2015.12.03 掲載
vol3
川崎哲也さん
36歳 関川村在住
vol3
7年前に関川村に移住。現在、奥さまとお子さん4人の6人家族。農業を始める前は国家公務員という経歴を持つ。仕事柄、様々な外国人と接するなかで、自分自身の生き方に疑問を感じ始め、衣食住の中で何ができるか考え、食に興味を持ち『農』の道を選ぶ。
このご時世、日々の生活に追われ、自分自身を見失い、生きることに迷う人たちも少なくないように思います。もしかしたら昔は日々の暮らしに忙しく、そんな事を考える暇もなく、現代ならではの悩みかも知れません。どちらにしろ、そもそも人は何のために生きているのでしょう?なぜ私もあなたも、今この世に生まれてきたのでしょう?
ある人が言いました「人生の目的は、あなたが『これだ』と思ったものそのもの。他人がどうこう言うことではない」と。つまりは、自分の人生の目的は、自分で決めるという事。「なぜ生まれてきた?」自分で意味を与えるしかないのだそうです。
今回のコラムではそんな視点から新しい働き方のお話をしてみたいと思います
現代の日本、大多数の人が子供の頃は学校に行って、学校教育を終えれば会社に勤める、という事を当たり前にしています。私も高校~大学~就職という道を当然のように進んできました。公務員時代は、仕事に行って、食べて寝て気晴らしをしての日々、経済的に不自由はありませんでした。安定しているように思える日々と、どこに向かっているかわからない不安な生き方…世の在り方にも、自分自身の生き方にも疑問を感じ、答えが見つからないままその仕事を辞めました。
農的暮らしを始めてからは、自然の移ろい、大地の営みに目が行くようになりました。植物たちは時が来れば、自ら芽吹き、花を咲かせ、実を付け、種を残し、次世代に命をつなげます。それを繰り返しています。冬には数メートルも積もる雪の下でじっと春を待ち、暖かくなれば芽を出します。植物たちの、その力強い生命力には毎年感動します。
その自然の営みの中には、人智も及ばないような事象が起きているのかも知れませんが、それでも、人間もただ生きて、次世代に命をつなげていく、そんなシンプルな生き方が基本にあれば良いのではないかと思うようになりました。日々大地の恵をいただきながら、子供を産み、育てていく。子供たちも、その子供たちも元気で命をつなげていけるような世の中であるように、今の自分たちの暮らしを考えていけば良いのではないかと。
シンプルな暮らしとは言っても、今は0~7歳の4人の子供たちがいて、毎日がハプニング。農作業や英会話教室などの仕事もしながら、タイミングの読めない子供たちの行動を一つ一つ優先順位を決めながらの暮らしは毎日バタバタしていますが、それが私にとって学びと成長の機会(と思うようにしていれば、ハプニングが嫌ではなくなります)。そんなバタバタな毎日でも、一つ屋根の下、喜怒哀楽様々な感情が入り乱れていて、とても賑やかで楽しいです。そんな子供たちの成長が今の私の喜び。
将来、この地球上の生きとし生けるものみんなが、平穏で幸せに暮らしている、その輪の中に私の子たちも笑顔でいる、そんな世の中が来る事を願いながら、私も一日一日を大切に生きていきます。自己成長を重ねながら、まずは家族、そして近所の方々、そして社会全体のお役に立てるような人間になる、それが私の生きる目的、私の歩んでいく道だと思っています。
今年も残りわずか、皆様が笑顔で新たな年を迎えられますように
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