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地域おこし協力隊インタビュー

町のITリテラシーを高め、魅力を発信する“中の人”
- 着任から定住へ。町の人たちから頼られる存在に -

2024.09.03 掲載

山口 匠さん

田上町

◎活動開始
 2021年12月
◎経歴
・出身:群馬県
・新潟大学工学部への進学を機に新潟に移住し、新卒で衣服や生活雑貨、食品の企画開発から販売まで手掛ける製造小売業を展開する企業に就職。全国転勤で多忙を極める中、以前から関心を持っていたネット販売・ネット発信の分野への挑戦を志し、奥様の地元であり、自身も大学時代を過ごした新潟へ移住を決意。ネットショップを運営する企業に勤めたのち、情報発信分野での募集があった田上町の地域おこし協力隊員に着任。
◎世帯構成
 妻と二人暮らし

情報発信のニーズを求めて、ゆかりのある新潟へ

 「最初は『田上町だから』という理由よりも、ネットを使った発信に挑戦したくて協力隊にエントリーしたんです」と語る山口さん。しかし、残りの任期半年を切った今では、「退任後も田上町に定住する予定」と言うほど、田上での仕事と暮らしに充実感を感じています。
 新潟大学を卒業後、新卒で製造小売業の企業に就職しましたが、全国転勤をしながらの店舗勤務にジレンマを抱えていた山口さん。大学時代から交際していた燕市出身の奥様との結婚を機に、7年半勤めた企業を退職し、新潟市に移住。以前から興味があったネットショップの運営に関われるマーケティング会社で勤務した後、田上町の地域おこし協力隊に着任しました。「妻の実家が近いことはもちろん、僕自身も大学時代の友達がたくさんいるので、新潟県が第二の地元のように感じていました。
 田上の人は『ここは田舎だ』と言いますが、僕にとってはちょうどいい町です。自然が身近で、新潟市と燕三条方面の中間地点にあり、利便性も高く、すごく住みやすいです」と山口さんは語ります。

情報発信から困りごとの解決、イベント運営まで

 山口さんの主なミッションは、SNSを中心とした田上町の情報発信です。道の駅たがみとも連携し、田上町観光協会の公式アカウントや地域おこし協力隊員としての個人アカウント、さらには各種イベントの“中の人”として、イベント情報や観光情報を発信しています。しかし、「僕一人の力では限界があるので、『スマホパソコン相談室』を週一回開催し、当初は町に情報発信できる人を増やすことも狙っていました。しかし、蓋を開けてみたら、来てくれる方々が困っているのは初歩的なパソコンやスマホの使い方などで、SNSなどを使う以前の状況でした。中には故障したというプリンターをわざわざ持ってくる方もいらっしゃって(笑)」ということで、現在では町の人のデジタル関係の困りごとサポートも活動の柱になっています。
 イベント運営にも参加しており、特に活動する中で大きな手応えを感じた経験が、立ち上げ時から関わっている竹あかりのイベント「たがみバンブーブー」とのことです。2年目の昨年度、来場した高校生たちが「毎日このイベントのことインスタで見かけるんだよね」と話す様子を目の当たりにし、「公式のSNSだけではなく、来場した方々の投稿までもが高校生に届いていることを知り、思わず声をかけて握手しそうになりました(笑)」と振り返ります。

田上町 地域おこし協力隊【新潟県】(インスタグラム)へのリンク

地域に溶け込むことでより充実した活動に

 「今ではスマホ相談室を通じて、おじいちゃんやおばあちゃんたちと仲良くなり、町で声をかけてもらうなど、すごく受け入れられていることを実感します。妻も地域に溶け込み、地元の人たちと一緒に梅干しづくりをしたり、飲み会に参加したりしていて…僕より人気がある気がします」と笑う山口さん。
 着任前は、色々と一人でやりたいことができれば楽しいだろうと思っていたそうですが、経験を積む中で、地元にしっかり入るからこそキャッチできる情報が多いことを実感し、この町の人たちとの深い関係性を大事にしているそうです。しかし、最初からうまくいっていたわけではなく、着任当初は発信する情報に偏りがあり、失敗したこともありました。町から委託を受けた立場として、取材対象者の選定や情報の取捨選択における公平なバランス感覚を大切にしているそうです。

県内各地で活躍する協力隊の活動が刺激に

2024年、活動も3年目に入った山口さんは、退任後も田上町でデジタル関係の出張サポートを生業としていきたいと考え、「地域おこし協力隊Jobインターン」というプログラムに参加しました。ここで、同様の活動を事業化している十日町の方に話を聞く機会を得ました。「デジタル系の相談には、『お金を払うから、うちに来て教えてよ』『家のパソコンの調子が悪いんだ』といった、その場で対応できないものも多いんです。この時に伺ったノウハウをもとに準備を進め、現在は少しづつ依頼が入るようになってきました」。
 さらに、新潟県地域おこし協力隊初任者研修の講師として、後輩隊員に自身の経験談を話したこともあります。「新潟県は非常に広く、協力隊の活動が多様なのが特徴です。講演の後、朝までお酒を飲みながら情報交換をしましたが、人口が8人の集落の話など驚くことばかり。多様な生き方を知ることで、どんな環境でも生きていけると感じ、気持ちが楽になりました」と、普段の活動に留まらず、協力隊で得られた大きな学びについて語ってくれました。

退任後も定住して事業を展開していきたい

 「田上町は町の規模がコンパクトで、面白いことに敏感で、周りを巻き込んで一緒にやろうという人が多いので、『何かやろう』となった時のフットワークの軽さがすごいんです!」と、すっかり田上町の一員として馴染んでいる山口さんは、11月いっぱいで協力隊の任期が終わります。退任後も田上に定住し、立ち上げたデジタル系の出張サービスや、町を盛り上げる取り組みなど、「山口に相談したらなんとかなると思ってもらえるような、“町の便利屋さん”のような存在になれたら幸せです」。
 約3年間の協力隊の任期で充実した暮らしと、これからにつながる仕事の道を切り開いた山口さん。その成功の秘訣は、「受け身よりも、自分のやりたいことを地域のニーズや状況に合わせて柔軟にチューニングしながら挑戦すること」にあるそうです。「最初は話しかけづらいかもしれませんが、町の人たちの中に積極的に入っていって、一緒に何か活動をしたり、腹を割って話すことを意識すると信頼が生まれていって、どんどん活動がしやすくなっていくと思います」。

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