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ニイガタビト

田舎は今でも適度に人の眼が生きていて作用しているのがいい

2009.02.21 掲載

古布工房はやかわ店主

木村理絵さん

32歳 南魚沼市(旧塩沢町)

 旧塩沢町生まれ。地元の短期大学を卒業後、東京に本社がある印刷会社の六日町支社に就職。22歳の時に東京本社に転勤。24歳で東京での仕事を辞めUターン。地元で季節雇用の仕事の傍ら正社員の仕事を探し、写真の現像、加工等をやる写真店で4年間勤務。会社で働きながら、休日に父の古道具収集、販売の仕事を手伝い始める。写真加工の仕事で在宅での独立を考えていたが、父から在宅でやるつもりならば古道具収集・販売の布部門をやらないかと言われる。布のことは何もわからなかったので、着付け教室に行ったり、ビジネス書を読んだり準備期間を経て会社を辞め、2004年5月に自宅店舗として「古布工房はやかわ」を開店。仕事とは別に、地元のお店やイベントを紹介するフリーペーパーの発行や、インド音楽コンサートの企画等の活動も行う。田舎のいいものを紹介するエセコンシェルジュを目指している。両親と愛犬と暮らす。

Uターンしたきっかけ

 転勤で東京にいた時に、休日は海や山や自然のあるところに必ず行っていました。それまでは自覚していませんでしたが、私は自然がないとダメだということがわかりました。それだったら田舎に帰ろうと思いました。
 それから、印刷会社というのは休日出勤もよくあり、残業時間もかなり長くて、半年くらい経ったら、だんだんだるくなってきました。仕事は続けられるし出勤もできましたが、パソコン画面に向かっているとふわーっと涙があふれてきたりしました。多分帰りたかったんでしょうね。倒れたことはありませんでしたが、体調もあまり良くなかったと思います。そんな感じで心がとっても疲れてしまい24歳の時にギブアップして会社を辞めて実家に帰ることに決めました。

南魚沼市へのリンク

Uターンする際に不安だったことや心配だったこと

 仕事がみつかるかどうか、再就職できるのかどうかが不安でした。東京ではすぐに次の日でも働き口があるような状態でしたが、田舎では状況が違いますから。
 利用した相談機関はハローワークです。季節雇用の仕事をしながら正社員の仕事を見つけるときは、毎週ハローワークに通いました。

ハローワーク南魚沼へのリンク

仕事の内容

 古布の買出し、販売です。例えば蔵の中に昔の古着があるよとどこかの家から連絡があったら買い付けに行きます。買ってきたものはほぐして、洗えるものは洗って、ほこり臭さを飛ばして、アイロンをかけたりします。古道具屋ってどうしても古い臭いがするんですが、このお店はそういう臭いがしないと褒められます。そうしたものをお店で販売しています。

仕事以外の活動

 インド音楽のコンサートの企画を年に1回程度やっています。最初は友達から紹介されてインド音楽をいいなあと思うようになりました。数年前にインド音楽のコンサートを企画していた友達が県外に行ってしまったので、これはもう自分がやるしかないと思い、コンサートの企画を始めました。それから何人かでインド音楽も習っていて、先生は月に1回千葉から来ていただいています。
 フリーペーパーはあまりにも地元にいいものがあるから、それをみんなに紹介したくて作り始めました。掲載したお店からはお金はもらっていません。パソコンで版下まで自分で作るので、かかるお金は印刷費だけです。ただ、お金を出してもいいよという人がいるので、自分の出費はその差額になります。発行は不定期です。
 2年半前には「南魚沼市 裏道散策マップ」を作りました。これがものすごく効果があって、今でもこれを見て、来られる人がいます。このマップは1件当たり3500円ずついただいて、1万枚印刷しました。載せたお店に最低100枚ずつ配って、それ以外にレストランとかギャラリーとか個性的なお店にも置いてもらいました。こういうものを見て、たまにチラシを作ってほしいとか頼まれることもあって、仕事の合間にやることもあります。ただ、こういうことを仕事にしていきたいわけではなくて、自分がやりたいのでやっている感じです。

現在住んでいる地域の魅力

 魅力いっぱいあります。帰ってきてから気がつきました。とにかく人が優しいです。前は閉鎖的なイメージがありましたが、今はこちらの人の意識も変わって、おじいちゃん、おばあちゃんの若者に対する許容範囲も広がって以前と全く違うような気がします。
 仕事に関しては、この辺りは商いの単位が小さいので、商いを始めやすいです。魚沼、南魚沼では自宅ショップが元気で、いいものがいっぱいあります。都会だと自宅ショップの数が多く埋没しやすいけど、田舎だと数が多いといっても一つの街に数件なので、そういうショップがつながって情報が行き交いお客さんが動きやすい。ネットワークが密で、人とのつながりが一番魅力的です。
 また職人が多くて、工房とかもいっぱいあります。都会で売っているものも田舎で作っているんですよね。都会はギャラリーとか商社とかの仲介役の人が多くて、田舎は達人が多いです。
 それからお祭りや講などの、昔からの風習、文化もまだたくさん残っています。何かが便利なことよりも、昔からの暮らしがまだ残っていることに私は魅力を感じています。

休みの日の過ごし方、オススメのお店

 お店を始めた1年目の経験から、冬はお客様が少ないことがわかったので、2年目に1週間休んで京都に出かけました。その後はもう少し長く休みをとって買い付けも兼ねてインドに行っています。
 普段は週に一日しかお休みがないので、大体長岡、十日町、塩沢周辺の自宅ショップを回っています。オススメのお店はいっぱいありますが、残念ながら冬は閉めるところが多いんです。
 旧堀之内町(魚沼市)の「皇大市」は皇大神宮の参道に立つ"市”で、地元の野菜などの他に、ものづくりの人達が出している個性的なお店もいろいろ参加しています。期間は5月~11月の毎月第一日曜日です。南魚沼市の「ギャラリーごいぶち」さんは週末だけのギャラリーです。山越えのすごいところにありますが、探し当てて人がいっぱい行きます。景色最高です。十日町市の「三椿」さんは、名古屋から移り住んできた20代の女性がやっています。古民家を改装しながらビーズアクセサリーなどのお店をやっています。魚沼市の「虹の谷」さんは大湯温泉の中にある割烹旅館吉田屋の娘さんが離れでやっているお店です。フェアトレードの商品が多いです。昼間はカフェで夜はバーになっています。

「虹の谷」ブログへのリンク

U・Iターンを考えている若者へのメッセージ

 今は若者向けの野外フェスティバルとかがものすごく多くなりました。遊ぶ場所には事欠かなくなってきているので、戻ってきても楽しいです。
食べ物は新鮮でおいしいし、都会で暮らすよりも豊かですよね。
 そして、こちらは損得なしの人づきあいが多いです。そのへんは東京と全然違います。また都会だといい仕事も悪い仕事もあふれていて、悪い仕事もまかり通ってしまうけど、田舎だとまかり通らないですよね。後ろ指をさされたりとか、暮らしづらくなってしまいます。がんじがらめも良くないけど、田舎は今でも適度に人の眼が生きていて作用しているのがいいと思います。


<連絡先>
古布工房はやかわ
〒949-6543 新潟県南魚沼市早川64-3
TEL:025-782-1149、090-4824-7939
E-mail: rie-kim.since1976@docomo.ne.jp

古布工房はやかわへのリンク

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