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ニイガタビト

酒造りは一年一年が真剣勝負

2010.06.11 掲載

尾畑酒造株式会社 杜氏

工藤 賢也さん

38歳 佐渡市

 北海道函館生まれ。10歳まで同地で過ごし、その後は父親の転勤で青森や仙台などに移り住み、大学進学のため岩手へ。大学卒業後、約2年間尾畑酒造で酒造りを学ぶ。その後、知り合いの紹介もあり岩手県の酒造に勤務。そこで杜氏となり経験を積む。岩手の酒造会社が手がけたチャレンジ醸造を終え、再び尾畑酒造に戻ってから10年。妻、子ども3人と佐渡に暮らす。

杜氏になったきっかけ

 もともと酒造りに興味を持っていました。私の大学時代は酒というと新潟清酒がブームでしたから、いいお酒の本場は新潟だと思い「酒造りに挑戦するなら新潟で!」と決めていました。大学時代を過ごした岩手にもいい酒は沢山あるのですが、やはり新潟で挑戦したいという想いが強かったんです。新潟であれば場所はどこでもかまいませんでした。子どもの頃、親が転勤族だったことが功を奏してか、新たな場所へ行くことに対して、それが海を渡ることであっても抵抗はありませんでした。
 新潟県内のハローワークをいくつかあたり、3社ほど酒造を紹介されました。そしてその中で一番規模の小さい酒造を選ぼうと思いました。というのは、その方がいろいろな仕事ができるし、自分にとってより良い経験が積めるのではないかと思ったからです。そんな縁で、ここで酒造りに挑戦することになりました。

仕事の内容

 杜氏というのは製造スタッフの中で一番の責任者です。自分が最初に杜氏になったのは岩手の酒造でしたが、その当時は毎日が緊張の連続でした。そこでの経験が尾畑酒造に杜氏として戻る際の自信につながったのだと思っています。
 この仕事は夏と冬ではまったく違います。11月から3月頃は昼食と夕食に3時間ほど家に戻るくらいで、蔵に泊り込んで仕事をしています。麹の成長、温度がしっかりと保たれているかを深夜や早朝にも確認しなくてはいけませんから。このやり方は今では多くの酒蔵では廃止されてしまいましたが、ここでは昔ながらのやり方を引き継いでいます。
 私が最初についた人は60代後半の昔かたぎの方でした。指示を出すことはあっても教えることはなく、後は自分で考えろ、というスタンスなので、大部分を見て覚えました。職人の業はなかなか口では伝わらないものなのです。それから杜氏にとって記憶力は重要で、麹やふかしの状態など、「固さがちょうどいい」とメモに書き残したとしても、どうちょうどいいのか具体的な感覚として覚えていないといけない。別の米だとまた加減が違いますし、なんといっても酒になってみないとわからない。あの麹やふかしの状態がこの酒になるんだと、酒になった時に振り返ってようやく分かるのです。

酒づくりの魅力

 ものづくりに共通していることだと思いますが、目標があってつくっているので、その目標にピタっと合うものができた時は嬉しいですね。また、杜氏の腕前は賞を取ることで目に見える形になりますが、自分は最初からそういった賞をとることもできておりラッキーでした(全国新酒鑑評会において、6年連続、計7回金賞受賞)。何年もの経験があれば賞がとれるようになるかというとそういったことでもないので、難しいですね。他の酒造でもいい酒を造っているし、自分のレベルが上がっても、周りも同時にレベルが上がってくるので一年一年が真剣勝負なんです。

地域の魅力

 佐渡の魅力って住んでいるとかえって分からなくなってしまうのですが、一番の魅力は食べ物でしょうか。島外から友人が来たときも、お米や魚が美味しいと言ってくれます。お寿司屋さん、中でも長三郎さんはお勧めですね。「いごねり」、「もずく」は佐渡に来て初めて食べました。佐渡ではそういった美味しく新鮮なものを比較的手ごろな値段で食べることができます。
 うちの酒も多くの方々に味わっていただきたいですね。尾畑酒造は酒蔵見学を県内で最初に始めたところでもありますので、興味のある方はぜひお越しください。

休日の過ごし方

 冬場はほとんど休みなしで酒造りに専念しているのですが、休みがとれる夏の期間は子ども達を連れて釣りにいったり、クワガタやカブトムシを捕りにいったりしています。それから、子どもが野球をやっているので、その相手をすることも多いですね。冬に何もしてやれないぶん、今の時期空いている時間は子ども達と一緒に過ごすようにしています。

若者へのメッセージ

 自分がやりたいことが地元にあれば、それが一番ですね。仕事があれば地元に戻りたい、あるいは地元で暮らしたいと考えている人が多いのではないかと思います。時には思いきりが必要なこともありますね。若者が戻ることのできる環境づくりがこれからの課題なのかもしれません。

尾畑酒造株式会社へのリンク

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