもらったり、まかない作りを担当しました。まかない作りは、自分の仕事をやりながら食事の時間に合うように準備しないといけなかったので、本当に大変でした。褒められることよりも注意されたことの方が多かったように思います(苦笑)。限られた時間の中で段取り良く動くことは難しく、下ごしらえの丁寧さを欠いた料理は先輩たちにはすぐにばれてしまいます。職場では「誰が次に何をするか予想し、自分は何を準備しておくか、どう動くか」日々考えながら働きました。

嬉しいことも、辛いことも直球

 1年半ほど基礎を身につけてきた頃、「自分でも一通りのことがやってみたい」という思いが湧いてきました。そんな時に地元糸魚川の「高浪の池」が、スタッフの高齢化などの理由で営業が厳しいという状況になっているという話が舞い込んできました。上司から「もう少し勉強した方がいいのではないか」というアドバイスや自分自身もやっていけるのかという不安や迷いはありましたが、「地元で挑戦してみたい」という思いが勝りました。
 2016年7月、いざ!挑戦の場「高浪の池」での勤務がスタートしました。食堂では、メニュー考案・試作の他、スタッフさんたちへの指示出し・施設周りの整備など多岐に渡ります。今までは親方や先輩がいて、コメントやアドバイスをもらうことができて、安心感がありました。けれど今は自分で考え、決めなくてはいけません。また今までは和食だけでしたが、食堂ではスイーツからお弁当まで何でも作ります。何をするにも挑戦で、その評価は全てお客様から直球でくるので、戸惑うこともありました。
 最初に作ったお弁当は、初めてということもありスタッフで試食会をしたんですが、「700円でこのクオリティではダメ」と言われてしまいました。自分で考える原価と内容・量のバランスと、他の人からみたバランスが違うということを突き付けられた瞬間でした。けれど、その時にもらったアドバイスをもとに悩みながらも修正して、納得のいくお弁当を作ることができました。先日は1,000円弁当の依頼があり、お渡しした後「見た目もきれいで、お上品なお味で美味しかったよ」とお礼のご連絡を頂いたんです。
 嬉しいことも、辛いことも直球です。でも、立川や上越にいた時よりも何倍もできることが増えました。難しいけど、楽しいです。

もっともっと地元を盛り上げたい

 「高浪の池」は11月で一旦冬季休業に入ります。冬の間は、料理の勉強に行くことも考えましたが、除雪仕事の現場が人手不足で困っているという話を父経由で頂きました。せっかく声を掛けていただいたことと地元の役に立てたらという思いで、この冬から助手として働くことにしました。
 立川で生活し、糸魚川から離れたからこそ、地元の良さを改めて感じました。糸魚川は四季ごとに匂いや景色の変化を楽しめ色々な遊びができます。そして生まれ育った地元の力になっている実感があります。私はもっともっと糸魚川を盛り上げたいと思っていますし、自分の料理をきっかけにして「高浪の池」にたくさんの人が足を運んでくれたら嬉しいです。高浪の池展望台から見える明星山の景色が最高なので、ぜひ来春お越しください!

高浪の池HPへのリンク

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