2013.07.31 掲載
vol2
笑顔写真家
かとうゆういちさん
27歳
vol2
新潟県三条市出身。青空をこよなく愛する27歳。高校生の時からカメラを持つようになり、独学で写真の道を切り拓く。
2009年3月に新潟大学教育人間科学部(現:教育学部)を卒業後、『日本一周 笑顔の旅』と題し、8年間をかけて日本中の幸せと出会う旅に出発。日々、日本の各地域の人たちや風景とふれあいながら、生きる中での幸せにシャッターを押している。現在、新潟をはじめとする各地の学校やイベントにて、講演会・写真教室・写真展を精力的に開催中。
昨年の12月26日、僕の従兄弟の兄さん夫婦のもとに子どもが産まれました。名を「虎助」(とらすけ)。なんてかっこいい名前なのだろう。奥さんのお腹の中にいる時から、自然とこの名を呼んでいたといいます。
従兄弟の夫婦が我が子の誕生を心待ちにしていたのはもちろんですが、それに負けず劣らず楽しみにしていたのは、じいちゃんです。出産が迫ってくる中で、せわしなく落ち着かない様子のじいちゃんを何度も見ました。じいちゃん・ばあちゃんにとって、孫やひ孫というのはどんな存在なのだろう?
そして無事に生まれた一ヶ月後、「帯明け」(おびあけ)という新潟独自の文化に伴い、親族が集って、虎助くんのお披露目と共にお祝いが開催されました。そこで僕はカメラマンとして、一枚一枚、思いを込めてシャッターを押していきました。写真はその1シーン。じいちゃんの腕に抱かれた瞬間、虎助は泣き出して、慌てるじいちゃん。ああ、なんて素敵な光景だろう、そう思いながらシャッターを押しました。そして、ばあちゃんの腕に抱かれると、虎助は安心した顔に戻りました。ばあちゃんの凄さも見た気がします。
ファインダーを通して見る、いつも顔を合わせる親族の姿。こうして見ていくと、色んな人の手が子どもを守り、成長へ導いていくのがよくわかります。
カメラは“もう一つの目”として、新しい発見や世界をこちらに見せてくれるもの。即ち、人生をより豊かにしてくれるものだと感じています。
そこで、ぜひ皆さんと一緒に写真の素晴らしさを体感し、“作品”にしていく喜びを分かち合いたいと考え、「笑顔写真教室~カメラを持って、Happy探しの探検に出よう!~」を開催することになりました。
ちなみに、この写真教室で参加者のみなさんに撮ってもらった写真をもとに、CDジャケットのサイズの作品集を作っていく予定です!
新たな長い冒険が始まろうとしています。
「日本中の暮らしの中にある“小さな幸せ”を拾い集め、一冊のドキュメンタリー写真集を作りたい!」と声高らかに宣言したのが、四年以上も前のこと。そこから日本各地の地域を訪ね、それぞれの土地で生活し、そこにある日々の喜びにピントを合わせ、シャッターを押してきました。ここまでよくやってこられたなと思いつつ、本当に多くの方にお世話になり、優しさをもらってきたことが走馬灯のように思い出されます。
野宿などはしたことがなく、旅路のほとんどで、各地域で出会った方々が泊めてくださいました。その優しさに何度泣いたかわからない。それほどまでに、この国には優しさが数多く存在します。
ニュースや新聞を見ていると、毎日のように心痛むものが流れてくる。その度、自分が旅をして出会っている素晴らしき日本の姿とのギャップに、いつも戸惑います。
※写真は、京都市で一番長いと言われている新大宮商店街の八百屋さんでの何気ない光景。こうした日々の風景の中に、愛おしい物語は詰まっています。
僕は笑顔写真家として、日本全国のハッピーニュースをあなたに届けたい。日本の素晴らしさを届けると共に、日々を生きる喜びを分かち合っていたい。
それがようやく形になる日が来ます。日本全国で拾い集めている“小さな幸せ”がついに「本」という形となるのです。
僕の活動の意義を認めてもらうことができ、高知県の『南の風社』という素敵な出版社さんと一緒に写真集を制作することが決まりました。本当にここまでやってこられたのは、旅で出会った人達の優しさや応援してくれる人がいてくれるから。
ありったけの感謝を込めて、写真集の制作に入っていこうと思います。
楽しみにしていてくれたら、とても嬉しいです。前を向いて、気持ちのいい風を吹き込んで、形にしていきます。
あなたに幸せが届くように。
かとうさんが、日本各地で撮った写真や現地で集めてきたドキュメンタリーを日々発信しています。
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