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ニイガタビト

やっぱり魚沼が一番と思われる活動を

2014.06.11 掲載

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魚沼市地域おこし協力隊

大野久美子さん

32歳 魚沼市在住

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Key word

 埼玉県飯能市出身。就職を機に約10年間東京に住み、30歳を過ぎた頃、ふと都会の生活に疑問を抱き、昨年、新潟県が募集していたインターンシップ事業で、魚沼市の「茅葺き屋根の修復×古民家再生」に応募。現在は、魚沼市の地域おこし協力隊として横根地区を担当。

私が思っていた新潟のイメージ

 皆さんは「新潟県」と聞いて何を思い浮かべますか?私は「お米が美味しい」「水が美味しい」「よってお酒も美味しい」です。特に新潟県に縁のある生活を送ってきた訳ではありませんが、「新潟県」と聞くと、このように良い印象がありました。その新潟県に縁が出来たのは、平成25年度に県が主催した※『にいがたで「暮らす・働く」応援プロジェクト事業』への参加でした。
埼玉県飯能市の山と緑に囲まれた、のどかな場所で育った私は、就職を機に地元を離れ、東京に住み始めました。東京には地元に無かったものがたくさんあり、見たこともないもので溢れていて、生活はとても楽しいものでした。20代は忙しく働きながら過ごし、充実した日々を送っていましたが、転機は30代に入った頃でした。

※『にいがたで「暮らす・働く」応援プロジェクト事業』・・・・・・県外の若者などに、実際に本県の暮らしや仕事を一定期間滞在して体験してもらうインターンシップを通じて、本県への移住・定住のきっかけとしてもらう県事業。平成24年度から開始。

都会での生活に慣れたときに

 東京の夜道を歩いていた時に、ふと「なんで夜なのに自分の影が見えるのだろう?」今まで何度も見ている光景が突然不可思議なものになったのです。「実家に帰ろうかな」と思った瞬間でした。私の実家は、築数百年の茅葺き屋根で、実家に戻るということは、その家を継ぐということでもありました。
忙しく働いていた仕事に区切りをつけ、次にする仕事は、自然に触れるものが良いと、農業系の転職サイトをチェックしていた時に『にいがたで「暮らす・働く」応援プロジェクト事業』を見つけました。両親は維持管理の大変な茅葺き屋根の住宅を、自分たちの代で終わらせるという話を聞き、「それは少し待って欲しい」と伝えました。職人の少ない、維持の大変なものであるのであれば、自分で体験をすることで何かしらの道が開けるのではないかと思い、新潟県が募集していたインターンシップ事業のなかの、魚沼市の「茅葺き屋根の修復×古民家再生」に応募したのです。

魚沼市ってどこ?

 ほどなくしてインターンへの参加が決まり、意気揚々としていたのもつかの間。「魚沼市ってどこ?」。魚沼と言えば、コシヒカリしかわからず、新潟県のどこにあるかもわからなかったものの、持ち前の好奇心と前向きさで「行けば何とかなるだろう」と東京から鈍行電車に揺られ、9月5日に初めて魚沼市入広瀬地区に降り立ちました。小出駅から入広瀬駅までの間に乗車した只見線の車窓から見た景色は、黄金の稲穂があちこちに揺れる、まさに日本の原風景そのものでした。
こんな風景が日本に残っていたのかと思った衝撃は今も忘れることが出来ません。

 インターン生活では、古民家で暮らしながら、茅葺きの修復と週一日の農作業体験を行いました。茅葺き修復の対象は、守門地区にある国の重要文化財『目黒邸』で、3ヵ年かけて修復をするというものでした。茅葺きの修復と農作業を通して思ったこと、気づいたことは、昔ながらの技術を継承することの難しさ、職人さん達の誇り、自然を相手にすることの大変さと楽しさ、仕事があってありがたいと思う心など、仕事があって、できて当たり前だと思っていた自分が恥ずかしくなることばかりでした。
 魚沼に来て、地元の方や市の職員の方など多くの方々にインターン生活を支えていただきました。やはり一人では何もすることが出来ないということと、人があっての自分なのだなと、人との繋がりの大切さを知ることが出来たのは、魚沼に来て得たものの中でも一番の収穫です。

新しい世界に飛び込んで

 今年は目黒邸の修復も、3ヵ年計画の集大成の年です。目黒邸正面の千鳥破風と呼ばれる、屋根の一番メインの部分の修復になるので、どのように修復されていくのか、私も楽しみにしています。今年も魚沼市は茅葺き修復のインターン生を募集する予定とのことなので、茅葺き屋根修復に興味がある方はもちろん、自分の生き方を見直してみたい方にも思い切って違う世界に飛び込んでみる勇気を持つことをお勧めします。
時は金なりと言いますが、まさにその通りです。魚沼で暮らす時間は、東京で過ごしていた時間とはまるで進み方が違うのです。外が明るくなったら活動をし始め、暗くなったら家で寝るという、以前は当たり前であったことが、現代社会の忙しさの中で無くなったと思っていましたが、魚沼にはまだあります。
美味しい水を飲み、美味しい米を食べ、美味しいお酒を友と酌み交わす。夢のような生活を手に入れた私は、たくさんのものを与えてくれた魚沼に恩返しするため、今年の4月より魚沼市の地域おこし協力隊として採用していただくことができました。この地域に暮らす方々が、「やっぱり魚沼が一番」と思ってくださるような活動をしていきたいと思っています。
 

地域おこし協力隊のFBページへのリンク

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