2015.04.15 掲載
vol1
ニイガタ移住計画代表
鈴木博之さん
34歳 新潟市在住
vol1
高校まで新潟で過ごし、大学は東京へ。大学の就職活動時は「新潟なんてつまらない、東京しかない!」と思い、全国転勤のオリックスに入社。しかし初任地が新潟で、新潟の豊かなくらし・人間関係に魅了される。その後東京で勤務するも新潟への想いが立ち消えなかったが、帰りたくても自分のキャリアを生かした仕事が見つからず、悶々とした日々を過ごす。結果、自分の役割が最大化することが自分の幸せと認識し、UIターンを増やす仕事を目的にニイガタ移住計画を起業準備中。
「新潟県って何地方なの?」新潟県民であれば、一度は他県の方から聞かれた経験がある言葉。電気は東北電力、ガスは北陸ガス(新潟市)、気象庁上の区分では中部地方、でも東京で天気ニュースを見ると関東甲信越地方。
他県から見たら所属が分かりづらく、新潟県民としてはどうもしっくり来ない(しかも、新潟県の形は日本の本州に似ているという・・・)。
そんな微妙な立地の県、新潟。これまで東京中心の世界では、「地方」と括られないと乗り遅れてしまう感覚がありましたが、今は地方の時代。地方が中央になる時代がやってきました。
ここらで「新潟地方」として独立宣言してみましょう。微妙な立地は、逆にとれば他県(特に東京)から影響を受けづらい立地。そこには都市も田園もあり、最先端の働き方ができ、地域への想いでゆるやかにつながれる仲間もできる。そんな豊かなくらしが他地域から羨望の眼差しで注目され、全国ニュースでも特集される。東京に住む人の「いつかは新潟地方に住みたいよね」という認識がトレンドとなっていて、それを新潟に住む人が新潟に誇りをもつ。
突然夢のような話ですいません。はじめまして、ニイガタ移住計画を起業予定、新潟市出身の鈴木博之と申します。私は新潟でこの夢を実現できると信じ、12年勤めた東京の会社を昨年12月に退職し、新潟でUターン・Iターンを増やす内容で起業することに決め、今年2月にUターンしてきました。
まだまだ、Uターンしてきたばかり、新潟の方々との関係を作っている最中でこのような機会をいただくのは甚だ僭越ですが、一サラリーマンがどんな想いで東京から新潟に移住したのか、新潟に移住して実際どうなのか、参考になればと思い、書かせていただきます。
よく地方活性化の話で、「地方って課題先進地だよ」って言葉を耳にします。実際に東京にいるときに、新潟市は「情報発信が足りない」「現状に満足してしまい、もう一段先を考えない」なんて課題ありきで考えて新潟市に戻ってきました。
でも、新潟に戻って生活をはじめたら「新潟市って最高じゃん」という想いばかりで、課題を感じることは少なくなりました。
水道水と素材が美味しくて、自宅で作る食事レベルが2段階アップし料理の腕が上がったと勘違いする(新潟から送られた米や野菜を東京で食べても、そこまで美味しくない)。買い物も車やバスを使って本町で夕食のおかずを、服も万代や古町で勢揃いする。ちょっと足を伸ばせば温泉やスキー場などのアウトドア、農業体験もできる。・・・沢山ありすぎて語り尽くせません。
Uターンして色々な方と会い、記事を読む中で、新潟市を語るキーワードがあります。それは「豊か」という言葉です。新潟は、すでに暮らしのレベルが高いんです。
でも、新潟の中に住む人からは「それって普通だし、東京にはオシャレな◯◯があるし」という隣の芝生は青いといった空気を感じ、外の人は「新潟には何もないから帰れない」と消耗しながら東京にしがみついて生活をしています。中から見ると“新潟の豊かさ”が全国的な地方と比較優位なのに誇りを持てず、外から見ると、“新潟暮らしの質”の情報が伝わらない現状。暮らしのレベルが高い新潟市ですが、このあたりが課題のように、おぼろげに感じています。
Uターンしてたった2ヶ月、今感じる課題も来月には変わるかもしれません(笑)。でも時間が経っても間違いなく変わらないのは、「新潟には面白い人も街も企業も行政もある」という認識。知り合いを増やす必要がある仕事柄、現在色々な場に参加しておりますが、どんなイベントでも魅力的な面白い人に必ず出会います。
この課題感が正しいのであれば、「外にいる人がどうやって中の面白い人と出会えるか」、「中にいる人同士がどうやって共通言語で語り合い、仲間になれるか」「外の人が新潟最高!と言っていることを中の人が聞き、ちょっと誇りに思えるか」というリアルなつながりを、見えるカタチで作れるか。このつながる場ができれば、新潟地方で独立宣言できると信じています(笑)。
次回は、悩みに悩んで新潟に移住を決めた際のことを書かせていただきたいと思います。私の夢へのお付き合いをいただき、ありがとうございました。
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