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ニイガタビト

釣り好きが高じて粟島へ。今は漁師の修業中!
- 石鯛に導かれ、離島で始めた新しい暮らし -

2023.09.21 掲載

漁師

早川 善文さん

長野県出身。趣味の釣りがきっかけで粟島を知り、「ここが石鯛釣りの最適地だ」と判断して2019年に移住。村役場で行政職として働いた後、漁業の世界へ。23年春に一級船舶免許を取得し、島内の釜谷地区で最若手の漁師として刺し網漁の技を習得中。一人暮らし。

石鯛を求めて長野県から粟島へ

【Q. 粟島を訪れたきっかけを教えてください。】

子どもの頃から釣りが好きで、就職活動の時は渓流釣りにハマっていたので、魚が釣れるポイントが混まない平日に休みが取れるように小売業を志望したくらいでした。その後、川の大物・スチールヘッド、海の大物・黒鯛を制覇して、最難関の石鯛釣りに挑戦しようと思うようになりました。

当時の勤務先と住まいは長野県。メッカと言われる南伊豆や佐渡、粟島が候補に挙がり、釣り場までの時間や移動のしやすさ、費用の点から比較したら粟島がよさそうで、まず来島してみました。360度を岩礁に囲まれた粟島にはポイントが無数にあり、石鯛はもちろん真鯛などの大物も釣れる。島の人たちは温かくて親切。そして、静か。釣りにはもってこいの環境でした。


【Q. その後、移住までの道のりは?】

6月から10月の石鯛のシーズンに何度も訪れている間には、悪天候に見舞われることもありました。せっかく休みを取って来ても海が荒れていると何もできず、「ずっとここにいられたらいいのに」と民宿の人につい漏らしたら、「住んだらいいじゃないか、仕事はあるよ」「空き家を紹介しようか」など周囲がいろいろと教えてくれるようになり、それなら移住できるかもしれないと本気で思い始めました。

ちょうどその頃、サラリーマン生活25年を迎えたところで、この先の人生をどう送ろうかと考えていたことも決心を後押ししました。好きなことに没頭できる時間を大切にしたいと思ったんです。私にとって好きなことは釣りですから、迷いはありませんでした。2019年に仕事を辞め、長野から粟島に移住しました。

離島暮らしは思ったよりずっと便利

【Q. 離島暮らしはどうでしたか?】

ここは周囲23キロの小さな離島ですが、移住してから今まで不都合だと感じたことは一つもありません。スーパーはあるし、ネット通販なら2日で届くし、思ったより便利です。コンビニや遊び場所の代わりに、釣り三昧の海があり、ネオンがないから星が驚くほど見える夜空があるので、私には十分です。

野菜や果物は周りの人が自家用に育てたものを持ってきてくれるから、買ったことはありません。島外に出していないので知られていませんが、ミネラル豊富な土壌で育った粟島の野菜は美味しいですよ。トマトやスイカの甘さにはびっくり。移住してから知った粟島の魅力はこれです。


【Q. 生活の基盤はどのように整えましたか?】

移住して4年は村役場の職員として働きました。教育や産業振興、総務などを幅広く担当したので、粟島のいろいろな顔もいろいろな人も知ることができました。永住するからにはアパートを借りて家賃を払い続けるより、家を持つ方がいいと思ったので、空き家を譲ってもらってリフォームをしました。海まで30秒、もってこいの立地です。

新人の漁師として歩み始めた

【Q. 現在の仕事内容を教えてください。】

今は漁師、いやまだ見習いかな。ベテラン漁師について教えてもらって漁を覚えるところから始め、一級船舶資格を取った今はボートを貸してもらって自分でサザエ網漁をしています。午前3時半に起きて海へ出て前日に仕掛けておいた網を揚げ、港に戻って他の漁師の手伝いもしながら魚やサザエを外して漁協へ出荷。その後は後片付けや翌日の準備をして、だいたい午後2時には自宅近くの売店のベンチで知り合いとビールを飲む、というのが春から秋までのルーティーンです。

【Q. 好きなことが仕事になったのですね!】

いやいや、釣りと漁は別物です。「釣りが好きなら漁をすべきじゃない」とは、よく言われることですが、本当にその通り。石鯛を釣ろうとしたら、朝の4時から夕方の4時まで磯に立ち尽くして、釣れても2本くらい。それが、網なら一晩で10本掛かっていたりするんです。大物が掛かっていたりすると「網になんか掛かるんじゃないよ」と心の声が出たりして。徐々に気持ちの切り替えができるようになりましたけどね。今は、仕事が終わった後や休みの日には釣りに出掛け、その動画配信も始めました。

移住の目的を仕事だけに絞らない

【Q. 今後の目標を教えてください。】

私が住んでいる釜谷地区には漁師が4人いますが、全員が70代です。みんな私以上に体力もあって元気ですが、後継者はいません。最若手の私としては、漁の仕方やポイントなどを教えてもらって、粟島の刺し網漁を受け継いでいきたいですし、若い後継者の受け入れにも関わっていきたいと思っています。

そのために具体的に何ができるかを、今、考えています。漁師は個人事業主なので、誰でも目指すことができますが、安定的な収入を確保するには何らかの手立てが必要です。例えば、網を刺す時間を今よりも遅らせて、日中に副収入を得られる時間を確保するとか、空き家バンクを作って移住をサポートするとか、島全体での取り組みも必要でしょうね。

【Q. 移住を考えている方にメッセージをお願いします。】

今の私が言えるとしたら、仕事を移住の唯一の目的にしないことでしょうか。仕事は災害や状況の変化など自分ではどうしようもないことで上手くいかなくなることもあります。仕事だけが目的だと、目指す仕事ができないと移住の意味がなくなり、居場所をなくしてしまう。それは辛いですよね。でも、仕事だけでなく、環境や雰囲気、その土地の人々が好きだと思っての移住なら、仕事が変わったとしても、リタイアした後もずっとそこで暮らしていけるからです。

ニイガタビトの想い出&推しスポット 仏崎展望台

島の西海岸にある仏崎展望台からの眺めがおすすめです。正面には水平線がまっすぐに伸び、左手には小さな岩々が点在する入り江があり、人工物は何一つ視界に入らない、心が洗われるような美しい風景が広がります。昔、ここで観音像が見つかったことから「仏崎」と呼ばれるようになったそうです。

特に、春から夏にかけて、仏崎展望台から見る夕焼けは最高です。夕陽が沈んでいくと、海面に光の道ができ、沈みきる瞬間に緑色の光が輝く、グリーンフラッシュが見られることもあります。1回でも見ると幸せになれるという貴重な現象ですが、粟島は空気が澄んでいるから、割とよく見ることができます。だからこの島の人はみんなハッピーなのかも。

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