2022.08.05 掲載
松本 悠雅さん
新潟県加茂市
◎活動開始
2022年1月
◎経歴
・出身:大阪府大阪市
・大阪で生まれ育ち、大学進学を機に加茂市へ。大学卒業後、一度は東京で就職するも、19年続けてきた体操を生業にしたいと一念発起して加茂市の地域おこし協力に。
◎世帯構成
ひとり暮らし
大阪で3歳から体操をはじめ、高校はレベルの高い環境を求め、大阪の清風高校に進学し、体操を続けたいという思いから、新潟経営大学に進学したのが、加茂市に来たきっかけです。
卒業後、一度は東京の建材メーカーに勤めたのですが、体操を仕事にできないか、という想いは常々抱いていました。そんな悶々とする中、新潟で行われたインターハイで審判を務める機会をいただきました。体操関係者の方と話をするうちに、体操への想いがさらに強まり、本気で体操を仕事にする方法を探し始めた所、ちょうど加茂市で地域おこし協力隊を募集していることを知り、思い切って挑戦してみることにしました。
移住を考え始めた当初は、一般企業で働きながら、空き時間に指導するという形を考えていました。しかし、環境をゼロから作るのは大変ですし、金銭的な負担やリスクも伴います。地域おこし協力隊であれば、地域に貢献しながら、やりたいことを形にできるのではないかと考えました。
2022年1月から加茂市の加茂勤労者体育センターに勤務し、同市の体操トレーニングセンターの管理、ジュニアクラブでの指導、市民の健康促進イベントの企画・運営等を行っています。3月に行ったイベントでは、参加者を集めるのに苦労しました。イベントタイトルに「元日本代表選手が教える体操」と銘打ったことで、参加ハードルが上がってしまったのではないかと反省しています。次回以降は、もっと気軽に参加してもらえるように改善したいですね。
子どもたちには体操の楽しさを知ってもらえるように指導しています。今は技が成功した瞬間の子どもたちの笑顔を見るのが、一番のやりがいです。今後は、楽しさはもちろんのこと、僕が19年の体操歴から得た考え方や経験、練習に臨む姿勢といったものを伝えていきたいです。僕は体操選手としては身長が高く、骨格も決して体操向きとはいえません。その分、自分と向き合い、試行錯誤してきた経験から、伝えていけることがあると思っています。
東京で生活していたときは、休日も、何かに追われているかのようにスケジュールを埋め、のんびりする時間に罪悪感すら感じていました。また、東京では気軽に窓も開けられませんでしたが、ここ加茂では、いつでも山が見え、きれいな空気を吸うことができる。時間がゆっくりと流れ、身近にある自然が気持ちを楽にしてくれます。心から休めていると感じますね。
地域おこし協力隊として、指導を通して体操に関われていることに充実感を感じますし、センターの利用者が増えていることにも、喜びとやりがいとを感じています。また、半年ほど活動してみて、新たに取り組んでみたい課題も見えてきました。地域に僕と同年代が集えるコミュニティが少ないのではないか、と感じたことです。健康促進イベント等をきっかけにしながら、加茂市に住む若い世代の交流の輪を作っていけないかと考えています。
地域おこし協力隊は地域への貢献を期待されている身ですので、物事を前向きに捉え、まずは自分自身が活動を楽しんでいないといけないと思います。悩んでしまうことや辛いと感じることもあるかもしれませんが、ポジティブでさえいれば、周囲の方々が必ず手を差し伸べてくれると思います。