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ニイガタビト

アジア、ロシアへ 海外へつながる新潟でチャレンジ
- 新潟の国際ビジネスの可能性 -

2008.07.02 掲載

経済発展を続ける中国やロシアなどと日本海を隔てて向かい合う新潟。大陸から見れば、東京や名古屋や大阪を後背地にもつ日本の入口に位置しています。
優れた技術力で海外へ事業展開を図っている企業も多く、空港や港も整備されています。また、長年の交流や研究の実績もあり、無限のビジネスチャンスがあると言えるでしょう。
あなたも新潟で自らの可能性にチャレンジしてみませんか。

充実した空と海の玄関

 毎年約120万人が利用する新潟空港は、北東アジアや国内主要都市と定期路線で結ばれ、ソウルや上海などで乗り継ぐことで、世界各地へ旅することができます。
 また、新潟港、直江津港からは韓国・中国・東南アジアへの航路があるほか、9月にはロシア極東地域(ボストーチヌイ港、ウラジオストク港)を結ぶ定期コンテナ航路も開設される予定で、経済やグローバル化や人々の活動範囲の拡大に対応しています。

世界的なシェアを誇る企業群

 高い技術力で世界へ事業展開する企業が新潟県には多数あります。中でも市場シェア世界一の企業が9社もあり、東北地域では群を抜く数です。
 グローバルな仕事をしたいと思っているあなた、舞台は整っています。
 ・プリント基板用自動露光装置の生産高世界一
   (株)アドテックエンジニアリング長岡工場/長岡市
 ・鍛造コンベヤチェーン部品の生産高世界一
   (株)共栄鍛工所/三条市
 ・プラスチック用金型の生産高世界一
   共和工業(株)/三条市
 ・液晶カラーフィルター用加熱・冷却装置の生産高世界一
   クリーン・テクノロジー(株)/長岡市
 ・工業用ミシン刃物の生産高世界一
   (株)鈴民精密工業所/長岡市
 ・陽極酸化発色チタン材の生産高世界一
   (株)東陽理化学研究所/燕市
 ・二輪用計器の生産高世界一
   日本精機(株)/長岡市
 ・液晶プロジェクター用部材の生産高世界一
   (株)ポラテクノ/上越市
 ・プリント配線板用超硬ドリルの生産高世界一
   ユニオンツール(株)長岡工場/長岡市
(資料:「東北の『光り輝く』企業たち(2007年版)」/(財)東北産業活性化センター)
※関連情報:下記ホームページ内「世界にチャレンジするものづくり企業」

新潟は食品産業の拠点(1)

(株)フタバ 海外ブロック 営業部長 井上章さん

 韓国、台湾、タイなどで開催されている物産展などに参加し、積極的に海外へ販路を拡大している(株)フタバの海外ブロック営業部長の井上章さんに話を伺いました。
Q 海外へ販路を拡大したきっかけは?
A 当社は、主に業務用の鰹だしを製造・販売していますが、国内市場は縮小しているので、何とかしようと思っていました。ちょうど「にいがた産業創造機構 (NICO)」の担当者に誘われて韓国へ行ったのですが、向こうの日本料理の味があまりに違うので、本来の味を伝えたかったこともあって、韓国から台湾、タイ、シンガポール、香港へと販路を広げています。
Q 日本とは文化も商慣習も違うわけですが、スムーズに行きましたか
A 韓国であれば、新潟空港からひとっ飛びで行けます。九州や四国へ行くより安くて早い。物産展では、通訳アシスタントをNICOで手配していただけますので、あとは郷にいれば郷に従いでやってきました。
  48歳でジェトロ(日本貿易振興機構)の講座に何度も通い、50歳で韓国語を、52歳で中国語を勉強し、今では日常の会話はできるようになりました。やろうと思えば、ラジオでもテレビでもテキスト代だけで教えてくれますから。(つづく)

新潟は食品産業の拠点(2)

Q 若い社員も海外へ営業に行くのですか?
A 約10人のスタッフで、海外へ営業しています。初めは私が行きますが、後はスタッフに任せていきます。
若いスタッフには、貿易の知識も言葉もそして日本の食文化も、自分への投資として身につけるように言っています。ですから当社のスタッフは、全員そば打ちができます。「めんつゆ」なども扱っていますから、使う人の立場で自社商品の良さも食文化も伝えられるようにするためです。
Q 新潟は食文化が豊かです。
A 新潟は、日本一の米や酒、魚、野菜などを日常的に食べているので、味覚がとても繊細です。元をたどれば「水」の良さでしょうか。そういう土地で生まれる食品の質が悪いはずがありません。それと、燕、三条など、金物の産地が近くにあるのも強みです。何でも作ってもらえるので、製造する立場としては助かります。新潟は、素材も加工技術も文化もそろっているので、食品関連産業の集積地として拠点性を高めていくべきです。
  今は、インターネットで、どこでも商売ができる時代です。
ゴミゴミした東京にしがみついてなくても、空気や水のきれいな新潟で、ものづくり、特に食品関連のものづくりをするというのは、とても素晴らしい選択だと思います。

地域に宿る国際的価値のある仕事に目を向けて(1)

尾畑酒造(株) 常務取締役 尾畑留美子さん

 実家である佐渡の酒蔵にUターンし、積極的に海外への販路開拓をしている尾畑留美子さんにお話を伺いました。
Q 日本酒を海外に売り込もうと思った理由は?
A 実家へ戻る前に東京の映画配給会社に勤務していて、海外の映画の宣伝を担当していました。
実家の蔵に帰っても、広く視野を持ちたいと思い、英語のホームページを作ったり、ジェトロ(日本貿易振興機構)のセミナーに行ったりして準備を進め、2003年から本格的に海外への販路開拓に取り組みました。
Q フランスの国際線の機内酒や、数カ国に輸出されていますが、海外での日本酒の評価は?
A 日本国内では、若者の日本酒離れなど言われていますが、海外では2ケタの伸びです。
世界最大のワイン・コンクールのIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)に日本酒部門が新設されたように、日本酒は、和食の世界だけでなく、フレンチやイタリアンにもあう酒として存在感は高まっています。ただ、海外では、「酒」そのものだけでなく、「日本文化」として楽しんでいると思います。
 グローバル化が進む現代において、リージョナルな価値が見直されています。そういった個性を磨き、いかに発信するかが重要になっていると思います。また、海外での日本酒や日本文化の高い評価が、日本に逆輸入されて誇りにつながることもあります。(つづく)

尾畑酒造株式会社へのリンク

地域に宿る国際的価値のある仕事に目を向けて(2)

Q 佐渡の蔵であることにもこだわってますね。
A 佐渡は、歴史、文化、自然風土が外国人からも高く評価されている国際的に価値のある島です。トキの舞う自然風土のすぐれた島で、ある意味では日本文化の縮図が宿る島。その島で生まれた酒という付加価値もあります。
酒を通して、その酒が生まれたところを発信していきたいと考えており、佐渡の自然や文化と日本酒を組み合わせたおもてなしにも目を向けています。
Q これから働こうとしている若者へメッセージをいただけますか。
A 地域にある文化や伝統、自然などは、目線を変えると国際的な価値のあるものが多くあります。「地方」「田舎」にある宝を磨くことによって、国際的なビジネス展開や地域の活性化につながることもあると思いますので、そんな地方発の創造的な仕事にも目を向けて欲しいと思います。

国内屈指の北東アジアの研究拠点(1)

(財)環日本海経済研究所(ERINA) 調査研究部研究員 朱 永浩さん

17億人の諸民族が暮らし、天然資源も豊富な中国、韓国、北朝鮮、ロシア、モンゴル、日本で構成する北東アジアは、世界における一つの地域経済圏としての可能性が認められています。
その北東アジアの研究拠点が、1993年10月、新潟市で設立された(財)環日本海経済研究所(ERINA)です。北東アジアについての豊富な調査・研究実績、ノウハウ、ネットワークが集積されたシンクタンクは他に例はなく、国内外の企業、研究者、政府関係者から注目されています。この分野での新潟の拠点性について、中国黒竜江省から来られた朱永浩研究員に伺いました、
Q ERINAの研究員になったきっかけは?
A 父が経営する対露貿易会社に1年半勤務した後、日本語を学び貿易実務に活かすため明治大学へ留学しましたが、在学中に貿易理論や地域経済学のおもしろさに気づき、同大学大学院に進学しました。大学院博士(前・後期)課程では、国際貿易論を専攻し、中国東北部を対象地域として研究を行ないました。(つづく)

環日本海経済研究所のホームページへのリンク

国内屈指の北東アジアの研究拠点(2)

 その後、同大学に専任助手として勤務しましたが、中国東北部の経済政策や北東アジア地域経済協力についてさらに研究できるところを探していたところ、ここで研究員を募集していると聞いて応募しました。
私のオリジナリティを最も発揮できる北東アジアについて、専門に研究しているところは、他には余りないと思います。各種学会でも論文が多数引用されているように、ここの研究員はその分野で活躍されている方ばかりです。外国人の研究者が多いのも特徴です。
Q 北東アジアの経済交流の拠点として、また、暮らす場所として、新潟はいかがですか?
A 新潟は、中国東北部やロシア極東地域との長年の交流の蓄積があり、空路、航路もあって、北東アジアを身近に感じられる環境にいられることはいいことです。
 私は、黒龍江省出身なので、冬の寒さは気になりませんし、気管支の弱い私にとって、新潟の湿度がちょうど良く風邪をひかなくなりました。満員電車での通勤もなく、食べ物も酒もおいしくて、暮らしやすいですね。

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