株式会社たかの
小杉 実和子さん
小千谷市
新潟市秋葉区出身。高校卒業後、「歴史を学びたい」という思いから京都の大学へ進学し、西洋史を専攻。卒業後はUターン就職を選択し、株式会社たかのへ入社。
現在は品質保証部で開発業務と営業を兼務し、お客様の声を商品づくりへ活かす仕事に携わっている。休日は演劇活動にも取り組み、仕事と趣味の両立を楽しんでいる。
【Q.県外へ進学した理由を教えてください】
高校卒業後は、一人暮らしへの憧れもあり、「県外で暮らしてみたい」、「自立した生活を送ってみたい」と考え、県外への進学を決めました。
もともと歴史が好きで、高校では世界史に力を入れて勉強していました。大学でも歴史を専門的に学びたいと考え、「歴史を学ぶなら京都」という憧れから、京都の大学へ進学しました。
大学では考古学研究会と演劇部の二つのサークルに所属していました。演劇は、高校時代から続けている大切な趣味です。大学でも役者として活動し、今も新潟で演劇を続けています。
学生時代で特に印象に残っているのは、考古学研究会での経験です。私が入学した頃はコロナ禍の影響で活動が思うようにできず、それまで続いてきた行事も途絶えてしまいました。2年生で運営を担う立場になった際には、同期と協力しながら年間行事を一から組み立て直しました。この経験を通して、人と協力して何かをつくり上げる難しさと面白さを学びました。
【Q.新潟にUターンしようと思った理由を教えてください】
大学へ進学した頃から、「卒業したら新潟へ戻るんだろうな」という思いは漠然と持っていましたが、京都での学生生活はとても充実していて、「このまま関西で働くのもいいかもしれない」と思い始めました。就職活動が始まった大学3年生の頃には、新潟と関西の両方でインターンシップに参加し、それぞれの地域で働く可能性を考えていました。
そのような中で気づいたのが、「私は新潟の人が好きなんだな」ということでした。関西の明るく積極的な雰囲気も魅力的でしたが、新潟の人の穏やかさや優しさ、程よい距離感が自分には合っていると感じ、「やっぱり新潟で働きたい」という思いが少しずつ強くなっていきました。
また、当初は博物館の学芸員を目指していましたが、大学で学ぶ中で、学芸員という仕事が非常に狭き門であることを知り、「本当に自分はそこまで強い熱意を持ち続けられるだろうか」と、自分自身を見つめ直すようになりました。その結果、民間企業への就職を考えるようになりました。
就職先の検討過程で、自分の「好き」についても見つめ直しました。歴史も好きでしたが、それと同じくらい食べることも好きだと気づき、食品業界を中心に企業研究やインターンシップへ参加するようになりました。
【Q.Uターン就活はどのように進めましたか?】
就職活動では、民間の就活サイトを活用しながら企業研究を進め、インターンシップへの参加を通して応募先を絞っていきました。インターンシップは5社参加し、そのうち4社が新潟県内、1社が関西の企業です。食品メーカーだけでなく、新聞社など異業種のインターンシップにも参加し、幅広く自分に合う仕事を探しました。
Uターン就活で最も大変だったのは移動です。交通費を抑えるために京都と新潟の往復は夜行バスを利用していました。片道7~8時間かかることもあり、体力的な負担は大きかったです。
また、就職活動中はモチベーションを保つことにも苦労しました。自己分析で自分の弱みと向き合ったり、面接で厳しい言葉を掛けられたりして落ち込むこともありましたが、同じように就職活動をしている友人たちと悩みを共有することで、「悩んでいるのは自分だけじゃない」と前向きな気持ちを取り戻すことができました。
振り返ってみると、新潟県が行っているUターン就職支援制度や相談会なども、もっと積極的に活用すれば良かったと感じています。早い段階から情報収集をしておくことで、就職活動をよりスムーズに進められたのではないかと思います。
【Q.企業選びのポイントはどこに置いていましたか?】
就職活動では新潟だけでなく関西の企業も見ていましたが、自分が働く姿をイメージしながら比較していました。
その上で重視していたのは、福利厚生や働く環境です。特に給与や住宅手当は、一人暮らしも視野に入れて就職活動をしていたため、重要なポイントでした。また、将来のライフプランを考え、育児休業の取得実績や制度が整っているかどうかも確認していました。
インターンシップへ参加した際には、仕事内容だけでなく、社員の皆さんの雰囲気や会社への思いも大切に見ていました。
現在勤めている会社のインターンシップでは、社員との懇談会が印象に残っています。先輩社員の皆さんが、「なぜこの会社を選んだのか」、「どんな思いで仕事をしているのか」を率直に話してくださり、その言葉が当時言語化できずにいた自分の思いと重なりました。「私がやりたかったのは、こういう仕事なんだ」と気付くことができ、この会社を志望する大きなきっかけになりました。
そして何より印象的だったのは、社員の皆さんが自社の商品に強い自信と誇りを持っていたことです。その姿を見て、「私も自信を持っておすすめできる商品に携わりたい」と思い、入社を決めました。
【Q.現在の仕事内容について教えてください】
現在は品質保証部に所属し、商品開発と営業の両方を担当しています。
入社後はすぐに部署へ配属されるのではなく、まず研修を受けました。さまざまな製造ラインを経験し、商品の製造工程を一から学んだ後、品質保証部へ配属となりました。現在も日々業務を通して、知識や技術を身に付けています。
開発業務では、お客様から依頼を受けた商品の試作を担当しています。新商品の開発では、まず試作品を作成し、実際の製造ラインで商品化できるかを検証します。その過程でレシピをもとに改良を重ねながら、「材料の配合を少し変えてみよう」、「食感や色味をもっと良くできないか」といった改善案も提案しています。試作した内容や結果は記録し、より良い商品づくりにつなげています。
一方で、営業業務では小売店や問屋への訪問のほか、展示会や百貨店での催事販売も担当しています。お客様の声を直接聞き、その意見を開発へ持ち帰って活かせることは、この仕事ならではの魅力だと思っています。
会社としても、1人が営業と開発の両方を担当するのは、お客様の声をよりダイレクトに商品へ反映させることを目的とした新しい取り組みでもあります。現場の声と商品づくりをつなぐ役割として、やりがいを感じながら仕事に取り組んでいます。
【Q.実際に働いて感じていることを教えてください】
実際に働いてみて強く感じているのは、社員一人ひとりが自社の商品に誇りを持っている会社だということです。会社全体で「本当においしいものをお客様へ届けたい」という思いが共有されていて、商品づくりに一切妥協しない姿勢があります。試作品も何度も改良を重ね、社長自ら試食や確認を行うこともあり、おいしさを追求する姿勢を日々実感しています。
また、社長との距離が近く、新入社員でも直接話をしたり相談したりできる環境があることにも驚きました。役職や年齢に関係なく意見を聞いてもらえる雰囲気があり、とても働きやすい会社だと感じています。
福利厚生も充実していて、住宅手当や社宅制度、男性社員の育児休業取得実績など、長く働き続けられる環境が整っています。食堂では自社製品のパックご飯を自由に食べることができたり、グループ会社のスーパーで社員向けの特典を利用できたりするなど、日常生活でも会社の温かさを感じています。
仕事のやりがいは、お客様の声を直接聞き、それを商品づくりに活かせることです。展示会や試食販売では、その場でお客様の感想を聞くことができますし、小売店や問屋とのやり取りを通して市場のニーズを知ることもできます。その声を開発業務へ反映できることが、今の仕事ならではの面白さだと感じています。
現在は二つの業務を担当することで、お客様と直接関わる楽しさと、商品を形にしていく面白さの両方を実感しています。
【Q.新潟の魅力について教えてください】
新潟の魅力として一番に思い浮かぶのは、やはり「食のおいしさ」です。
新潟に住んでいた頃は当たり前に感じていましたが、一度県外で生活して戻ってきたことで、その良さを改めて実感しました。お米はもちろん、水もおいしく、スーパーで購入するお惣菜一つとってもレベルが高いと感じます。京都でもおばんざいなど伝統的な食文化は印象的でしたが、毎日の食事という意味では、新潟の食の豊かさは本当に恵まれていると思います。
また、物価の面でも暮らしやすさを感じています。観光地である京都ではインバウンドの影響もあり、外食の価格が高く感じることもありましたが、新潟ではおいしいものを手頃な価格で楽しめることも魅力です。
就職を機に小千谷で暮らし始めた当初は、「不便なのかな」というイメージを持っていました。でも住んでみると、スーパーやホームセンターなど生活に必要なお店は揃っていますし、車で少し走れば長岡にも行けるので、生活の中で不便さを感じることはほとんどありませんでした。
県外へ出たからこそ、新潟には食も暮らしも人も、本当に恵まれた環境があることに気づきました。今では、そうした新潟らしい魅力を日々実感しながら生活しています。
【Q.Uターンを検討している人へメッセージをお願いします】
私自身、就職活動を始めた頃は、新潟へ戻るか、それとも関西に残るかで迷っていました。だからこそ、「まずは自分の目で見てみること」が一番大切だと思います。
私は新潟と関西の両方でインターンシップに参加したことで、それぞれの地域や会社の雰囲気を知ることができました。社員の方と直接話してみたからこそ、「自分はこんな会社で働きたい」「やっぱり新潟で働きたい」という気持ちがはっきりしたと思います。
また、Uターン就職では自治体などの支援制度もあります。私自身は十分に活用できなかったので、もっと早い段階から情報収集をしておけば良かったと感じています。
Uターン就職は、移動や情報収集など大変なこともありますが、もし少しでも新潟で働くことに興味があるなら、まずはインターンシップや企業説明会に参加して、自分の目で会社を見て、社員の方と話してみてください。実際に足を運ぶことで、自分に合う働き方や暮らし方がきっと見えてくると思います。
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