株式会社テック長沢　営業推進課　課長

山岸智恵子さん

株式会社テック長沢　営業推進課　主任

江口美咲さん

山岸さん：柏崎市で生まれ育ち、地元の別の会社に就職しました。しかし、当時勤めていた会社はサービス業だったため、不定休で、子どもの休みに合わせてあげられなかったことから転職を考えました。そこで「市内にある土日がお休みの長く勤められそうな職場」という基準で今の会社に応募しました。入社時は現場の検査部門を担当していたのですが、その後営業部をサポートする部署として新設された営業推進課へ異動しました。2020年の7月から同課の課長を務めています。

江口さん：東京の専門学校を卒業後、東京にある演劇の舞台セットを作る会社に就職しました。覚悟はしていましたが、いわゆる「男性職場」で、体力的にも精神的にも厳しい日々が続き、体調を崩してしまったこともあり、生まれ育った柏崎に戻ることにしました。前職をやめた理由の一つが不規則な勤務体制であったことなので、きちんとした生活リズムを取り戻すために、土日が休みであること、勤務時間が固定されていることなどが、再就職先を選ぶ上での大きな基準となりました。
　入社後は、これまでと畑違いの事務職をしていますが、IＣT技術を活用した仕事の進め方や体制のおかげでスムーズに仕事を行えています。
　特にその恩恵を感じるのが、作業工程などの照らし合わせをする作業です。人力で行うと非常に時間を要するのですが、業務を自動化するロボット「RPA」を導入したことにより、単純な照合作業はロボットに任せ、人間の頭でしかできない仕事に集中できています。また社内にはICT課という部署があり、「こんなことを自動化できないか？」と問いかけると、実現可能なものから形にしてくれます。この体制があるおかげで、日々の仕事がどんどん効率化されています。

山岸さん：私自身、課長ではあるのですが、ほかの5人の部下同様、プレイヤーでもあります。営業マンの業務を内部でサポートし、各部門に業務の依頼を出しています。その中で、ロボットに一部の仕事を任せられるようになったことは非常に大きいですね。業務の効率化が図られたことで、部下の仕事の管理などに時間を割くことができ、課長としての役割を果たすことができています。子どもたちとの時間を確保できるのは、本当にありがたいです。
　また、私が入社した際には、まだ女性が3人しか在籍しておらず、産休や育休といった制度は私が最初の利用者となりました。2度、両制度を利用したのですが、その都度「もっとこうしたほうが利用しやすい」と会社に意見を聞いてもらえたのは嬉しかったです。現在では、「子どもを病院に連れて行きたい」という要望にも応えられるように、1時間から有給休暇取得が可能になりました。

江口さん：子育てしながらでも働きやすい環境がこの会社には整っていると思います。私の同僚は産休を取得していたのですが、復帰するにあたり、「何か不安はないか」と会社から聞かれたそうです。その際、「子供が生まれたばかりで、急に休むと会社に迷惑をかけてしまうのが不安」と彼女は答えたそうなのですが、これを受け会社は、彼女を製造の現場から私たちのいる営業推進課に異動しました。製造ラインというのは、一人お休みをしてしまうとその日のラインへの影響が少なくありません。一方で、営業推進課は比較的お互いをサポートしやすい体制にあります。それぞれの部署の特性や社員一人一人の事情を考慮し、より働きやすい環境を整えてくれるフレキシブルな対応が嬉しかったと聞いています。

働きやすい職場づくりを推進するテック長沢、その思いを代表の長澤智信社長に伺いました。

長澤社長：柏崎での雇用を増やしたい、そんな思いからスタートしました。即戦力として業界経験者のみを雇用しても、街全体としては右から左に移動しただけになってしまいます。鉄工所と聞くと、力のある男性の仕事というイメージが定着してしまっていますが、活躍できる人材なら男性か女性かというのは関係ないと私は考えています。柏崎市内には女性が働きやすい就職先が少なくて、市外や新潟県外に出て行ってしまう方が非常に多いのが現状です。
　「では、そういう方々が働ける場所を」という思いで誰もが働きやすい職場づくりに取り組んでいます。専務である弟が元システムエンジニアだったこともあり、新しい技術を積極的に導入する一方で、エアコンを設置したり、和式トイレを洋式トイレに変更するなど、工場内の小さな改善も進めています。急な残業は特に家庭を持つ従業員には大きな負担となるため、今後は業務量が一時的に増えた際のフォロー体制をいかに構築するか。このあたりのケアを考えていきたいと思います。

◎所在地　：新潟県柏崎市藤井1358-4
◎業種　　：金属部品加工業
◎従業員数：170人
◎業務内容：調達、機械加工、組み立て、自社製品

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