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ニイガタビト

柏崎でチームをつくる

2015.03.25 掲載

vol4

ブルボンウォーターポロクラブ柏崎

青栁 勧さん

33歳 柏崎市在住

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Key word

 京都府出身、小学校3年生から水球を始め、高校3年生の時に、史上最年少で水球男子日本代表に選出。その後筑波大学へ進み、大学1年を終えると同時にスペインへ渡ってプロ1部リーグでプレー。2004年、イタリアのプロチームと契約。2007-08シーズンより、モンテネグロでプレー。2009年10月から新潟産業大学で教員を勤めている。

夢のため

 チームの立ち上げ当初は大変でした。大学を卒業してからも高いモチベーションをもって水球を続けている選手を全国動き回り探し、選手に会っては声をかけ、チームの構想を説明しながら勧誘をし続けました。そして、それと同時に市内の数々の企業に訪問し、資金的な協力の依頼をし続けました。なかなか良い返事を誰からも得ることができず、焦りがみえてきた中、選手や企業の警戒心を無くしてくれたのは、現在キャプテンをしている永田選手でした。彼は私の大学の同級生でもあり、当時は彼の地元福岡で仕事をしながら水球を続けていました。何度も説得をし、数ヶ月悩み抜いた末に「お前がそこまで言うならば俺も一緒にやろう」と決断してくれたのでした。30歳を前にして仕事を辞めて、このプロジェクトに人生をかけるということは容易なことではありません。全ての引越し道具を車に積めて、2010年4月に福岡から柏崎へやって来たのでした。

スポンサーが決まる

夢を好きなだけ語り、彼を説得して柏崎へ連れて来たものの、チームメイトはまだ私一人、雇用先もスポンサーもない状態で、「さて、これからどうしようか」と、眠れない日々が続きました。仕事を辞めてお金もないため、私の自宅で彼との共同生活が始まり、とりあえず、何かアルバイトをして食い繫がないといけないと、まちの車のスクラップ工場で働くことになり、泥だらけで帰ってくる彼を見るのが辛くてたまりませんでした。そして、2ヶ月が経った頃、株式会社ブルボンさんから、この試みに対して協賛をして下さるという連絡が入り、「これで何とかなる」と永田選手と泣いて喜びました。それからことは急速に加速していき、それらを見た全国の選手が、一人、また一人と手を挙げ始め、ブルボンKZを結成することができたのです。

オリンピックに向けて

 チームを立ち上げてから5年が経ち、その間にはさまざまなことが起こりました。2012年には初となる全国優勝を果たし、翌年には日本選手権を始めて柏崎へ誘致することに成功もしました。また、予想もしなかった2020年オリンピックが東京に決まったことも、私たちには大きな追い風となりました。東京開催の決定は、国体種目に女子水球競技の採用や全国U17水球競技大会柏崎開催を促すことになりました。今となっては、私の幼い頃からの夢である「オリンピック出場」は、まち全体の悲願となり、私たちの水球チームはまちの活性化を促す担い手の重要な一つとなったのです。

オリンピックの先にあるもの

 東京オリンピックへは水球競技は無条件で出場できるため、これからの試みは、その後の2024年、2028年のオリンピックへも毎度出場できるだけのシステムを2020年までに確立することだと考えています。そこで、これらの変化に対応していくために、それぞれカテゴリーによって、学校やスイミングクラブなど所属団体が違った市内の水球クラブを、1月より連盟傘下の「ブルボンウォーターポロクラブ柏崎」と統一化することになりました。日本で初めての大型水球クラフの誕生は、水球を通してのまちづくりや地元選手の育成に大きな効果を生み出すものと期待され、理想的な一貫教育を行なうことができるなど、さらに大きな規模でチーム運営をしていくことができると考えています。
 これらの試みは水球だけではなく、他のマイナースポーツでも同じようなことが行なえます。更なる競技発展を願うが協力者が少ないマイナースポーツと、衰退する地方が手を組むことで、独自の個性あるまちづくりを促進させることができる可能性を秘めているのです。その結果、我々の試みが数多くのマイナースポーツ選手を手助けることになり、多くの地域の人の元気の源になることを願っております。

ブルボンウォーターポロクラブ柏崎へのリンク

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