2024.07.04 掲載
新潟県地域おこし協力隊のみなさん
令和6年2月に開催したニイガタコラボレーターズ(新潟県地域おこし協力隊)交流会に参加した9名の隊員にうかがった、応募のきかっけや活動の魅力を、前編、後編に分けてご紹介します!
前編でコメントを紹介する隊員のプロフィールです。
詳細は以下のURLにもありますのでご覧ください。
<新潟県地域政策課ホームページ>
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/chiikiseisaku/1356784955413.html
<鈴木暁慈朗さん>
◎前住所
埼玉県
◎活動拠点
長岡市
◎経歴
ニイガタコラボレーターズ(新潟県版地域おこし協力隊)の第一期生として新潟県に移住し、「鳥獣被害対策の推進」をスタート。主にイノシシ対策を起点として、農業被害をなくし、安心して暮らせるよりよい地域づくりをめざす。
<石塚直樹さん>
◎前住所
宮城県
◎活動拠点
十日町市
◎経歴
にいがたイナカレッジのスタッフを務め、宮城県で復興支援に関わった後、地元の地域づくりに関わりたいと新潟県にUターンし、ニイガタコラボレーターズに着任。担当は「県内の地域おこし協力隊の推進」。
<吉田飛鳥さん>
◎前住所
福岡県
◎活動拠点
新潟市
◎経歴
福岡生まれ、ニュージーランド育ち。ニュージーランドや中国、シンガポールの大学で学ぶ。仕事もプライベートも充実した環境を大切にしながら、外国人住民が日本社会で活躍できるような仕組みづくりをめざす。
<丸山雄也さん>
◎前住所
神奈川県
◎活動拠点
長岡市
◎経歴
フォントメーカーでユニバーサルデザインのフォントの営業を務めたのち、JICA海外協力隊としてラオスに赴任。帰国後に、ICT機器での「難病患者等のコミュニケーション支援」に関わる人材を求めていることを知って応募。
(写真:左から、丸山隊員、石塚隊員、鈴木隊員、吉田隊員)
石塚さんー大学でランドスケープを学んで、しばらくデザインの仕事をしていたのですが、2004年の新潟県中越地震をきっかけに、災害復興を契機とした地域づくりに関わるようになりました。最初は新潟で、次は東日本大震災後の宮城県に移住して復興に関わっているうちに「地元・新潟で地域づくりに貢献したい」という思いが強くなり、10年ぶりに家族でUターン。ニイガタコラボレーターズに応募したのは、これまでの経験が生かせることと、地元のために働けると思ったからです。
丸山さんー私も経験が生かせると思ったことが志望動機です。前職で障がいのある人が読みやすいフォント開発に関わったことに、その後、青年海外協力隊として赴任したラオスでICT講習をしたことが重なって、ICTの行き届かないところで支援したいと思い、活動の場を探していました。ニイガタコラボレーターズに「ICT機器で難病患者等の生活をサポートする」という任務があると知り、すぐに応募しました。
吉田さんー僕は「多文化共生の推進」というテーマへの興味もありましたが、自営業もしているので働き方やその土地に住みたいかを重視していました。
また、以前北海道に移住した際に、普通の移住よりも、地域おこし協力隊の方が地域の人たちに受け入れてもらいやすい状況を見ていたのも理由の一つです。
(写真:丸山隊員)
鈴木さんー任務は農作物を食い荒らす野生のイノシシ対策です。オレンジ色のハンティングベストを着て山に入り、罠を仕掛け、捕獲しています。赴任以前は知識も経験もなかったので、まず猟具メーカーでの修行や講習会に参加し、罠や銃の免許も取りました。
また、新潟県内のイベントに参加して、活動の広報をし、地域の人々と交流するのも大切な任務です。なにしろ、新潟県の狩猟免許を持つ約5000人中、半分以上は60代で、30代以下は数%に過ぎません。高齢化が深刻なので、仲間を増やしていかねば!と思っています。
丸山さんースマートスピーカーやスマートスイッチを家電と組み合わせて、「アレクサ、テレビをつけて」と言うと家電のスイッチが入る、あのシステムを活用して、神経系の難病で筋力が低下した人の支援を行う、全国でも稀な取り組みが長岡エリアで始まっています。私は今、その機器導入の支援を行っているんです。福祉の専門用具ではなく、おなじみのICT機器を利用するところ、使う人の状況でアレンジができるところにも大いに可能性を感じています。看護大で学生に声をかけ、一緒に活動する仲間を増やし、長岡エリアだけでなく、県全域、ひいては全国で展開できたらと思っています。
(写真:左から、鈴木隊員、吉田隊員、井川隊員)
石塚さんー協力隊サポートの一貫として、退任後の働き方を学ぶために、起業家や元協力隊員のもとで職業体験を行うジョブインターンを行っています。新潟には栃尾や胎内、妙高などにワイナリーがあり、若い醸造家が活躍しているので、先回はそこを訪ね、仕事内容だけでなく、起業や経営についても学ばせてもらいました。今、新潟の各地で新潟出身の私も知らない動きがあるんだ!と感動しました。
鈴木さんー本当に新潟県は広いですね! 地域で田んぼの広さも違いますし、水の流れ方や山の大きさも違って、環境がいろいろです。効果的に罠を仕掛けるためには、イノシシの動きを察知する必要があるので、各地で実際に山に入り、田んぼを見ながら歩きまわっています。どこに行っても「雪が大変だよ」と言われますが、ウインタースポーツをしたことがない私は雪が降るだけで興奮! この冬の雪で車のワイパーが折れてしまうなど洗礼は受けていますが、へこたれていません。
吉田さんー僕も雪が楽しみ。次の冬にはスキーを楽しみたいと思っています。カービングスキーで上手にターンができるようになりたいです。だれか教えて!
(写真:石塚隊員)
石塚さんーニイガタコラボレーターズは新潟県全域を活動エリアとする県版の地域おこし協力隊です。私の任務は協力隊のサポート等を通じた協力隊の推進なので、自分自身が協力隊でありながら、同じく現役の市町村の協力隊のみなさん、市町村の担当職員のみなさんをサポートするという大それた役割も担っています。自分で勉強しながら、地域づくりの先輩や元隊員の力も借りながら取り組んでいきたいと思っています。新潟県には、協力隊として様々なチャレンジができる環境と、活動を全力でサポートする仕組みがあるので、安心して来ていただきたいです。
吉田さんーまずは互いの理解と知識不足など、多文化共生の障壁を解消することに取り組みたいと思いますが、一方的ではない双方向の関係を生む仕組みがあれば外国人はもっと地域に貢献できると考えています。
たとえば、災害が起きたときに外国人が地域の高齢者を支援してくれるようなことも叶うかもしれません。共生の形は一つではないので、色々な方と協力しながら、いろいろ模索していこうと思っています。