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ニイガタビト

「にいがた子育てのススメ」先輩インタビュー第1弾
- 移住から9年。ショップをベースに新しいワクワクに挑戦中 -

2022.10.21 掲載

セレクトショップ message one 経営

藤王 祐子さん

五泉市

\「にいがた子育てのススメ」先輩インタビュー第1弾!/

◎藤王さんのプロフィール
秋田県出身。服飾系専門学校で学び、東京でハイブランドファッションの店舗運営に関わる。長女の誕生をきっかけに2013年に五泉市へ移住。ハンドメイドの子ども服を県内イベントで販売すると好評を博し、地域の支援制度を活用し、2020年3月にセレクトショップをオープン。

五泉に着いて心がほどけた

【Q. 五泉市に移住した経緯を教えてください。】

きっかけは東京で子どもを預ける保育園が見つからなかったことです。渋谷区在住だったのですが、当時は待機児童問題が深刻で、探しても待っても保育園が見つからない。それに、ベビーカーで電車やバスに乗るたびに冷たい視線を浴びるし、街中でハロウィンやイベントがあれば散歩にも出られない。子育てをしていて気の休まる時間がなかったんです。

五泉は夫の故郷ですが、移住しようと言ったのは私の方です。新しい場所で新しい生活を始めたい。そう思って移住を決断し、ワクワクしながら、1歳半になった娘を連れて引っ越してきました。五泉市には市外から転入した家族を対象にした「ウェルカムファミリー住まいる事業」があるので、その補助金を使って自宅を新築して五泉での生活をスタートさせました。


【Q. 五泉の印象はいかがでしたか?】

五泉に着いた瞬間に、ほっとしました。周囲の人たちが温かく、子どもにも声を掛けてくれ、何かと面倒もみてくれる――東京で張りつめていた気持ちがほどけました。交通手段は車で、天候も荷物の量も気にせず出掛けられるから子連れには便利。幼稚園にもすんなりと入園が決まり、娘も新しい生活にすぐになじんでいきました。娘と飼っている犬を散歩に連れていくのが日課なのですが、すぐそばに自然が広がっていて気持ちの良い環境も気に入っています。

五泉市ファミリー住まいる事業へのリンク

移住から9年。ショップをベースに新しいワクワクに挑戦中

【Q. お仕事はどうされましたか?】

東京ではずっとアパレルの仕事をしていたので、その経験をこちらでも活かせないかと考え、まず新潟市のファッション専門学校で講師の仕事を見つけました。仕事の傍ら、娘の洋服をハンドメイドしていたところ、幼稚園のママ友が「こんなに可愛いんだから売ったらいいのに」とほめてくれ、その気になったのが今の仕事を選んだきっかけでした。子供服やリバティプリント地を使った小物を作って、2016年から新潟県内のイベントで販売を始めたんです。イベントはだいたい休日開催なので、娘と一緒に楽しみながら参加していました。売れ行きは好調でしたし、これがまた楽しかったです。


【Q. そしていよいよ実店舗を開かれたのですね?】

知人に空き店舗があると紹介されたのですが、不定期のイベントで販売するのと店舗を構えるのとでは大きな違い。前職は販売の仕事でしたからその厳しさは知っていました。販売するだけの商品の質と量を確保できるか、店舗を維持できるか、1年間悩みました。

そして、考えているうちに、失敗してもそれで終わりじゃないと思うようになりました。「もし失敗したとしても、立ち直って挑戦する母の姿を娘に見せよう」と。そこからは速かったですよ(笑)。周囲には心配してくれたり反対したりする人もいましたが、強行突破。五泉市の起業支援制度を申請し、融資が決まる前に床や壁など自分でできるところから店舗のリフォームを始めちゃいました。オープン後は商工会の支援も受けられ、本当に助かりました。

ごせん起業者応援事業へのリンク

五泉のまちが楽しくなるように

【Q. message oneはどんなお店ですか?】

古着やリメイクの洋服、ハンドメイドのアクセサリーや小物、フェアトレードの品などを扱っています。私が作ったものだけでなく、地域の作家さんのアイテムも置いています。品ぞろえのポリシーは、仕入れはそれぞれ1点のみ、セールはしない、生産背景をきちんとたどる、そして、着る人が個性を表現できるものという4点。売るときは、お客様が本当に必要なものだけをお勧めするスタンスです。

このようなポリシーの背景には「きちんと責任を持って売りたい」という思いがあります。ファストファッションの裏側に迫るドキュメンタリー映画「ザ・トゥルーコスト」を見て、ファッションに関わる者として納得のいかない販売はしないと決意したからです。環境への負荷を軽減するために大量生産/大量消費を避けるなど、自分ができることを続けていきたいと思っています。


【Q. これからの抱負を教えてください。】

今年から店舗のすぐ近くに小さな畑を借り、娘と一緒に野菜を育てています。肥料も農薬も使用せず、作物の力を信じた栽培です。わかりやすく言うならほったらかしなんですけど、この夏娘と育てたミニトマトやジャガイモ、オクラは味が濃くておいしかったですよ。せっかく自然の豊かなところにいるのだから、もっと自然に交わって健康的に暮らしていきたいです。

仕事については、ファッションを核にして若者や大人が楽しめるコトをやってみたいと思っています。フリマやDJなどみんなが気軽に参加できるようなイベントもいいかなと。もし五泉に来ていなかったら起業していなかったし、これだけ幅広い人たちと関わることもなかったと思います。今後は感謝の気持ちを込めながら、五泉のまちが楽しくなるようなことをカタチにしていきたいと思っています。

去年シングルマザーになって今は娘と2人暮らしです。小学生になった娘はダンスに夢中で、なにやら自分の世界を持ち始めています(笑)。私は私で自分のショップをベースに地域の人たちとのつながりを構築中。移住から9年、私たちはここにしっかりと根を下ろしたなと実感しています。

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