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ニイガタビト

当たり前すぎた、魚沼の良さ

2015.06.04 掲載

vol1

NPO法人 入広瀬元気クラブ

鈴木里美さん

魚沼市在住

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Key word

 高校卒業後、教師を目指して関東の大学に進学。さらに研究者になる道を考え選び大学院に合格したが、一転、酪農家を目指して北海道へ。その後、魚沼市にUターン。現在はNPO法人入広瀬元気クラブで大白川の浅草山荘、大原スキー場、駅のえき等を運営している。

いっぺん来たら永住したくなるほど魅力のある場所

 私は米どころ新潟県魚沼市で生まれ、今現在も美味しい米を食べながら育っているところです。大学進学のときに初めて県外に住んでみて、今まで気づかなかった魚沼の良さを知りました。魚沼に住んでいた頃は、魚沼のモノ・コト・ヒトが当たり前すぎて逆に地元愛がなかったのです。今でこそ魚沼大好き人間になり、地域活性化のために手さぐりで取り組んでおりますが、そもそも今まで魚沼を良くしようなんて考えたこともありませんでした。
地域活性化の仕事なんて1つも考えていませんでした。それまでずっと日本語教師を目指していたのですが、大学3年生のときに「研究者になりなさい。」と教授に言われ、それをすんなりと受け入れました。そのまま一生研究を続けようと大学院へ進む道を選び、受験勉強に励みました。しかし、研究は好きでも勉強嫌いな私は、受験勉強にうんざりして大学院に行くことを辞めました。もともと都会は好きでなかったし、どうせなら田舎も田舎、日本の果てに行こうと思い、酪農家を目指して北海道に行きました。このとき初めて田舎に帰りたいなと思いました。田舎というのは魚沼だけではなく、自然が多くて母ちゃん父ちゃんがいるところ、そんなところに行きたいなと思いました。
酪農家プチ修行を終え、両親に酪農家になることを話しましたが、もちろん反対。思いつきで行動するタイプは両親から譲り受けたものではなかったようです。そのまま結局大学院も辞め、魚沼に帰ってきました。これを読んでいる方にとってマイナスのイメージになるかもしれませんが、私は帰りたくて戻ったわけではありません。でも、帰る場所があることはとても大事なこと。
さて、プー太郎のままいるわけにもいかないし働かなくては、と思っていたところに今の会社を見つけました。魚沼市の果てとも言われる大白川。確かに、ナビに道がないほど山奥。私はもともと大白川には何度か遊びに行ったことがあり、そこに住みたいとすら思っていたのでものすごくビッグチャンスでした。しかし、また両親が反対すると思い、しばらく内緒にしていました。今でも家族は「転職したら?」と言ってきますが、私は骨の髄まで大白川に埋めることに決めています。それほどここが好きなんです。最初は人が住んでいるのか分からないような場所だと(失礼ながら)思いましたが、こんな良いところをこのままにしておくのはモッタイナイ!とだんだん思うようになりました。ときどき新潟県内や他の地域に観光に行ったりしますが、今まで大白川の自然に勝る地域を見つけたことはありません。この荒々しい自然を目にすれば、どこに行っても満足できなくなります。それほど素晴らしい自然です。
自然に負けないくらい人もすごいです。とにかく面白いです。大白川住民を全員『人間国宝』にしたいくらいです。

昼寝だって立派なコミュニケーション

 あるとき、用事があって民宿に行ったら誰も出てこなかったので、ずうずうしい私はいつもの調子でずかずか上がりこみました。ふすまを開けると“めごい寝顔”で昼寝中の女性を2人発見。あれ、ここの家って娘いたっけ?と思いよく見たら、スコップ隊として何度も訪れているうちに大白川の魅力に憑りつかれて1年中訪れるようになった女性の方でした。民宿の掃除や夕食の手伝いをしているとは聞いていたけど、まさか堂々と昼寝をしているとは…と、このときは思いましたが、よくよく考えるとこうしてふるさとのように帰ってこられる場所があること、ふるさとのように思っていてくれることは大変有り難いことです。田舎の人は新参者を追い出す傾向があるかもしれませんが、大白川は全くそんなことがありません。若い人をとにかく欲しています。40代で若くないなんて言わせません。80歳の方だって現役です。茶のみだって昼寝だって、まずはやってみること。図々しいくらいがちょうどいい。

駅のえき大白川のブログへのリンク

ひらめいたときは行動するとき

 NPO法人入広瀬元気クラブという会社は、自分が動かないとものごとが進みません。だからこそ、自分のやりたいことには責任が生まれるし、初めてのことでも挑戦させてもらえます。まずは何でもやってみること。何かひらめいたときはすぐに行動することです。
昨年の秋から、大白川駅の1階空きスペースをお借りして『駅のえき大白川』を始めました。最初は看板を見た人が「要するに“駅”だろ!」とツッコむこともありましたが、最近は妙になじんでます。とにかく店を開いてみようという思いから始めたわけですが、会社として商品を購入することはなく、さて何を販売しようかと考えていると、地元の方が次々に商品を持ってきてくださいました。コレクションで集めていたものや熊の毛皮、手編み帽子、野菜など…その勢いに乗って昨年はフリーマーケットを開催しました。最初は出店者1団体で寂しく終わってしまいましたが、今年は爆発するくらい人を呼び込むつもりです。

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