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若者の地方暮らし感
- 首都圏在住者座談会②「移住を考えるとき」 -

2009.06.29 掲載

後編

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前回に引き続き、新潟と交流経験のある首都圏在住の若者5人から集まっていただき、地方との交流を始めたきっかけ、地方での仕事感、暮らし感を聞きました。(インタビュー:2009年2月23日)

前回の「地方へ踏み出すきっかけ」に続き、今回は「移住を考えるとき」と題して、これからの暮らしを考えるヒントをお伝えします。

(インタビュー参加者)

Aさん(女性):鹿児島県生まれ、群馬県育ち 25歳 会社員(都市計画コンサルタント) 
Bさん(男性):静岡県出身 21歳 大学(人文学部)3年生
Cさん(男性):熊本県出身 27歳 会社員(営業)
Dさん(男性):茨城県出身 27歳 会社員(測量)
Eさん(女性):千葉県出身 27歳 NPO法人職員
※年齢等はインタビュー当時のもの
※写真はイメージです

移住を考えるとき

「グローバルな仕事をしたい人も地方には興味がある」
「ライフステージが変わったときが移住への一歩を踏み出すきっかけ」
  
C:どういう人がもう一歩踏み出して移住するのかな?
A:学生時代、農山村に興味のある学生を地方へ派遣していたんですが、そのNPOは、11年で117地域から受け入れてもらい、700人の学生を送り出しましたが、実際に地方で就職した人は1人だけで、ほとんど首都圏の大企業に就職しました。グローバルな仕事をしたいという人も地方には興味があるんです。でも、移住するというのはその先の話だと思います。私は、ガツガツ仕事をするという志向ではなので、ライフステージが変わった時が一歩踏み出すきっかけになると思います。女性の場合、結婚、子育てとか、仕事に一定の見きわめをつけた時点とか。女性の友だちはそう考える人が多いですね。学生時代のインターンのコミュニティができていて、自分で農家へ行って米作りやどぶろくづくりをしたり、友だちに誘われて料理の上手なおばあちゃんの家に行ったりしながら楽しんでいます。そういう地ならしがまず一歩ですね。
D:継続的に農村へ行くようになったきっかけは何なんでしょう?
A:やっぱり、おじいちゃん、おばあちゃんに会いに行きたいということかな。1、2週間お世話になるわけで、その恩返しがしたいんですよ。
D:1泊2日では難しいのかな。社会人の場合、1週間、2週間は厳しい。じゃあ、1泊2日でどう効果的にプログラムするかということになりますが、用意しすぎてもいけないと思うんですよ。自分たちで何ができるか考えるようにしたいですね。視察体験型のツアーだと東京から来る人たちが受け身になってしまうので意味がない、参加提案型というか地域とのコミュニケーション型のツアーがこれから必要になると思います。東京から来る人の居場所をつくることも大切だと思います。例えば、空き家を1軒1年間貸しますみたいなところがあれば、そこを拠点に第2のふるさとをつくることができると思います。
A:そういう情報ってないんですよね。ホームページも毎日更新されるブログのようなものがあればいいですね。
D:農家で働く人募集なんて情報はどこにも出てこないので、活動している人がつながる仕組み必要だと思います。NPOの情報などもタイトルだけではおもしろさが伝わらないことが多くて、クリエイティブな人が関わるといいかもしれませんね。

ライフステージの変わり目

「社会人3年目がライフステージの変わり目」
「やりたいことが見えてくる25歳から30歳がジョブチェンジのチャンス」
  
司会:ライフステージの変わり目についてもう少しお話いただけますか?
E:社会人3年目がライフステージの変わり目だと思います。自分でやりたいことが見えてくると将来のことを考えるようになります。
D:やりたいことが見えてくる25歳から30歳ですね。それを過ぎると転職が厳しくなります。会社も積極的にジョブチェンジを奨励しているし、3年で転職するのはごく普通になっていると思いますよ。
E:でも働き方が見えないんですよね。
D:インターネットの功罪ですよね。情報がありすぎて判断基準がぶれてしまいますよね。
司会:子育て、子どもの教育という側面からみて、地方の暮らしはどうでしょう?
B:情報網が発達しているので勉強はどこでもできると思いますが、友だち同士の人間関係も必要だと思うので、ある程度人数がいないと困りますよね。
A:一長一短だと思います。自然の中で育てたいと思う反面、情報の中でもまれることも必要かなとも思います。私は子どもの意見を尊重して、高校へ入る段階で都会に残りたければ、寮ある学校に入れて、私たちは田舎へ行ってもいいかなとも思ってます。
E:私は2年後には田舎へ移ろうと思ってましたが、そういう考え方もありますね。山村留学させるのも一つだと思います。NPOが仲介してくれて、複式学級が解消されたり仕事が生まれたりして、こういう働き方もあるんだと感激した覚えがあります。私自身が山村留学したかったですね。
D:地方といっても都市部と農村部がありますが、僕は地方都市を選ぶような気がします。そこをベースに農村にも行くというスタイルがいいかな。
C:僕は、10年後には戻ろうと思っていて、町長を目指すための足場固めをしたいと思います。
司会:色の安全、安心という面で、地方の暮らしをどう思いますか?
B:僕はあまり気にしません。
C:食の安全というより、食べるプロセスを重視しています。例えば、農場で採れ立ての野菜をみんなで食べる、そんな場を持てるようにしたいです。
D:関心持たないとマズイなぁとは思っていて、自分で作りたいとも思います。自分で行動して安全・安心と言えると思うんですよ。実体験がなく表面的にエコとか安心とか言っているのはかっこ悪い。
E:野菜は、種をとって次々と植えていっても最初のものよりおいしくならないよう遺伝子操作されているとか、味覚だって操作されているって聞きますよね。本物がおいしいと感じなくなっているのは困りますよね。

情報との距離感

「環境が先にあるのではなく、暮らしが先にある」
「旅だって、生き方だって、自分で取捨選択、自分たちで創り出す」
  
C:都市の生活よりも地方の生活かなと思った瞬間が一歩踏み出したときだと思うんだけど、都市のライフスタイルを捨てられるなぁ。
D:都市の生活は便利で楽しいんだけど、環境を意識した生活を志向しながら都市の生活を続けているのは矛盾を感じます。その矛盾に耐えられなくなったら地方に行くんでしょうね。それがいつになるかわかりませんが、準備しておきたいと思っています。教育環境が不足しているのであれば自分でつくるくらいの感覚でいたいと思ってます。
司会:環境を志向するというかたちとして、ストイックに追求するケースもあるかと思いますが、みなさんはどう考えていますか?
B:環境に興味をもったのは、メディアの影響かな。フリーペーパーの編集をしているメンバーはみんな環境に対してソフトにアプローチしています。身近なところから活動し発信していこうという感じで、僕も最初は環境のために何か行動できるかなとも思いましたが、今はどう制度設計するのがいいかなど、学問としてのおもしろさを感じています。
D:環境に関しての情報って、何がいいのか、どうすべきなのか整理しきれていないですよね。今一人で突き進むと玉砕してしまうのは目に見えています。決裁権は年配の人が握っているし、若い人がまとまるベースができていないと思います。
E:環境がキーワードのように言われていますが、環境が先にあるようで、違和感があるんですよ。暮らしがちゃんとしてないのに環境を言うのは変ですよね。
C:僕たちの間では「創り出しているね」がキーワードです。今、にわとりを飼って、堆肥をつくって野菜を育て、楽器をもちよって音楽を楽しんでいるんですが、つくられたものを消費し、操作された情報に乗せられるのではなく、自分で取捨選択する意識をもっていたいんです。
A:そうですね、旅行でも普通のツアーに参加するのではなく、ツテをたどって自分で企画して旅をする。生き方だって、自分でどうしていくか、見て発見して取捨選択していきたいと思います。
D:世の中にあふれている情報とのそういう距離感、新しいよね。
司会:つかず離れずの距離感、みなさん実体験があるからもてる感覚ですね。今日は、ありがとうございました。

(終わりに)

 地方と首都圏の両方のフィールドでの経験をもつ5人のインタビューはいかがでしたでしょうか。

 環境、農業、社会貢献などへの関心が高まっています。ライフステージの変わり目が一つのチェンジするチャンスでもあるようです。旅行でも、環境との向き合い方でも、暮らし方でも、自分がどうしたいのか、毎日あふれ出す情報と適度な距離感を保ちながら、最終的な「答え」は自分自身で創り出すことを5人が教えてくれたような気がします。

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