2013.02.28 掲載
vol4
井上裕香さん
見附市在住
vol4
大阪市出身。阪神・淡路大震災でボランティアを経験。2004年、中越地震の時に神戸でのボランティア仲間が、小千谷市にボランティア団体を立ち上げ、その団体の活動に参加。現在は見附市に在住し、東日本大震災被災地の復興支援のためのボランティア団体「ボランティアネットにこにこ団」などの活動を行っている。
「新潟で暮らす」をテーマに、これまでコラムを書かせていただきましたが、私自身はどこで暮らしたとしても、「住めば都」とそれなりに楽しく生活できるような気がしています。自分がどのように生きたいのかがはっきりしてさえいれば、どこに住んでもやりたいこと、やるべきことは見つけられ、生活の中で喜びや充実感、人とのつながりを作っていけると感じています。
私は、看護師として勤めていた高齢者施設を昨年退職し、11~12月に1か月間メキシコを旅して、今年2月からは派遣で長岡市のある大学に勤めています。前職では仕事量を減らして、なるべく手作りの暮らしで支出を増やさず、自分のやりたいことをやる生活でした。一方で今回は、1年3カ月という期限付きですが、フルタイムで働く道を選びました。
2008年にも、仕事を辞めて3カ月近く、アフリカ・ヨーロッパ旅行に出かけたことがあります。私は看護師という資格もあり、地方でも転職はしやすいのですが、実際に暮らしてみて、新潟は働きながら好きなことにも取り組める土地であるという印象を受けました。生活するにも、お店などを開くにも、本気で探せば驚くほど安い物件を見つけることもできますし、仕事は生活費を稼ぐためのものと割り切って、後は自由時間をなるべく趣味に没頭したいと思えば、工場などそれなりの時給で働ける場所もあると感じています。
働く場の総数を比較すれば、大都会には及ばないでしょうが、働き方の選択肢の幅は、新潟は決して大都会には負けていないと思います。
私は、今回はこの1年3カ月でお金を貯めて、その後はまた長期で海外か国内を旅しようと思っています。このような働き方は都会の若者では珍しくないと思うのですが、新潟でもできるのです。
自分がどう生きたいかをはっきりさせて、力を集中させれば、人間、結構すごいことができると思っています。私がやっていることはすごいことでも何でもなくて、普通にできることばかりですが、やはり、人生の節目ともいうべき選択の時には、それなりの決断力が必要でした。新潟に移住することを決意した時もその一つだと思います。
「生まれ故郷である」「やりたい仕事がある」「パートナーが住む場所だった」など、様々な理由で新潟に暮らすことを選択する人がいらっしゃると思いますが、もし、新潟での生活に何か不都合があるとしても、「新潟」という場所が不都合の原因ではないかもしれません。不都合と向き合って原因を考えれば、だいたいは解決することができますし、解決すればそれが楽しみに変わることもあります。
新潟は寒い土地ではありますが、いろんな面で人をHOTにしてくれる場所でもあると感じています。
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