2016.01.26 掲載
高田世界館支配人
上野迪音(うえのみちなり)さん
28歳 上越市在住
上越市出身。高校卒業後、横浜の大学に進学。在学中に映画に興味を持ち、自主制作映画の上映会の企画・運営に関わる。高田世界館で上映会を開催したことをきっかけに、2014年から常駐スタッフとして勤務。企画・運営・上映作品の選定など様々な業務に携わっている。
一般的には、「田舎」イコール「つまらない場所」という思いから、首都圏へ進学を希望するケースが多いのではないでしょうか。実際、自分の3歳年上の兄も都会への憧れが強いようでしたが、自分はそうでもなかったです。ですから、上越へのUターンに抵抗はありませんでした。
在学中に映画に興味を持ち、映画評論を専攻。自主上映会を企画し、会場を探していた時に、高田世界館を知り、上映会に使ったことが縁で2014年からスタッフとして活動し始めました。担当する業務は幅広く、上映作品の選定や施設の運営のほか、映画の題材に合わせたイベントも企画しています。「高田世界館」を、映画だけにとどまらない場所にするのが目標です。
上越に戻ったのは2年前。残念ながら地元に友人は少ないです。というのも、高校卒業後、多くの友人が進学で地元を離れました。残っているのは、家業を継いだり、行政職員になった友人がほとんど。地域に仕事や娯楽があり、文化がしっかりと根付けば街は魅力的になり、地元に残る・地元に戻ってくる若者が増えると思います。「高田世界館」が魅力的な「まちづくり」の一助となるよう頑張っていきたいです。
映画上映を行う際に、監督や出演者をお呼びすることがあるのですが、開業から100年以上続く日本最古の上映館ということもあってか、多くの監督らから来館いただけるようになりました。新聞、雑誌、テレビなど様々なメディアで取り上げていただき、以前はなかなか足を運んでもらえなかった若い方たちも友人を誘って訪れてくれます。映画制作のアドバイスをした小学生が、映画を観にきてくれたりもするんですよ。少しずつですが、やりたかった「まちづくり」に近づいている気がしています。
高田世界館の通りは、商店や飲食店、呉服店、銀行などまちの機能がちゃんと残っています。近くには、明治時代に建築された町家「旧小妻屋」を再生・活用した交流施設、「町屋交流館高田小町」もあります。他にも様々な古い建物が残っていますので、映画以外にも文化を発信していくことができると思っています。今は、スマートフォンの普及でツイッターやフェイスブックなどのSNSを使って、地域の情報を瞬時に発信できる時代。首都圏に住んでいる方から反応や書き込みをして貰えると、繋がっていると感じますね。帰省した際に立ち寄ってもらえると、とても嬉しいです。
メディアに取り上げられたことで、Uターンした方が、ボランティアとして運営に協力してくださるようになりました。その繋がりから、たくさんのチャンスや可能性が生まれそうです。若い人に限らず、上越に戻りたいという方は、他の地域で培った経験があります。そういう方々が集まり街を楽しくしようと思えば、相乗効果が生まれ、新しいことが出来ると思っています。悩むこともありますが、本来楽観的な性格なので、失敗したら別のやり方で前に進めばいいんです。高田世界館界隈は、必ず、魅力的な場所に変わっていくと信じているので、どんどんUターンの方が増えるように情報発信していきたいです。
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