2012.12.27 掲載
vol3
原田義一さん
津南町
vol3
結婚を契機に津南町で農業を始めた原田義一さん。東京都練馬区から約3年前に移住。古民家に住み、家族3人、プラス犬という家族構成。炭素循環農法、自然農法、有機栽培を基本とした農園で、アスパラガス、ニンジン、豪雪ニンジン、大豆、小豆などの豆類、穀物、雑穀といった多品目を生産している。
3回目の収穫が終わり、冬が来ました。思っていたよりも早く雪が降り、ばたばたしていましたが冬支度も終わり、一段落です。これから豆の選別や、家を直す家仕事になります。のびのび農園では、秋の豆の収穫は、小豆から始まります。その後、茶豆、エンレイ、くらかけ豆、さといらず、赤大豆、大大豆、大黒豆という流れで収穫が続きます。その合間に雑穀やインゲン豆の収穫が入ってきます。
今年の秋は、動物に悩まされました。何者かに豆を食べられているという事態が起こったのです。株元で豆の殻が落ちていて、ほとんど食べられてしまいました。
原因はネズミだったのですが、発見当初はたぬきと勘違いして、思いきった行動をとりました。焰祭や青空キャンプに参加した流れで、そのまま山の畑にテントを張り、愛犬の「きっぽう」と共に野営することにしました。お手伝いに来てくれている仲間2人も一緒に約3週間、家と両立で山ごもりの経験をすることができました。朝目が覚めると目の前は畑で、電気はなく、たき火を軸に、簡易ビニールハウスとテントが我が家でした。
自給自足の生活を夢見て東京から移住し、3年目にしてたどり着いたすばらしい生活です。
朝起きるとまず、たき火に火をつけ湯を沸かす。お茶を1杯飲んだら仕事。朝の仕事は焚き付け用の杉の葉集めや小枝拾いなど生活に関係した細かい作業がメイン。
そして嫁さんや仲間と朝飯を作り、食べて畑。夜は音楽を楽しみ、語り、見張り、動物を追い払う。そして寝る。
すべての作業がそのフィールドで完結する、とても充実した時間です。
のびのび農園の豆の収穫は、ほとんどが手作業です。
刈り払い機で刈り倒した後、拾い集めその場で立てて乾かし、頃合いを見て足踏み脱穀機で脱穀します。そして一度唐箕にかけて、殻やゴミを飛ばした後、広げて干しながら棒で叩き殻から出します。豆通しという竹製のかごで殻と豆を分別し、唐箕にかける。その作業を何度か繰り返し、収穫完了となります。
その作業は広くスペースを使うため、また天日乾燥も日差しが弱くなっている頃なので、ちょっとの晴れ間でも干したい思いが。なので畑にベースキャンプがあることは、自分にとっても作業が順調に進む大きな利点でした。
そして何よりも大きく成長できたこと、それは薪の使い方と自然のすごさでした。
料理の時や湯を沸かす時と、夜の暖を取る時では薪の使い方は全然違います。風がある日と無い日では心境が全然違います。動物や物音にものすごく敏感になり、五感が研ぎ澄まされます。新月から満月までの月の明るさがはっきり分かります。あげればきりがない位の発見と成長がものすごく実感できました。
1歳半の娘、美登も、愛犬「きっぽう」も、そして嫁さんや仲間達も、キャンプ前と後ではたくましさが大きく変わりました。
もう病みつきになりそうです。
また来年も☆
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