2012.11.08 掲載
vol2
野本和香奈さん
長岡市
vol2
長岡市出身。県外の大学に進学し首都圏で就職。東日本大震災がきっかけでボランティアに目覚め退職。現在、長岡市でNPO法人の立ち上げ、運営相談など地域のNPO活動を支えている。
ながおか市民協働センターでは、市民活動団体の相談や個人のボランティアしたいというニーズにこたえるべく様々な業務を行っています。前回の連載でも書かせていただいた通り一言でいえば、「NPOを支える仕事」をしています。
…しかし、NPOを支える仕事と言われても、そもそもNPOの活動がいまいちイメージできないという方が多くいらっしゃるかと思います。なので今回はNPO(市民活動団体)の皆さんがどんな活動を、特にどんな想いでしているかを紹介したいと思います。
小さい頃自分たちが遊んだ山を自分たちの手で守りたい。―ぬか山の守り人・NPO法人関原ぬかやま里山会
この団体は、長岡市西部丘陵東地区「糠山(ぬかやま)(ぬかやま)」の景観を保全し、糠山での青少年健全育成、地域住民の親睦を図ることを目的とし活動している団体で、会員の多くは糠山周辺地区である関原地区住民の60-70代の方々で総勢90名ほどです。今年で設立11周年を迎えます。
普段は、糠山の遊歩道や糠山に自分たちで作った公園「ぬか山パーク」の整備をしていて週に3回程度、会員同士が声を掛け合って活動をしています。先日は11周年記念の植樹会が行われ、60名ほどの方々が参加していました。地元小学生から高齢者までが参加し、一緒になってオオヤマザクラやモミジなどを植えました。その後、ぬか山パークでの動植物観察会やトレッキングを行いました。私も会員の皆さんと一緒になり、モミジを植え、その後会員の熱い想いをお聞きしてきました。
「この糠山は自分たちが幼いころに遊び、春は山菜採り、秋はキノコ採り、冬は中学校のスキーをした場所なんだ。秋はこのへんではキノコがいっぱいとれたのにねぇ。…今はすっかりこの場所で遊べなくなってしまった。自分たちが子供のころ遊んだこの山を守って、次の世代に残してやらないといけない。」会員の一人はそう語ります。
この団体の趣旨に賛同する会員の多くは、自分が幼いころにこの糠山で遊び、育ってきた方々です。幼い頃、遊んだこの山の素晴らしい自然を守りたい、そして次世代に残したい…そういう熱い想いから自分たちの活動を始め、行政に頼ることなく、自分たち自身で仲間や資金を集め、活動しています。
「守りたいものがあるから」「大切にしたいものがあるから」「次世代に残したいから」こういう熱い想いがNPOの活動の原動力となっていると感じます。それはどのNPOの話を聞いても同じ。だからこそ、普段業務で様々なNPOに触れるたびにNPOの活動内容やその想いをもっと多くの方に知ってもらいたいと思います。NPOという言葉が社会にも浸透してきたと言われていますが、新潟県内でその活躍の場が十分にあり、社会的に認められているかと言えばまだそうではないと思います。私自身もNPOで働いていると友達に話すとびっくりされます。だけど、地域で頑張る人々やその活動を支えるというこの仕事の話をするとみんなその想いに共感してくれます。だからこそ、NPOみなさんの活動を支え、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。
第1回新潟県NPO・市民活動博覧会「みんぱく」が11月17日(土)新潟市西区の新潟ふるさと村、屋外イベント広場で行います。新潟県内
のNPOと市民活動団体の日々の活動を広く知って頂く事を目的としたイベントです。
飲食、販売、体験など楽しみながらNPOの事が分かります。イベントは10時から16時、入場は無料。どなたでも参加いただけますので、ぜひ会場へお越ください。
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