2026.10.23 掲載
佐藤 美優さん
長岡市
所属:長岡市地域おこし協力隊
着任時期:2025年1月
活動内容:『ミライエ長岡』を拠点に、長岡市の学生による活動の支援と
中学生〜高校生および4大学1高専生の交流促進
出身:新潟県長岡市
趣味:コーヒー・旅・ドライブ
長岡市出身の佐藤さん。関東での大学時代を経て、
新卒就職を期にUターン。
現在は長岡市の地域おこし協力隊として『ミライエ長岡』にて、
長岡市内の学生の居場所づくり・学びの機会づくりに取り組まれています。
そんな佐藤さん、学生時代から地域への思いは強かったのでしょうか?
実は佐藤さん、中学生の頃は地元・長岡に対して、
「マジでなんもないな・・・。
河川敷や田んぼをつぶして、ディズニーランドみたいなのを作ればいいのでは!?」と考えていたそう。
何とも大胆な発想(笑)
そんな佐藤さんの考え方が大きく変わったのは、高校2年生のとき。
長岡市の高校生向けの国際交流事業に参加し、
アフリカからの参加生を実家でホストファミリーとして受け入れた経験が転機となりました。
佐藤さん:「ないものや現状への不満ばかり見ていて、自分で変えようと行動したり、自分にできることを考えたりしていなかったなって。
はじめて何ができるかを自分で考えてみたら、『長岡って面白いじゃん』と思えるようになったんです。」
こうして"ディズニー計画"(!?)は幕を閉じ、代わりに興味を持ったのは、長岡にすでにあるものでした。
長岡花火や地域の歴史、そして長岡で挑戦を続ける人たち。
「今あるものをどう活かせるか」「どうしたらもっと良くできるのか」
という視点で地域を見るようになり、
その関心は大学で経営学を学ぶ道へとつながっていきました。
その後、佐藤さんは神奈川県内の大学に進学。どうして関東に?と聞くと、
佐藤さん:「このタイミングで出なければずっと長岡から出ないかもと思って。18歳という、初めてどこに住んで何を学ぶか決められるとなったときに、そこで長岡を思い切って出ることでまた見えることがあるのかなと思ったんです。」
将来的には長岡に根を下ろして生活をしていく、と決めていた佐藤さん。
佐藤さん:「長岡市のプログラムによって自分の人生観が変わった。長岡で生まれたからこそこの経験ができたわけだし、でっかくなって、自分が外で学んだことを長岡に還元できたらなという気持ちが強かったです。」
県外へ出た理由は、「長岡を離れるため」ではなく、
「長岡をもっと知るため」でもあったんですね。
高校時代の国際交流事業をはじめ、さまざまな経験を通して自分の視野が広がった佐藤さん。
だからこそ、18歳で進学先を選ぶときも、「一度県外へ出てみよう」という決断ができたのかもしれません。
一方で、その経験を振り返ったとき、こんなことも感じたそうです。
佐藤さん:「18歳でいきなり社会に投げ出されて、『好きなことを学んでいいよ』『好きなところへ行っていいよ』『何をしてもいいよ』って言われても、選べないじゃないですか。だからこそ、学生にいろんな選択肢とか機会を作ってあげたい。」
そんな思いを胸に、佐藤さんは地元・長岡で学生の居場所づくりや学びの機会づくりに関わる道を選び、それが叶えられる地域おこし協力隊として活動を始めました。
さて、大学時代を経て長岡にUターンし、
地域おこし協力隊として活動をスタートした佐藤さん。
でも、最初から順調だったわけではありませんでした。
佐藤さん:「何か決まった業務が与えられるわけではなかったので、現状を把握して、自分のミッションと照らし合わせて何ができるかを形にすることからはじめていったんです。」
そんな試行錯誤の中で、佐藤さんが最初に始めた企画が、
『ミライエ長岡』5階で実施している「ティーンズデスク」。
学生への活動支援がミッションなのに、
自分のデスクは関係者以外立ち入り禁止のエリア。
このままでは学生と関わることができない。
「まずは関わる機会がないと何も生まれないのでは?」
そう考えた佐藤さんは、
なんとデスクごと学生のいる場所へ出ることを決めました。
何とも大胆な発想(笑)(2回目)
佐藤さん:「学生に来てもらう場を作るというよりは、学生がいるところに私も行ってみる、出てみる、というのが先かもと思って、まるっと出しました。
すると、挨拶してくれたり、『これ何やってるんですか?』と声をかけてもらうことが増えてきて、今に至ります。この前も男子高校生に飴をあげたら、『これ経費ですか?』って言われて(笑)。どこでそんな言葉を覚えてくるんだろうって。本当に面白いことばかりです。」
「ティーンズデスク」をきっかけに、新しい企画も次々と生まれました✨
遊びに来てくれる学生たちの「やってみたい!」という声をもとに、
昨年の夏にはみんなでかき氷をしたり、クレープを作ったり。
佐藤さん:「学生のみんなと一緒に考えて、みんなのやりたい形を代わりに自分が実現する。その過程を模索するのがすごく楽しいです。来てくれる子たちにとって、息抜きでもいいし、頑張る理由でもいいし、ご褒美でもいい。放課後や休日の選択肢の一つとして、みんなの日常の中にある場所になっていることがすごく嬉しいです。」
そして、「ティーンズデスク」を始めてから
佐藤さんはあることに気づいたそう。
それは、『ミライエ長岡』まで足を運んでくれる学生が思っていたより少ないということ。学生の多くは図書館のある3階で勉強をしており、
「『ミライエ長岡』に行く=勉強をする場所」というイメージが定着していました。
そこで、次に企画したのは『ミライエ長岡』1階で実施している
「ちょこっとブームトーク」。
佐藤さんのミッションは、「中学生から大学生まで幅広い世代との交流」である一方、「どうしたら年齢が離れている人たち同士が自然に話せるんだろう?」という悩みがあったそう。そこで思いついたのが、「最近ハマっていること」や「マイブーム」をテーマに気軽に話す交流の場です。
そして、開催場所を1階にしたのにも理由がありました。
図書館で勉強を終えた学生やたまたま通りかかった人がふらっと立ち寄れる導線をつくり、「『ミライエ長岡=勉強する場所』だけじゃない」というイメージを少しずつ広げていきたい。そんな思いも込められていたそうです。
「待ち」の姿勢ではなく、自分から学生のいる場所へ出向き、関わるきっかけをつくっていく。
そんな佐藤さんらしいパワフルな姿勢に、私もこの記事を書きながら刺激をもらいました。
このように、アクティブに協力隊活動に取り組まれている佐藤さん。
お休みの日も、ドライブで県内外を巡ったり、海外旅行に出かけたりすることも多いそう。
佐藤さん:「初めての海外旅行は大学2年生の頃に訪れたカンボジアでした。2~3週間のワークショップで孤児院に行って現地のこどもたちと関わりました。」
初めての海外旅行がカンボジアというのは、なかなか思い切った選択。
佐藤さん: 「まだまだポテンシャルの塊だな、と思ったからですね。
成長する余地がありそうだな、とか、もっとこうすれば良くなるんじゃないかな、とか。」
人や地域の「今」だけでなく、「これから」の可能性にも目を向ける佐藤さん。
学生たちの「やってみたい」を形にしたり、人と人がつながる場を生み出したり。
佐藤さんの活動の根底には、そんな前向きなまなざしがあるのかもしれません。
「カンボジア、結構好きでした」と話す佐藤さんに、
その理由を尋ねてみると・・・?
佐藤さん: 「まだまだポテンシャルの塊だな、と思ったからですね。
成長する余地がありそうだな、とか、もっとこうすれば良くなるんじゃないかな、とか。」
人や地域の「今」だけでなく、「これから」の可能性にも目を向ける佐藤さん。
学生たちの「やってみたい」を形にしたり、人と人がつながる場を生み出したり。
佐藤さんの活動の根底には、そんな前向きなまなざしがあるのかもしれません。
中学生の頃は、「長岡には何もない」と思っていた佐藤さん。
でも今は、「今あるものをどう活かせるか」を考え、自ら動きながら形にしています。
デスクを外へ運ぶことも、学生の声から企画を生み出すことも、
その根底にあるのは、「まずやってみよう」という軽やかな行動力。
そして佐藤さん自身、人や場所の「これからの可能性」に目を向けているからこそ、学生のみなさんも自然と集まり、
「何かやってみよう」を安心して佐藤さんに相談できるのかな、と思いました!
そして!今年の11月には新しくオープンするミライエの東館3階に
『中高生の部屋 mitt(ミット)』ができます!
中高生が自由に過ごせる場所として、ネーミングや場所のデザインの段階から佐藤さんが学生さんたちと一緒に準備してきた空間です。
オープン後は、佐藤さんもスタッフとして活動される予定とのこと。
佐藤さん:「ミットに来ることがすべてではないし、みんなに来てほしい!ということでもない。
ただ、『ミットがあるという日常』を当たり前にしておくことで、学生のみんなの中での選択肢が一つ増えたらいいなと思っています。」
「来ること」が目的ではなく、「選択肢があること」が大切。
高校時代の出会いを通して長岡の見方が変わった佐藤さんが、
今度は中高生にとって新しい選択肢や出会いを届ける側になっているんですね。
長岡の学生さんの「今ある選択肢」を一つずつ増やしていく。
そんな佐藤さんの挑戦が今後もとても楽しみです。
佐藤さん、インタビューのお時間をいただきありがとうございました!
※本記事は2026年6月にお話を伺った内容を元にしています。