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地域おこし協力隊インタビュー

釣り好きが高じて漁師デビュー!島の漁業に新風を巻き起こす
- 「好き」を大切に挑戦を楽しむ、セカンドキャリアの描き方 -

2025.02.21 掲載

上村 強志さん

粟島浦村

◎活動開始
 2022年4月
◎経歴
・出身:新潟県南魚沼市
・南魚沼市で生まれ育ち、長年営業職に従事。2022年には自動車販売業を経て、地域おこし協力隊に着任。釣りが趣味で、新潟県内はもとより、太平洋側まで足を運んでいたほどで、一番好きな魚介はイカ。
◎世帯構成
 単身移住、二人のお子さんは独立

50歳を契機にこれからの人生を考えキャリアチェンジ

 上村さんが、大好きな釣りを通じて粟島浦村へ水産振興・漁業支援の分野で着任を決めたのは2022年、50歳の時でした。それまでは自動車の営業職に就いていましたが、子どもの独立や電気自動車の普及をはじめとした自動車業界の変化をきっかけに、「このままではいけない」と考えたそうです。「これまでの経験にとらわれず、新しいことに挑戦してみたかったが、会社員として転職するつもりはありませんでした。販売の仕事は出来上がっている製品を売るので、値段交渉やサービス面での工夫が求められますが、一次産業では自分で育てたものや獲ったものに付加価値をつけて販売できる魅力を感じたんです。もし挑戦して失敗しても帰る場所がある、という心強さもありました。幸い南魚沼に住んでいる両親は健在で、至急の用事が発生しても県内なのですぐに帰れます。粟島で大物が釣れるとの噂も動画配信サイトで聞いていたので決めました。」

新規事業を立ち上げ、粟島に新たな収益を創出

 上村さんの地域おこし協力隊としての主な業務は、定置網による漁業です。粟島の近海では鯛やブリ、ヒラマサ、サバなどが通年で獲ることができ、漁がない日は網のメンテナンスを行います。「慣れない仕事に最初は大変でした。元々運動もしていないし、不規則な生活だったところから漁師になったので毎日筋肉痛で。船の仕事は常に命懸けだしエンジン音もうるさいので、船上では強い言葉が飛び交うこともありますが、船を降りると、みんな面白いおじちゃんたちです(笑)。今は楽しく仕事をさせてもらっていますね」と、すっかり馴染んだ様子の上村さん。売上などのストレスもなくなり、「心身ともに健康的になった気がします。多少は長生きできるかも」と笑います。
 漁業に加えてもう1つ、上村さんの大きな仕事が2023年に自身が立ち上げた、粟島近海で獲れた旬の魚のインターネット販売です。規格外で出荷できない未利用魚の存在を知り、前職のつながりを活かしてECサイト運営に強い企業と連携し、「粟島定置」というブランド名で販売を開始。早速スタートから3ヶ月で100万円以上売り上げるなど、新たな収益につながっています。

「好きなこと×喜ばれること」から生まれる挑戦の連続

 最初はたくさん魚が獲れたり、様々な魚種が獲れたりする様子に高揚した上村さんですが、仕事として向き合ううちに漁の景色には慣れたとのこと。現在は特にECサイトの運営が、活動の大きなモチベーションにつながっていると語ります。「ECサイトはダイレクトに評価点がついたり、『すごくおいしかった』というコメントがついたりするところが市場に出荷するスタイルとの違いであり、やりがいになりますね。利益が出る価格を協力企業と交渉する仕事も刺激的です。今年は前年よりも品数を増やしたり、新たにふるさと納税にも申請したり、協力隊としてチャレンジしていくことが楽しいです」
 参加した地域おこし協力隊向けの起業研修会でも、他の隊員と交流できたことで、相手の活動と自身のECサイトと繋がるものはないかといった発想や提案が生まれるなど、非常に意義深い時間を過ごせたそう。地域おこし協力隊だからこその活動の面白さを実感されているようです。

3年間でオンもオフも充実度が深まる離島ライフ

 仕事以外にも、上村さんは粟島の魅力を「私にとっては1年中魚が釣れることが何より良いところ!島のおじいちゃん・おばあちゃんたちもすごくいい人で、野菜に笹団子にお赤飯に…折に触れて色々なものを分けてくださったり、声をかけてくれたりと、交流があるのがいいところですね。離島でコンビニはなくても、必要なものはオンラインショッピングで十分手に入るし快適です」と話す様子に、日々の充実ぶりが伺えます。
 これからの展望を「もっと色々なことを、勉強しながら一つずつやってみたいですね」と語る上村さん。その“色々”の一つが、底引網や釣りといった定置網以外の方法で漁をしている人たちとの連携です。「獲り方が違うと魚種も違うので、取り扱う種類を増やして少しずつ増やしていきたいです」
さらに今後計画している事業が牡蠣の養殖。粟島には養殖漁業自体がない一方で、岩牡蠣が獲れる海なので、やり方次第では可能なのではないかと、目下実現に向けてプランを練っているそうです。

トライ&エラーの先に、想像を越える経験が待っている!

 続々と、まだ粟島の誰もやったことがないことへの挑戦が湧いてくる上村さんですが、着任してからの約3年間を「ECサイトで全国を対象とした販売に携われるなど、当初は思ってもみなかった展開に不思議な気持ちがしますね」と振り返ります。だからこそ、実感として地域おこし協力隊として活動する上で1番大切なことを「エントリーをする目的」だと言います。「地域おこし協力隊の活動は、経験したことがないことに挑戦できる、すごく楽しいものだと思います。最初にしっかりと目的を持ち、地域や行政と擦り合わせながら取り組んでいくことで、活動終了後の定住や仕事づくりにもつながっていくのだと思います。そうやって挑戦してみて自分に合う・合わないを見極める。失敗したら元に戻ればいいだけですから」と、地域おこし協力隊に興味を持つ人たちへエールを送ります。

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