2011.02.28 掲載
公務員
羽田 達矢さん
23歳 新潟市江南区
五泉市出身。高校卒業後に神奈川県内の大学で国際学を専攻。NGOでのボランティアやインターンに積極的に参加、東南アジアを中心に住居建築の手伝いや、事務局での事業コーディネートを経験。大学を卒業後、新潟にUターン。地域の安全を守る消防隊員としての日々を過ごす傍ら、新潟県内のNPOの理事に就任、新潟らしい国際交流を模索している。
学生時代に、NGOでのボランティアやインターンをやっていて、卒業後もずっと関わり続けたいと考えていました。だから、神奈川に残るか新潟に帰るか本気で悩みました。結局、家族に何かあったときのために近くにいたいと考えて、新潟に戻る決意をしました。大学での一人暮らしを通して、家族のありがたさに気付いたことが大きいですね。
江南区には、本署他に2か所の出張所があるのですが、私は本所に勤務しています。働く以前は毎日訓練するんだろうと思っていましたが、私の配属されている消防隊は毎日というほどではありません。消防隊員は、火災の報せを受ければ現場に素早く駆けつけるのはもとより、行政文書作成等のデスクワークも多くあります。また、最近は火災警報器の設置義務付けに伴った防火広報も行っています。
勤務は、24時間働いて非番、その翌日が休みというシフト体制です。しかし、災害が発生した場合などは非番でも対応しなくてはなりません。厳しい仕事ではありますが、地域の役に立っていることを実感できるやりがいのある仕事だと思っています。
大学で国際学科に所属していたこともあり、海外に行ってみたいという気軽な気持ちからNGOの活動に参加するようになりました。初めから国際貢献に対しての気持ちが強かったわけではなかったですね。私が参加していたNGOの学生支部で、東南アジアを中心に住居建築のお手伝いをしました。バングラデシュ、フィリピン、タイ、インドなど、いろんな地域でボランティアをさせていただきました。また、別の団体へインターンシップに行って、事務局の一員として働かせていただいたこともありました。
海外の活動現場で働くことは、もちろんNGO活動の魅力のひとつだと思います。しかし私が一番魅力的に感じたのは、国内での人とのつながりでした。NGOという開かれた場には、大人も子供も入り交じって様々な交流が生まれます。90代の方や、8歳の子供が同じ志でひとつの場所に集まる。そのような関係の中に身を置くことで、たくさんの刺激をもらいすっかりその活動に引き込まれていきました。また、インターン先のスタディツアーに参加したことで、これまで漠然としていたやりたいことがはっきり見えてきました。
現在は「新潟国際ボランティアセンター」(NVC)の理事として、組織運営に関わっています。特に若手のメンバーと集まってイベントの企画を行っています。今後はフェアトレードや新潟だからこそできる活動にも力を入れていこうと考えています。
関東に比べれば、国際協力・国際交流に関する情報は少ないかもしれませんが、自分たちが主体的に動くことで、新潟にいても国際貢献は十分に可能です。しかし「新潟らしい」国際貢献というと、なかなか良いアイディアが浮かんでこなくて苦労しています。新潟らしさを生むための挑戦が続きそうです。「自分も何かしたい!」と考えている方がいらっしゃれば、気軽にご連絡してほしいです。一緒に「新潟でできる、新潟らしい国際貢献」を模索していきましょう。
新潟に戻ってきた際に、NGO活動に参加できなくなってしまうのではないかと心配していました。仕事以外にも生きがいを見つけたかったので、インターネットで情報収集をしたり、NPO組織に直接電話で問い合わせたりすることで、自分の求める世界が新潟にもあるということがよく分かりました。おかげでNVCと出会い、今では理事を務めさせていただいています。
NVCの活動に関わっているので、企画会議に参加していることもありますが、最近は山登りに興味がありますね。新潟は山岳がたくさんあるので気軽に遊びに行けますし、職場の同僚からスノーボードや、釣りを教えてもらうこともあります。ワークライフバランスを保つためにも意識的に気分転換するように心掛けています。そのため、積極的に情報収集をして、自分の興味関心のあるところに顔を出しています。
大学時代の一人暮らしを通して、新潟の良いところに気づくことができました。一番に感じたのは、人が穏やかということです。関東の場合、どこか時間に追われている雰囲気を感じていて、何かにつけて焦りが見えたりしていました。新潟は時間の流れが緩やかなので、落ち着いて暮らすことができています。もちろん、自然や食も魅力的です。
関東に比べれば、求人も少ないので就職活動は苦労するかもしれません。就職活動が始めると焦って自分の意志が曲がってくることもあります。そんな時は、家族の話を聞くこと、それから不安を抱くよりダメだったら他の道もあるという考えも持つことが必要ですね。
県外での暮らしにそれほど執着がなく、新潟に戻るかどうかを悩んでいるのであれば「新潟に戻ってきて」と伝えたいです。自分の慣れ親しんだところで働けることはとてもありがたいことだと思っています。地域の安全に少しでも貢献できていると思うとやりがいも大きいですね。地元に帰ってくる気持ちが少しでもあれば、ぜひ帰って来てほしい、そして生まれ親しんだ土地で地元に貢献する暮らしを送ってほしいと思います。
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