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ニイガタビト

佐渡の素晴らしさを子供たちに伝えたい

2013.04.10 掲載

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佐渡地区農山漁村体験推進協議会 事務局長

鈴木恵美さん

佐渡市在住

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 埼玉県出身。佐渡市内のケーブルテレビのアナウンサーとして採用され、来島。ケーブルテレビ退社後は、地域のイベントや結婚式の司会、世界遺産を目指す相川金銀山周辺の街並みガイドなどを行う。2年前より、佐渡地区農山漁村体験推進協議会にて、新潟県内外から訪れる子ども達の自然体験や民泊体験のサポート、グリーンツーリズムなどの事業に関わる。

はじめまして

 こんにちは。佐渡地区農山漁村体験推進協議会の事務局で働いております、鈴木恵美と申します。少しでも佐渡の魅力が伝わることを願い、文章を綴っていきたいと思っております。よろしくお願い致します。
私は日本一暑い町、埼玉県熊谷市の出身です。子どものころからスキーが好きで、新潟県の湯沢のスキー場に1シーズン4~5回は通っていましたが、湯沢から北には行ったことがありませんでした。親戚もおらず、全く頼る人もいない中で「え?!佐渡に行くの?!」自分の人生を左右する出来事が起こったのです。

気づいたら佐渡に

 私は子どもの頃から、放送に携わる仕事がしたいと思っていました。アナウンサーの志望者は、日本全国あらゆる放送局を受験するのですが、あまり積極的に就職活動をしなかった私が、佐渡のケーブルテレビ局の募集に目が留まり、試験を受けてみたらなんと合格!とんとん拍子に佐渡行きが決まり、バタバタと引っ越し。気づいたら佐渡にいました(笑)
ケーブルテレビでは、アナウンサーという肩書きではありましたが、記者・カメラマン・編集・放送とあらゆる仕事に携わることができました。「のんびりとやればいいや…」と思っていたら大間違い!毎日いろんな出来事が起こって、佐渡中を駆け巡り、忙しい日々を過ごしました。トキ・世界遺産・農業・漁業・観光・福祉…いろいろな話題がありましたし、本当に佐渡は日本の縮図だと思いました。地域の人達の話を聞き、おもしろいこと、めずらしいこと、困っていることなどの話題を取り上げ、放送を見た人からの反響も大きく、やりがいのある仕事でした。

なんて優しいんだろう!

 佐渡の各地をくまなく歩いてみると、地域でがんばっている人や優しいおじいちゃん、おばあちゃんに出会うことができました。中には「畑で採れたカボチャだから持っていけっちゃ!」といただきものをすることもありましたし、「あんたが来てくれてうれしい」と言ってもらえることもありました。手紙をくださる方もいて、なんて優しいんだろう!と感激しました。一方で「人口が少なくなってね、若い人たちがどんどん島外へ出て行ってしまうんだよ」「もう年も取ったもんだし、昔のようにはできんよ」と悲しい顔をする方も。なんとか歯止めがかけられないか、がんばっている人達を応援できないかという思いがありました。

“普通の”人達が主役になれる旅行があったら…! 

その後ケーブルテレビを退社し、2年前より、佐渡地区農山漁村体験推進協議会の事務局で働いています。業務内容は、佐渡を訪れる小中学生の自然体験や、グリーンツーリズム型の教育旅行のコーディネートです。体験活動では、農業・漁業体験の他に、一般の民家に宿泊して佐渡の暮らしを体験する「民泊体験」も行っており、集落や地域単位で子どもを受け入れ、その地域の暮らしぶりを体験してもらいます。特別なメニューづくりはせず、野菜を採って料理をしたり、食卓を囲んで夕食をとったり、昔の話を聞いたりしながら、子ども達はその家庭の子どもになったような気持ちで一晩を過ごします。そして、翌日のお別れで、感謝の言葉を述べた時に涙がポロリ…受け入れまでは準備が大変ですが、子どもたちの笑顔や地域の人達の顔を見ると、それまでの苦労はどこかに飛んで行ってしまいます。
受け入れ家庭の方からは、「私たちが今まで経験してきたいろんなことを子どもたちに伝えていきたい。当たり前のことも、子どもたちにとっては新鮮に感じているようだ」という感想がありました。佐渡の人々にとっては「普通の人がやっている、普通のこと」ですが、子どもたちにとってはかけがえのないものなのです。

新しい観光資源の掘り起こし

 地域では今、民泊体験の受け入れなどをきっかけに、新しい観光資源の掘り起こしをしています。子どもだけではなく、一般の観光客にも体験してもらいたいものがたくさんあります。佐渡の中ではありふれているものですが、島外から来た方にはきっとめずらしいと感じていただけると思います。
より多くの人が佐渡のホンモノに触れ、さらに地域の「普通の人達」がイキイキと活躍できるような場を作り、その魅力を旅行商品にできたらと思い、今年度は本腰をいれて取り組んでいく予定です。
経過がこの場で報告できたらいいなと思っています。1年間どうぞよろしくお願い致します。

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