2012.12.14 掲載
「みらいずworks」代表の小見まいこさんは、新潟市西区出身。県内の大学を卒業後、印刷会社に就職し、印刷関連業務のほかに企業研修に携わってきました。その後、子どもと社会をつなぐ仕事をすることを目的に、退社を決意。
今年3月、同じ思いを共有する女性とともに「みらいずworks」を立ち上げ、『学校支援事業』『地域づくり事業』『社会づくり事業』の3つを柱に、活動を展開しています。
「大学では社会教育を専攻していたので、就職後もその学びを活かして企業研修などの社会教育を担当していました。その仕事に携わっていく中でキャリア教育という考え方に出会い、また、日本の子ども達が世界的にみて、「今の学習が社会や将来につながっている」という認識や学習意欲が低い実態を知りました。そこで、子ども達が自ら考えて行動するためには、子ども達と社会をつなげる必要があると考え、新潟市内の中学校にキャリア教育を提案し、実際に授業の企画や運営に携わりました。もともと、子どもや教育に関わる活動をしたいと考えていたこともあり、この取組みが団体立ち上げのきっかけになりました。」
「当団体は、小学校から大学を対象に『学校支援事業』を実施し、キャリア教育を通して「何を大切にして生きていくのか」「どのように働いていくのか」を考える機会作りや、自分の意見を伝えながらも相手の意見を尊重し、新たなアイディアや合意を生み出すファシリテーション※授業を行っています。ただ、人づくりは学校だけでなく、地域や企業などが関わることも重要であるため、『地域づくり事業』や『社会づくり事業』も実施しています。
活動においては、子ども達の思いに寄り添っていきたいと考えているので、私たちの考えを一方的に押しつけないようにしています。また、子ども達への授業と同時に先生向けの研修も提案し、子ども一人ひとりの思いを引き出す考え方や方法を学ぶきっかけ作りを行っています。さらに、先生同士が本音を語り、助け合えるような対話の場を作るなど、先生のニーズに応じたプログラムも提案させていただいています。」
※ファシリテーション:グループ活動が円滑に行われるように支援すること。特に、組織が目標を達成するために、問題解決・合意形成・学習などを支援し促進すること。また、そのための方法。
「団体を立ち上げた当初は、「うまくいくの?」「本当にやっていけるの?」と周囲から心配されることもありましたが、実際に活動していると、前職でお世話になった方など、様々な方に支援していただいていることを実感します。また、学校の先生方からも温かく見守っていただいており、期待や信頼を寄せていただけることを嬉しく思っています。
活動の中では、『学校支援事業』を通して実際に子ども達が自分の役割を見つけて動き始める、自分のよさに気付いて積極的に表現するようになるなど、姿勢や表情が変わる瞬間を見ることができたときに、とてもやりがいを感じます。」
「新潟の魅力は、自分に合うライフスタイルを選択しやすいことだと思います。新潟は他県に比べ、まちづくりや市民活動が盛んであると言われており、仕事を離れた時間を楽しむ機会が多くあります。また、雄大な自然に恵まれているので、「平日は仕事、週末は農業」といった生活を楽しむことも可能です。プライベートが充実していれば仕事への活力も生まれるので、自分らしい生活が送れるというのは、とてもよいことであると感じています。
私は新潟生まれの新潟育ちなので、家族や学校だけでなく、地域に育ててもらったという感覚があります。今は、様々な地域においてつながりが希薄になっていると言われているので、当団体の取組みによって、地域の大人が子ども達と向き合う機会や仕組みも作りたいと考えています。そういった活動が、生まれ育った地元への恩返しになるとも思っています。」
「活動を通して、子ども達に新潟県内の企業やそこで働く人の魅力をさらに伝えたいです。何事もまずは「知ってもらう」ことが大切なので、子ども達が、「この人たちと働きたい」「この人たちのようになりたい」といった将来の目標を持つきっかけを提供したいと思っています。
また、同じ思いを分かち合い、一緒に団体の活動を盛り上げていける仲間を増やしていくことも目標です。来年はNPOの法人格を取得する予定なので、賛同してくださる方を増やし、ネットワークも広げていきたいです。」
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