フリーランス爆増計画プロジェクト
MONTHLY JOUNAL
働く場所にとらわれず新しいライフスタイルを新潟県で実現したいと考える方へ「フリーランス移住ならニイガタ」の魅力を発信する「にいがたフリーランス爆増計画プロジェクト」。
今回は、魚沼地方(十日町・越後湯沢)でのワーケーションを通じて、フリーランスの移住について体験してみました。
「にいがたフリーランス爆増計画プロジェクト」について、詳しくはこちらをご覧ください。
特定の企業に専従せずに専門性の高い技能で活躍し、独自のライフスタイルを確立しやすい「フリーランス」。昨今、企業のDX化やテレワーク体制への移行により、お客様と直接会う頻度が極端に減ることで、住む場所への自由度は広がり首都圏に住んでいる私も「地方への移住」も選択肢に入るようになりました。
フリーランスやテレワーカーを対象に移住応援金を設けた新潟県。そこで、フリーランスが新潟へ移住して「働くこと」について考えたときにどのような環境があるのか。それを探りに新潟へ。滞在したのは、国内有数の豪雪地域で国際的なアートフェスも行われる十日町市。そして、上越新幹線の停車駅で、東京から約70分の越後湯沢駅。温泉やスキー場が人気です。
【取材:青山加奈(ストリームズジャパン株式会社)】
全国や世界に誇る「新潟ブランド」の潜在力
東京生まれの私は「新潟」といえば、米、酒、雪の印象でしかありませんでした。しかし現地で出会った新潟は違いました。感じたのは「新潟って食も自然も、暮らしもレベル高い!色々な魅力にあふれている!」ということ。
訪れたのは1月中旬。気候は極寒と見込んでかなり防寒を装ったけれど凍えるような寒さはなく、澄んだ空気はむしろすっきりと気持ちよい。ローカル電車の車窓からみえた、きらきらと太陽の光を浴びて神々しく輝いていた山々のダイナミックな美しさに感動。そして、食べものはどれもハズレなく美味しい!特に忘れられないのは居酒屋で食べた、十日町産の無薬飼料で育てた妻有ポークソテーとふわっと甘みのある魚沼産の「おにぎり」。そして、甘さ抑えめでキレのある越後ワイン!
ほんの少しの時間とかぎられた地域だけでもこれだけの魅力を発見。新潟が生み出す自然や食など、全国や世界レベルでのポテンシャルを感じずにはいられません。まだまだ知られていない発見がありそうな新潟への期待が高まりました。
(越後湯沢駅から十日町駅に向かう、ほくほく線の車窓から)
フリーランスを温かく迎え入れる「場」と「人」
地縁のない場所で、組織に所属しないフリーランスはどうやって知り合いを作っていけるのかという心配がありますが、どうやらコワーキングオフィスの利用がフリーランサーのプラットホームになっているようです。今回、3つのコワーキングオフィスを視察しました。
1つ目は、芸術祭の行われる十日町にあるコワーキングオフィス「asto」。着物資材の倉庫をリノベーションしおしゃれなブルックリンスタイル。モノづくりする人にも嬉しいシェアアトリエを完備していて、展示スペースでは個展もできる。2つ目は、同じ十日町市にある「みんなの家」。古民家を町の人達によってリノベ。木を伐採するところから壁の漆喰塗りまでプロの指導のもと自分達で手作りしたという、木の温もりが心地よい空間。宿泊施設も併設されているのでワーケ―ションやお試し移住にも最適そう。そして最後に、JR越後湯沢駅から徒歩7分の「きら星BASE」。廃園になった保育園を活用。広々とした空間で、こたつで仕事したりしてゆったりとシゴトができそう。入居者の紹介ボードや“こんなことできます!”の掲示板が、メンバー交流を物語っていて印象的でした。
(写真左:きら星BASE / 写真右:コワーキング内の掲示板)
これらのコワーキングオフィスでは、フリーランスやテレワーカー会社員、ワーケーションや移住体験をする旅行者など様々な人の受け入れを行っています。仕事をする場所としてだけでなく、出会いや繋がりのコミュニティとしても機能しており、アットホームで仲良くなりやすい雰囲気づくりができていました。
コワーキングオフィスの運営者と話しをしていて興味深かったのは、事業自体に大きな収益を求めていないこと。それよりも地域課題を解決したいと思っている経営者が多く、コミニティマネージャーの役割も兼任していることに共通性を見出しました。場を通して協業できる仲間やパートナーとの出会いの機会を期待していました。今後もフリーランスの需要はますます高まっていきそうな気がします。新潟というローカルな共通点と、都心と比べて個人事業主や若手経営者などの人口が少ないので、丁寧で密な関係構築がしやすいのではないかと思います。
コワーキングオフィスで出会ったフリーランスに直撃してみた
国際教育・研究を行う 松田菜穂子さん
家族4人(夫、子供2人)で湯沢町へ移住。国際教育関連のお仕事をしています。
これまでは夫の仕事の都合で、フィリピンや静岡県で暮らしていたそうですが、都内へ転勤が決まって住居を探した際に、どうしても住みたい空間と費用が見合わなかったとのこと。条件を踏まえると八王子周辺(新宿から特急電車で1時間強)になる。そこで、同じ1時間強かけて通うならば、何度か旅行でも訪れていて気になっていた越後湯沢でも変わらないのでは?という発想に発展して引越しを決めたそうです。
湯沢であれば好きなスノースポーツも楽しめるし、夏の暑さも首都圏のヒートアイランドとはまた違った印象があるそうです。子供と伸び伸びと暮らせる学校教育環境などが特にお気に入り。現在は、駅前の商店街でアパート暮らしですが、時間をかけて近隣での家の購入も考えています。移住者には賃貸住宅の補助が充実しているので、住みながら良い土地を探すこともできそうです。移住してとってもワクワクしている、楽しそうに話しているのが印象的でした。
映像クリエイターの大坪直也さん
東京都出身のスノーボードを中心とした映像クリエイター。
集中して編集作業をしたいときに個室のシェアオフィスを利用。東京と南魚沼市の2拠点生活を送っていましたが、コロナ禍で、南魚沼市にいることが多くなり、最近になって東京の住宅を引き払ったそうです。地域の映像を手掛けたりもしているそう。
新たなステージを求めて新潟移住という選択肢
地方移住といえば、ブランディングされていない素朴なローカルさが魅力。自然や文化に恵まれ、趣味の充実やスローライフなど、住む場所にもよりますが「暮らし」の満足度が高まりそうです。
一方で「働く」については、フリーランスは独立しているのでさほど首都圏と働き方は変わらないかもしれませんが、せっかくローカルエリアに来たならば、自身の専門性を活かしたスキルを地域に貢献して交流を深めたり、本業とは別の新しい事業を起こすなど、新たな挑戦をできたなら、さらに人生はオモシロくなるに違いありません。
新潟には、まだまだ知られていない魅力に溢れており、フリーランスを歓迎する人や場があります。さらに自治体からの支援も手厚いです。もしも本業をしながら新たなステージを求めるならば、新潟県は環境も整っていて穴場です。フリーランスが「暮らし」も「働く」もアップデートするなら新潟がオススメです。
(十日町市で見つけた、可愛らしいモニュメント)
《お問い合わせ先》
新潟県産業労働部しごと定住促進課
U・Iターン就業促進班
電話 025-280-5635
メール ngt050050@pref.niigata.lg.jp