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【特別企画】新潟を変える!新潟から変える!IT起業家座談会(前編)
- ビジネスモデルと、働く人たち -

2021.03.01 掲載

【特別企画】新潟を変える!新潟から変える!IT起業家座談会

【特別企画】新潟を変える!新潟から変える!IT起業家座談会

(写真左から)
株式会社クーネルワーク 代表取締役社長 谷 俊介さん
株式会社ユニークワン 代表取締役社長 立川 和行さん
フラー株式会社 代表取締役会長 渋谷 修太さん

首都圏などの大都市部で働いている人が、新潟へのU・Iターンを考えた時に気になるのが仕事のこと。
「新潟に戻りたいけど、キャリアを諦めたくない」
「経験を生かせる仕事が新潟にはない」
そんな風に考えたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、新潟にも世界市場で戦う企業や、全国で名を馳せるクライアントと仕事をする企業、新潟らしい独自の事業を展開する企業など、エキサイティングな仕事はたくさんあります。
今回はそんな中でも、IT業界で面白い事業を展開し、新潟をリードする起業家3名の座談会をお届けいたします。

■株式会社クーネルワーク 代表取締役社長 谷 俊介さん
◎出身など 1987年、東京都生まれ
◎経歴 上智大学法学部卒業。在学中から西新宿のITベンチャーでWEBマーケティングに携わる(東京都)→2011年新潟市にIターンし、起業→2016年に合併により株式会社クーネルワークを設立(新潟市)

■株式会社ユニークワン 代表取締役社長 立川 和行さん
◎出身など 1978年、新潟市生まれ
◎経歴 慶応義塾大学総合政策学部卒業後、株式会社NTTドコモに入社(東京都)→2011年にUターンし、実家の「カガヤキ農園」で勤務(新潟市)→2014年に株式会社ユニークワンを創業(新潟市)

■フラー株式会社 代表取締役会長 渋谷修太さん
◎出身など 1988年、新潟県生まれ
◎経歴 国立長岡工業高等専門学校卒業後、筑波大学へ編入学(茨城県)→グリー株式会社にてソーシャルゲーム最盛期にマーケティング事業に従事した後、 2011年11月フラー株式会社を創業(茨城県)→2020年に新潟市へ移住

IT企業といっても、それぞれの事業内容は多様

―― まずは、それぞれの事業内容を教えてください。

クーネルワーク谷:クーネルワークでは、新潟の産直品を販売するECサイト『新潟直送計画』の運営と、出店者さんのWeb制作やパッケージ、パンフレットなどのグラフィックデザイン、マーケティング支援などをしています。特にECは、コロナ禍の中で大きく伸びています。今年は隣県の山形への進出も予定しています。

ユニークワン立川:ユニークワンは、Webに特化した広告代理店業務と、ブログ『にいがた通信』やYouTubeチャンネル『にいがたTV』といった自社メディア運営が主な事業です。売上の8割は広告代理店業務。最近は採用活動をお手伝いする採用マーケティングが伸びています。また、クライアントの半分以上は県外企業で、上場企業との取引もあります。オフィスを見渡してみても、東京のクライアントとWebミーティングをしている社員が多く、「新潟で仕事をしている感」はあまりないかもしれません。

フラー渋谷:フラーは首都圏で創業し、スマホアプリのデータ分析とそれを使ったコンサルティング事業、アプリの企画・開発をしています。アプリのデータ分析は「どのアプリがどれくらい使われるか」といった利用データを市場調査や競合調査のために提供しています。テレビでいう視聴率調査のようなイメージです。アプリ開発は任天堂さんなど国内大手企業などがクライアントです。新潟に事業所を構えてからは、スノーピークさんやハードオフさんといった新潟の企業のアプリ制作を請け負うことも増えてきました。

やるべきことを愚直にやり続けた結果、新潟最大規模のECサイトに成長(クーネルワーク)

―― 谷さんは新潟にIターンされたそうですね。なぜ新潟で起業を?

クーネルワーク谷:もともと東京でWeb関係のコンサルタントをしていました。でも、業界のトレンドを追い続けるような仕事よりも、自分でサービスを運営したいなと考えるようになって。それで何となく『地方でなら長く続けられる仕事ができるんじゃないか』と思い、たまたま新潟に縁があり2011年に仲間と4人で移住してきました。

―― 産直サイト『新潟直送計画』を立ち上げたきっかけは何ですか?

クーネルワーク谷:インターネットでは、在庫を持たない「ドロップシッピング※」という方式で在庫リスクなく商品販売ができます。働く場所も、扱う商材も自由で、創業当時はiPhoneを売るなど、特に何を売るかにこだわりはありませんでした。
『新潟直送計画』をはじめたきっかけは、自分が枝豆などの新潟産品を実家に送ろうとしたときに使いやすいECサイトがなかったから。『新潟県民はモノを作るのは上手だけど、売るのは下手だよね』という話も聞いていたので、自分たちが売る仕組みを作って、作り手が作ることに集中できる環境を整えれば良いと思ったんです。

―― 『新潟直送計画』は新潟を代表するECサイトだと思います。何か特別な取り組みをしてきたのでしょうか?

クーネルワーク谷:いえ。僕らは特に新しいことはしていないですよ。新潟直送計画のようなECサイト自体は当時も他にありましたし、「俺も同じこと考えていた」って声をかけられることも多かったです。それに、後発のECサイトもいろいろ出てきました。けれど、僕らみたいにちゃんと全ての出店者のところに取材に行って紹介ページを作ったり、楽天・Yahooショッピング・Amazonでも買えるようにしたり、しっかりWeb広告を出したり、といったところまで手をかける事業者はほとんどなかった。僕らは特別なことは何もしていなけれど、やるべきことをやり続けているから、成長し続けているのだと思います。

※ドロップシッピング…商品等をウェブサイトの閲覧者が購入した場合に商品の発送を、販売したウェブサイトの提供者や広告者ではなく、製造元や卸元が直接行う取引方法。

新潟で培ったノウハウを活かし他県でも事業を展開(ユニークワン)

―― 立川さんはUターンしてから、ご実家の「カガヤキ農園」で働いた後に、起業されていますよね。もともと起業する計画があったのですか?

ユニークワン立川:いいえ、起業願望はなくて、本当はサラリーマンをしていたい人間でした。2011年に10年間働いたNTTドコモを退職した時は、実家の農業の手伝いをしつつ、今後の進路については決めていませんでした。また東京で転職活動をすることも選択肢として考えていたくらいです。
ところが、カガヤキ農園で農産物のネット販売をはじめたところ、ネット広告の相談をできる業者が県内に全くなかった。調べたら東京には数えきれないほどあるYahooやGoogleの正規代理店が、新潟にはひとつもない。『え、嘘でしょ!?』『新潟はどんどん世界から遅れていってしまう…』と危機感を持ちました。農園の仕事も面白くなってきて、このまま家業を継ぐのもいいかと思っていたのですが、親父が経営から退く気配が全くなく…。じゃあ自分で別の会社やろうかなと思って起業しました。

―― 2014年にユニークワンを創業され、今では富山、石川、長野、宮城、福島、群馬、千葉、栃木などでもWeb広告やメディア運営の事業展開をされています。Web広告事業に「先見の明」があったのでしょうか?

ユニークワン立川:いやいや。「ネット広告の会社を立ち上げた」と大学時代の同級生に伝えたら「えっ、今更?」と笑われましたよ(笑)。それくらい業界的には遅いことをやっている。でも、ローカルな市場でWeb広告をどう使えば成果につながるのか?というノウハウはマス市場を相手にしている東京の企業は持っていません。ユニークワンでは自社メディア運営や、地域企業と連携しながら地方ならではのネット広告活用のノウハウを蓄積してきたからこそ、同じような課題を抱える地方都市に事業を横展開できているのだと思います。

地方拠点は採用に効く!?フラーが新潟に本社を構えたワケ(フラー)

―― 谷さんと立川さんが、新潟の地でビジネスを立ち上げたのと違い、フラーはもともと首都圏で事業展開している中で、2017年に新潟に拠点を開設し、2020年に二本社体制としました。なぜ新潟に拠点を開こうと思ったのですか?

フラー渋谷:新潟は私の出身地ですが、拠点を開いたのは偶然です。フラーは2011年に茨城県つくば市で立ち上げ、その後本社を千葉県柏市柏の葉に移転し、主に首都圏のクライアントと仕事をしています。新潟拠点開設のきっかけは、2016年にスタッフの一人が、家庭の事情で新潟の実家に帰ることになったけれど、新潟に自分のスキルを生かせる仕事がないと悩んでいたこと。すごく優秀で、意欲ある人が今までの専門分野で働けなくなるのはもったいないと思って拠点をつくりました。そうしたら思った以上にUターンを希望する人が集まって、3年で20人ほどに。本当は故郷に戻って仕事をしたい人の多さに驚きました。

―― スタッフが働く場所の選択肢を拡げるためだったんですね。

フラー渋谷: 2020年に新潟と柏の葉の二本社体制にした大きな理由も、「採用戦略」のためなんです。

―― えっ?地方にオフィスがあると採用に有利になるんですか?

フラー渋谷:そうです。IT業界の採用市場は、優秀なシステムエンジニアの取り合いです。その中で、私たちのようなベンチャー企業が人材を集めるためには、大手との違いを作らなければいけない。フラーが狙っている人材は、「都心部のIT企業でバリバリ働いていたけれど、結婚や子育てをきっかけに都心部を離れて、少しゆったりした空間で暮らしたいと考えている人」。柏の葉にオフィスを構えたのも、郊外型で教育水準も高いスマートシティだから。新潟は海も山もある自然豊かな地方都市。働ける場所の選択肢が増えたということで、フラーの採用戦略にもプラスになりました。

IT企業って、どんな人が働いているの?

―― 一口にIT企業と言っても、各社のカラーはかなり異なりますね。どんな人たちが働いているのか教えて下さい。

クーネルワーク谷:経験やスキルのある人だけでなく、新潟の新卒や未経験の若い社員も多いです。転職組は、広告代理店出身の人もいれば、地銀の営業やアパレルだった人もいます。いまWeb制作を中心でやっているのは元居酒屋店長。IT企業らしからぬバラエティに富んだ人達が働いています。
なので経験がない人でも自走できる事業をやらなきゃいけない。だから、農家さんのところに行って取材して撮影して執筆して、モノを売るといったITの技術がなくてもできる業務がけっこうあります。

フラー渋谷:フラーは、アプリ開発のための技術が必須なので、中途採用のシステムエンジニアが中心です。先程お話したとおり、大手企業に勤めていた人が、ライフステージが変化するタイミングで来てくれることが多いです。

ユニークワン立川:うちは、業界経験者のUターン組が多いです。広告代理店は企業の広報を代わりに担うので、クライアントと接する担当者には信頼感やある程度の業界経験を求めています。今まで銀行やマスメディアに入っていたローカルエリートが「働きたい!」と思える会社を目指しています。「あの会社に入ると合コンでモテそう」と言われる会社にしたい(笑)

フラー渋谷:合コン…!その観点はなかったです(笑)

ユニークワン立川:男女比はほぼ5対5。ある程度スキルがある人を採用しようとすると、自然と女性も多くなりました。子育てのことも考えて、Uターンしたいと考える人が多いのでは。だから、女性が働きやすい職場にしようと思っています。

【後編へつづく】

前編では、各社の事業内容から起業のきっかけ、どんな人が働いているかをお聞きしました。後編では、働き方の工夫や、採用戦略について、そしてこれからどんな会社にしたいかといったビジョンについての座談会をお届けします。お楽しみに!

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