2014.09.03 掲載
vol2
魚沼市地域おこし協力隊
大野久美子さん
32歳 魚沼市在住
vol2
埼玉県飯能市出身。就職を機に約10年間東京に住み、30歳を過ぎた頃、ふと都会の生活に疑問を抱き、昨年、新潟県が募集していたインターンシップ事業で、魚沼市の「茅葺き屋根の修復×古民家再生」に応募。現在は、魚沼市の地域おこし協力隊として横根地区を担当。
新潟と聞くと涼しそうなイメージがありますが、やはり夏は暑いし、セミがじりじりと鳴く声を聞くと、半年間雪があるとは思えない気持ちになります。
それでも、木陰に入れば涼しいし、夜寝るときにクーラーが必要ないというところに住むということは、ある意味贅沢な暮らしなのではないでしょうか。
魚沼の四季は、雪がとけ始めると、早足で春がやってきて夏となり、一瞬の秋を経てまた冬へとめぐります。
春夏秋冬のはっきりとした自然の美しさに、魚沼に来て良かったと素直に思うことが出来ます。
魚沼に来てから一年が過ぎようとしていますが、その間、地域の方からは良くこのように問いかけられました。
「よくこんなところに来たね~。なんでこんなところに来たの?」
「ここのどこが良いの?」
その度に、茅葺き屋根の葺き替えをしたくて魚沼に来たこと、インターンシップの生活を通して魚沼地域の自然と人々が好きになり、もっと魚沼にいたいと思って地域おこし協力隊となったことを話します。
今の自分にとって自らが暮らす場所に『自然が素晴らしく、人が良い』以上に必要なものはないと思っています。
私は現在、地域おこし協力隊として、魚沼市横根地区に住んでいます。
横根地区は世帯数57戸、地区住民124人、高齢化率50.8%という集落です。(平成26年5月現在)
年配の方々は皆さんとても活動的で、ゲートボールにお茶飲みと、毎日を元気に過ごしています。
冬には雪が3~4m降る豪雪地帯なので、「雪がたくさん降らなければ良いところ」とは皆様共通の意見のようです。
横根の自慢といえば、やはり景色の素晴らしさでしょうか。
山を切り開いた場所に集落があるので、集落内にある蔵王神社(ザワサマ)から臨む横根集落は本当にきれいの一言です。
もうひとつ、集落内に「越後ハーブ香園入広瀬」という公園施設があります。
雪の降らない6月~10月くらいまでの期間限定公園ですが、眺望が素晴らしく、とても美しい公園です。
しかし、宣伝不足による周知度の低さから、お客様にあまり来ていただくことが出来ていないのが現状です。
園の中心に位置する展望休憩室からの景観は、魚沼市の大部分が見え、一度訪れた方は「こんなに素晴らしい景色が見えるとは思っていなかった」とおっしゃっていきます。
夏場は暑いことに変わりはありませんが、園長である庭師が、毎日心を込めて管理をしている香園を散策すると、午後には心地よい風が吹き始め、日常の喧騒から離れてゆっくりと過ごすことが出来ます。
どの時期に行ってもきれいに咲くハーブや花々があり、美しいブナ林もあり、自然を満喫するには最高の場所だと自信を持っておすすめ出来ます。
今の私の目標は、ハーブ香園に一人でも多くのお客様が訪れ、魅力を知っていただくと共に、いずれは集落の方と他地域から来た方が交流できるイベントを開催していきたいと思っています。
若者が少ない横根地区ですが、お盆の夏祭りには地元を離れて暮らす方々がたくさん帰省され、若い方と話す機会もありました。
私自身がそうでしたが、地元の外を見て、初めて地元の良さがわかる人も多いと思っています。
これからの横根を担う世代に「私が育った地元はこんなに良いところなんだ」と誇りを持っていただけるように、これから先、若い方々とも交流を深めていきます。
最初の魚沼市とのつながりは「茅葺き」でしたが、現在は魚沼市のたくさんの魅力を、どのようにして多くの方に伝えられるかを考えています。
『思ったらやってみる。失敗したら、また別の方法を考えてみる』
尊敬する方が良く口にしていた言葉をかみしめながら、これからも過ごしていきたいと思っています。
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