2013.08.07 掲載
サイクルワークスFin’s 勤務
三輪隆文さん
25歳 長岡市在住
1988年生まれ。福岡県出身。中学生の頃からダウンヒル競技※に興味を持ち、高校卒業後は妙高市の専門学校で、マウンテンバイク(以下:MTB)のメンテナンスや競技運営について学ぶ。現在、長岡市にあるサイクルショップ『サイクルワークスFin’s』にてMTBの担当スタッフとして勤務しながら、プロライダーとしても活躍している。
※ダウンヒル競技:自転車競技の一つ。急斜面の山のコースを高速で下り、タイムを競い合う。
中学2年生の時、父親が読んでいたアウトドア雑誌をたまたま手に取り、そこに掲載されていたダウンヒル競技に興味を持ちました。そのことがきっかけでMTBに乗り始め、地元で開催された入門クラスのMTBレースイベントでトップのタイムを記録したことから、ますます面白さにはまっていきました。
ダウンヒル競技は、コース内であれば自由に走ることができます。セオリーはなく、その場その場で判断して走るので、石などの障害物があればかわしても、乗り上げても、飛んでもOKです。本来であればコンマ何秒という世界で戦う競技ですが、すごい選手だと4秒、5秒も差をつけることもあります。
瞬時の決断力と勇気、チャレンジ精神を要するダウンヒル競技は、自分の性格に合っていると感じます。それから、ケガに対する恐怖心が無かったことも、この競技に没頭できた大きな理由の一つでした。
高校卒業後は、妙高市にある専門学校のアウトドアスポーツ学科マウンテンバイクコースに進みました。国内で本格的にMTBを勉強できる唯一の学校だったので、迷うことなく進学を決め、3年間かけてメンテナンスや競技運営について学びました。
その後、就職先を決める際、仕事をしながらも、どうしてもプロライダーとして競技を続けたいと考えました。そこで、地元の福岡市や新潟県内のサイクルショップを訪ね、オーナーに自分の夢を伝えた上で、働かせてもらえないかお願いしていきました。気持ちが折れそうになりながらも一軒一軒ショップを回り続けた中で、ようやく出会えたのが、現在勤めている長岡市の『サイクルワークスFin’s』です。アポもとらずに閉店間際に訪れたのですが、オーナーに自分のこれからの夢、競技を続けたい気持ちを一生懸命説明したところ、理解してもらうことができました。
他のサイクルショップでは、メーカーから納品された自転車をそのまま売ることが多いのですが、『サイクルワークスFin’s』では、必ず一回パーツをばらして、一人一人のお客様に合わせて組み直して販売しています。
ショップの中では、私はMTB担当のスタッフを務め、平日は修理の作業、週末は接客、販売と忙しい時間を過ごしています。MTBといっても様々なタイプがあるので、お客様がどういう使い方をしたいのかをお聞きし、最適な商品をお勧めするのが自分の役目だと思って仕事をしています。そのため、今まであまりMTBに力を入れていなかったこのショップにも、少しずつ、MTB愛好家のお客様が増えてきていると実感しています。分からないことがあれば何でも聞いてほしいので、ショップではぜひ気軽に声をかけてもらいたいです。
年齢的にも、そんなに長くは競技が続けられないと思っているので、これからは少しずつ、後進の指導も進めたいと考えています。新潟はこれだけ多くの自然に恵まれており、MTBを楽しむ人たちにとっては良い場所が沢山あるので、もっと多くの人たちからMTBに興味を持ってもらいたいです。
ですが一方で、新潟にはきちんと整備されたフィールドがありません。これは、MTBを販売していてとても残念に思う部分でもあります。今後は、安心して楽しく走れる場所を調整することも自分の仕事だと考えており、それらの取組によって、子どもから大人まで多くのMTB愛好者が生まれていくのが夢です。
私が新潟に来たのは進学がきっかけでしたが、そのおかげで、多くの仲間や魅力的な自然に出会うことができました。無茶なお願いを聞いてもらいながら、仕事をさせていただけるショップのオーナーにも、とても感謝しています。
新潟が地元である皆さんは、もっと新潟を大切にしてほしいです。そうすれば、地元でやりたいことがきっと沢山見つかるので、ぜひ色々とチャレンジしてほしいと思っています。
このページをSNSで共有する