株式会社SUS
Iターン
2024年2月
生まれも育ちも神奈川県横浜市、大手総合電機メーカーでセールスエンジニアの仕事をしていた東稔大(とう としひろ)さん(32歳)。人と話すことは好きですが、「交渉事ではない仕事のほうが自分には向いているかもしれない」と感じ、30歳の頃に転職を考えるようになりました。
「当時、ふと思い出したのは大学時代に経験した工場アルバイトです。コンテナに商品を入れる仕事で、単純作業ですが、精度を上げる工夫ができるところが楽しかった。僕の性格に合っていると感じました」
一つの作業をコツコツ行うのが好き――そんな自らの性格を理解したとき「僕がなりたいのは職人だ」と直感したといいます。そして、何の職人になろうかと模索する日々を送っていたある日、ふと思いついたのが、学生時代に購入し愛用し続けていたチタン製真空二重タンブラーでした。淹れてから1時間経っても温かいままのコーヒーを飲めることに感動した経験を思い出し、「このタンブラーを作る職人になりたい」と体の底から突き上げるような情熱がこみ上げてきたといいます。
タンブラーの製造元が、“ものづくりのまち”新潟県燕市にある株式会社SUSであることを調べ、会社のホームページを見てみると、ちょうど職人を募集していました。「よし、この会社に入るぞ!」進むべき方向性を定めた東さんに迷いはありません。すぐに「燕市に行ってみよう」と思い、市役所の職員とやり取りを始めました。
「急なお願い※でしたが、職員さんが柔軟に対応してくれて『移住体験ツアー』として車でまちを案内してくれました。燕市に来たのは初めて。率直に良いまちだなと思いましたね。のどかな雰囲気がありながら生活インフラはしっかり整っています。住むのに申し分ないと感じました」
※原則、燕市の移住体験ツアーは、実施日の14日前までに申込が必要となります。
燕市に住むイメージが鮮明になった東さん。続いて、求人に応募しようとホームページを確認したのですが、なんと、つい先日まであった職人募集のページがなくなってしまっていたのです。愕然としましたが、ここであきらめるわけにはいきません。
そこで相談したのが、オーダーメイドで求人を開拓してくれる、U・Iターン支援の窓口「にいがた暮らし・しごと支援センター」でした。事情を話したところ、相談員も東さんの熱意をしっかり受け止め、「いい人材がいる。選考を受けさせてほしい」と社長に直談判。「絶対にこの会社で働きたい」という東さんの情熱を伝え、選考を受けられることになりました。「相談員さんが親身に向き合ってくれたおかげです。応募書類の添削や面接対策など、何もかもお世話になりました」と、東さんは感謝でいっぱいだと振り返ります。
現在、東さんは入社して2年目。研磨の工程を担当しています。羽布(バフ)と呼ばれる専用道具で一つひとつ丁寧にタンブラーを磨く作業は奥深く、毎日が充実しているそうです。「先輩には研磨歴60年以上のベテランの職人もいます。僕も先輩の技術を見て、とことん極めていきたいですね」と未来の姿を描いています。
当センターでは、すぐに紹介できる求人案件をご用意しているだけでなく、相談者の希望に沿った求人をオーダーメイドで開拓することもできます。新潟在住の相談員が、地域密着で活動しています。ぜひご相談ください。