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ニイガタビト

どこにいてもそこに目標があればがんばれる

2008.09.04 掲載

花火師

鈴木明朗さん

34歳 新潟市江南区

1974年、新潟市生まれ。市内の高校を卒業後、長岡市の花火師に弟子入り。5年間技術を磨き、03年1月「明鼓煙火店」(あけつづみえんかてん)を開業。個人向けの打ち上げ花火をメインに県内各地で活動。

起業したきっかけ

長岡の花火店に勤めていた時は、一日に何千発という玉を打ち上げていました。そんなときTV番組で見たおばあさんのひと言が、私の気持ちを大きく揺さぶりました。末期がんの患者さんで、毎年長岡祭りの三尺玉花火を「今年もドカンと上がってきれいだろうね」と病院の屋上で見るのを楽しみにしていたそうです。亡くなる前に見せてあげたかった。一発の玉に込める思いが薄れていた自分が恥ずかしくなりました。当時勤めていた花火店では、個人向けに単発あるいは数発という打ち上げはやっていませんでした。その人の一生の思い出に残る花火を、好きな時好きな場所で打ち上げられないかと考えたのが新潟に戻って起業しようと思ったきっかけです。

長岡市役所のサイトへのリンク

起業する際に不安だったことや心配だったこと

実家があって、住む所には困らなかったんです。3か月間くらいボーッとしていました。途中飲食店に勤務したこともありました。開業しようと思っても資金が足りません。火薬を保管する火薬倉庫で1千万はかかりますから。当時は起業関連のサイトも少なく、情報もあまりないし、じっとしていると不安でたまらなくなりました。03年に「明鼓煙火店」を開業したのですが、2年間は、アルバイトをしながら花火を上げていました。この頃、火薬取り扱いの資格を妻と二人で取得。開業後3年目でどうにか花火で食べていけるようになりました。

役立った相談機関やサイト

商工会議所の起業セミナーがよかったです。商売のことが全くわからなかったので、そこの創業塾で事業計画書を書いたことが勉強になりました。その後新聞で、あるSOHOグループのプレゼン大会を見つけ、思い切って応募してみました。県内の有名な社長をお呼びして、出場者に協賛できる人が挙手する形式でした。皆プロジェクタを使っている中で、私だけワードで作ったレジュメをコピーで渡していました。が意外にも評価をいただけて、結果今のシェアリングオフィス※を借りることができたんです。始めは5社入居しましたが、今はうちだけになりました。それまで自分のアパートで、生まれたばかりの子どもの泣き声を気にしながら仕事を受注していたので、すごくありがたかったです。
※「シェアリングオフィス」
複数社でフロアを緩やかにくぎり共有するオフィス。

新潟商工会議所のサイトへのリンク

現在住んでいる地域の魅力

人と人とがつながっているのが新潟の魅力だと思います。どこかのイベントで打合せをしたら、同級生の旦那さんだったり、いい意味での世間の狭さを感じます。悪いことはできません。両親が共稼ぎだった頃は、保育園から帰ってくると、近所のおじいちゃん、おばあちゃんが留守番していたり、おもしろい町だと思います。食べものもおいしいですね。

新潟市役所のサイトへのリンク

仕事の内容

開業したら花火だけ上げていればよいと思っていましたが、実際は事務作業がほとんどです。平日は朝9時からパソコンでメールチェックとFAXの発注確認、打合せ、花火の申請書資料作成、それから打ち上げの現地調査へ。これらはすべて打ち上げまでの下準備で、夕方6時までに終わらせます。妻が経理を担当してくれるほか、もう一人ほぼ常勤で手伝ってくれる方がいます。土日は、結婚式場の演出で上げる花火が多いですね。個人で依頼してくださる方に共通しているのは、形じゃなく心に残る花火を上げたいという熱い思いです。結婚式、誕生日、結婚記念日、ご主人の命日、プロポーズなどテーマはいろいろです。春、秋は週末フル稼動。夏は、個人依頼の件数は少なくなりますが、新潟県内のお祭りなどで大きな打ち上げがあります。

明鼓煙火店のサイトへのリンク

■ 休みの日の過ごし方、おススメの店

子どもたちと遊ぶなど、家族と過ごします。土日は現場の仕事があるので、平日で休みのとれる時には海に行って、シュノーケルだけで素潜りをします。中学生のころから椎名誠が好きで、アウトドアの生活に憧れていました。獲った魚は自分でさばきますよ。お勧めの店は、マスターが潜りの仲間で、「まろぎ」という和食の居酒屋です。盛り付けがきれいでおいしいです。食材の講釈を聞くのも楽しみの一つです。

食べログ.comのサイトへのリンク

UIターンを考えている若者へのメッセージ

新潟市内から長岡に就職したときは一人暮らしでした。当時は景気がよく、皆大学を出て一流企業をねらっている時代でした。花火屋は当時の流行語3K、5Kにあたる職業でしたから、若い人になり手はほとんどいなかった。「長岡に新しいヤツが入ったらしいぞ」と噂になるくらいめずらしがられたものです。自分の年に一番近い先輩が40歳近い方でしたから。当時の私にあったのは、親方や工場長の技術を学びたいという一念だけでした。長岡の花火大会では、自分が打ち上げた花火で何十万人のお客様の大歓声が聞こえてきます。個人向け花火でも、お客様から一生の記念になったと感謝されるのは、本当に花火師冥利につきます。ああ、花火師になってよかったと心から思える瞬間です。私にとっては長岡も新潟も「新潟らしい人と人とのつながり」を強く感じる場所です。どこにいてもそこに目標があればがんばれる、そう思います。
<連絡先>
明鼓煙火店
〒950竏・962
新潟県新潟市中央区出来島1丁目2竏・3
オーグ県庁前ビル2F
TEL:025竏・83竏・553 FAX:025竏・83竏・676
mailto:info@ake-hanabi.com

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