2014.12.10 掲載
vol3
魚沼市地域おこし協力隊
大野久美子さん
32歳 魚沼市在住
vol3
埼玉県飯野市出身。就職を機に約10年間東京に住み。30歳を過ぎた頃、ふと都会の生活に疑問が抱き、昨年魚沼市が募集していたインターンシップ「茅葺き屋根の修復×古民家再生」に応募。現在は、魚沼市の地域おこし協力隊として横根地区を担当。
初めて魚沼を訪れてから、一年が経ちました。
よく、「あっという間に時間が過ぎる」と言いますが、本当に「あっという間の魚沼一年目」を過ごしました。
今回は、四季についてお伝えしてみようと思います。
日本は、四季があります。
春には桜が咲き、夏は海や山に涼を求め、秋は紅葉を愛で、冬はこたつで丸くなる…
それぞれの季節の楽しみ方があると思います。
私の住む魚沼市入広瀬地域は、日本でも有数の豪雪地帯で、特に横根地区や大白川地区などは毎年4mを越す雪が積もります。
雪が降り始めるのは11月。
4mの積雪が完全に溶けるのが6月と、ほぼ半年間雪と一緒に生活をしています。
その中で、今まで出会わなかった景色にも出会えました。
4月も下旬になれば桜が咲きますが、雪も残っているので、青空とピンク色の桜、白い雪と、この三拍子が揃う景色は感動に値します。
また、雪が降る中での雷鳴も、珍しいな~と楽しんでいました。
雪が溶けてからの春の訪れは本当に駆け足で、山々が若芽で黄緑色に色づいていく様は、絵の具で点々と色を落としていくように足早に色づいていきます。
暑い夏が過ぎ、秋に近づくと急に涼しさを増してきます。
紅葉がきれいだな~と思っていると、そこにまた雪が降り積もり、青空と紅葉、真っ白い雪のコラボレーションを楽しめます。
たくさん降る雪を活用し、共に過ごすイベントといえば、中越大震災をきっかけに始まった『越後うおぬま冬物語 結 八万八千の雪灯り』があります。
約一ヵ月半に渡り、魚沼市各地で行われる雪イベントの会場に「結ろうそく」の灯りをリレーしていきます。
雪に照らされた灯りはとても幻想的で、見る人の気持ちを穏やかにさせます。
イベント自体は各地での開催となりますが、10年前に合併した旧町村内を結の灯りが繋いでいくことによって魚沼市の「結」が出来上がっていくのではないかと思っています。
私が仕事に就く条件の中に、季節がわかる仕事に就きたいという思いがありました。
以前の仕事では、季節を先取りした商品を販売していました。
実際の季節から1~2か月は早かったと思いますが、それはそれで季節を先取りできるという優越感にも似た楽しさがありました。
でも、今はやはり季節には季節のものを楽しんだ方が贅沢なのではないかと思っています。
四季の楽しみといえば、その季節の山菜や野菜がたっぷりと食べられることも外せません。
今や、野菜や果物は食べたいと思えば、ほとんどのものがいつでも手に入る時代になりました。
これを贅沢ととるかどうかは自分次第だと思いますが、少なくとも私は何かが違うと思っています。
集落の方が丹精込めて育てた野菜を「もってけや~」と言ってたくさんくださったり、さらに玄関前に大根が山のように置かれていたこともあります。
私、一人暮らしですが…と思いながらも、昔の人はこのたくさんの野菜を干してつけたり、冬場の大切な食べ物として藁の中に入れて凍みるのを防いだりと、季節に根付いた生活の知恵がありました。
今も軒先や地面に野菜や豆が干してあるのを見ると、なくしてはいけないものだなと思います。
湧き出る清水、土の栄養分、さんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びたお米や野菜たちは甘く、美味しいとしか言いようがありません。
皆さんは、四季を忘れてはいませんか?
魚沼は、特に四季がはっきりしている地域と言われています。
日常からしばし離れ、四季を五感で目いっぱい感じとれる場所をぜひ訪れてみてください。
今、二回目の冬を体験しながら、魚沼にやってきた一年間の生活を振り返ってみると、出会った方々の縁で彩られ、そしてその縁の中で楽しく過ごしていることに気づきます。
大変なこともあったはずなのに、こんなことが考えられる自分は幸せ者なのだとすら思ってしまいます。
これからも縁を大切に、出会った方々の顔を一人一人思い浮かべながら年の瀬を迎えたいです。
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