2008.02.07 掲載
NPO法人りとるらいふ
齋藤 久美子さん
27歳 上越市
上越市(旧名立町)出身。千葉大学で特別支援教育を専門に学び、卒業後は短期アルバイトで貯金し、タイで現地NGOが運営する障害児の「児童養護施設」でボランティアをする。3年後、家族のいる上越市へUターンし、NPO法人りとるらいふに勤務。
高校まで上越市(旧名立町)に住んでいました。その後、養護学級の教員を目指すべく千葉大学に入学したのですが、悩んだ末、障害がある人の生きることを、その傍で支えたいという夢をかなえるために選んだのが、タイのNGOボランティアです。タイでの3年間の生活の中で、ひとつ気がかりだったのが、地元にいるおじいちゃんのことでした。おじいちゃんのことと、自分の夢の間を行ったりきたりし、3年後「自分のやりたいことは十分やれたじゃないか」と納得をして、Uターンを決意しました。
「やりはじめたらなんとかなるだろう」という、あまり計画立てて行動しないタイプなので、帰ってきてからの仕事のこととか生活のことに対する不安はなかったんですよ。「なによりもまずはおじいちゃんと一緒に居よう」、という思いだけで。それに、どんな仕事でも働こうと思えば人間なんでもできると思うんです。
私は不安や心配を感じていなかったのですが、周りは多少気を使ってくれたのか、上越に戻ってきてから、姉や友人が就職雑誌や市の広報などで情報を届けてくれました。あとは、ハローワークに行きましたね。そこで今の職場の求人を見つけ、問い合わせました。
ハローワーク上越
http://www.worknavi.niigata-roudoukyoku.go.jp/joetsu/
タイにいた時、感じたのが日本特有の四季の美しさです。タイは年中夏なので、四季の遷り変わりのよさを実感し、昔は「面倒だな?」と思っていた衣替えも懐かしく感じたものです。特に新潟は雪も多く寒暖の違いがある良さを感じています。また、学生の頃は、千葉や東京など出身の友達を上越の実家に遊びによく連れてきました。父親が小型船舶の免許を持っていたので友人を船に乗せイカ釣り体験とか、山菜とり、稲刈り体験など。「田舎かがあっていいな?」と友人たちにはうらやましがられました。私にとっては当たり前に過ごしてきたことが、すごい貴重なことだったんですね。あとは、やはり田舎の人の温かさがすきです。都会では隣に誰が住んでいるのか顔もみえませんが、自分の街ならばみんなが知り合いで、すぐに声をかけてくれたり、野菜をおすそわけしたり。そういう人と人とのコミュニケーションが自然に出来ることも素敵だなぁと思っています。
平成19年4月からNPO法人りとるらいふに就職しました。担当しているのは、毎週日曜日に行なうデイキャンプ、クラブ活動(水泳・アート)などの余暇を支援する企画や申込・問合せ、ボランティアコーディネートのチーフをしています。当法人は、近隣にある上越教育大学や県立看護大学の学生たちがボランティアとして関わってもらうことが多いのですが、実は私も学生時代に同じようにボランティア活動をしてきたので、今は逆の立場になり、運営者側の視線をもちつつもボランティアさんの気持ちに沿った活動を目指して、いろんなことを考えています。大学で経験したことが、今の仕事に役立っているなあと思っています。
友人やおじいちゃんをはじめとした家族と過ごすことがほとんどで、一人で居ることはあまりないですね。ただ、休みが平日なので友人と遊ぶといっても、夜にご飯を食べに行ったりする感じです。家族とは、買い物とか近所にある「花立温泉 ろばた館」に行くことが多いかな。
花立温泉 ろばた館
http://www.city.joetsu.niigata.jp/nadachi/robata.html
私も以前は、夢を追いたい、それがかっこいいと思っていました。地元にいると外の世界がよく見えるものですよね。だから、外に出ることはおおいに結構。でも、もしそこで実家と自分の世界との天秤で悩んでいるなら、勇気をもって動いてみてもいいと思います。外に出た状態で『田舎の良さ』とか考えてても、あくまで頭で考えるだけで本当の意味では感じられないんじゃないかな。私は今、実際に戻ってきて、考えていたよりもはるかに素敵な地元のよさを改めて実感していますから。
<連絡先>
特定非営利活動法人りとるらいふ
http://www.little-life.net/
943?0893 上越市大貫1518?1
Tel:025?522?5808
Fax:025?522?5868
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