2011.10.26 掲載
vol1
十日町市地域おこし実行委員会
小佐田 美佳さん
十日町市
vol1
小佐田 美佳(こさだみか)
東京出身。
2004年池谷集落と出会い、
2011年4月東京の職を辞し、池谷集落に移住。
十日町市地域おこし実行委員会所属。
主に、イベント企画・運営、広報を担当。
2011年4月17日に、新潟県十日町市にある8世帯18人の池谷集落に移住してきました。
私が池谷集落に出会ったのは、2007年のことでした。2004年の中越地震で大きな被害を負った池谷集落と池谷集落の隣集落・入山集落(平成元年閉村)の復興と地域おこしを支援していた、国際協力NPO JENでインターンシップをしていた関係で、JENのボランティアイベントに参加したことが、きっかけでした。
就職してからも、池谷集落にボランティアとして通い続け、集落の方たちの懐の深さに触れたり、小さい村ながら“集落の存続”にむけひたむきに取り組んでいる様子を見たりしているうちに、いつしか「自分が今東京でしている仕事よりも、池谷のような集落で地域おこしの仕事をしてみたい」と思うようになりました。
そして、3年働いた東京での職を辞め、18人目の住民として池谷集落で住み始めることになりました。
池谷集落では、池谷・入山集落で地域おこし活動をする「十日町市地域おこし実行委員会」(以下、実行委員会)の一員として、働いています。主な仕事は、農作業体験イベントなどの運営とブログやtwitterの管理などの広報です。
実行委員会では、平均月に1〜2回都会の方向けにイベントを開催していて、イベント企画から参加者の調整、イベント運営までを主に一人で行っています。とはいえ、一人では出来ないこともたくさんあるので、他のメンバーに手伝っていただいたり、集落の方たちとも相談しながら、毎回試行錯誤でやっています。
集落で暮らしていると、普段の生活と地域おこし活動の境目があいまいなので、なかなか事務仕事をする時間がとれなかったり、うまくいかないこともたくさんあるので、正直大変ですが、毎日・毎週同じような仕事をしていた会社勤め時代に比べ、意義深いことをしているという意識があるからか、充実感の方が強いです。
特に、イベントに参加してくださった方が喜んでくれたり、リピーターになってくださったりすると、とても嬉しいです。イベントを通してできる人のつながりも、私にとって大きなやりがいになっています。
よく、十日町市に住む人からも、都会からやってくる人からも「よくこんなところに住む決意をしたね」と驚きまじりに言われますが、住みはじめてしまうと不便さも案外慣れてしまいます。
集落は標高300メートルの山の中にあるので、気軽にちょっとした買い物に行けないなど都会に比べたら不便ですが、都会では得られないものであふれています。
それは、例えば自然の豊かさや静けさ、四季の移ろいだったり、集落や地域の人たちとの家族的な付き合いだったり、おいしいお米や水、野菜だったり、数えていけばキリがありません。
いわゆる“田舎”を嫌って離れてしまう人は、地域の人はみんな知り合いといった狭い地域独特の閉塞感を嫌うようですが、都会から来る私にとってはむしろそれが魅力に感じます。高台から見下ろせば集落のほとんどが見渡せ、「ああ、あそこでどこそこのお父さんが作業しているな」とか、「あそこのお母さんの車がないから、どこかおでかけかな」と、知り得てしまうような、そんな小さな集落にいとおしさを感じます。
今の夢は、池谷・入山集落の存続と、かつ「住む人も訪れる人も幸せになれる集落」にすることです。今がけしてその状態ではないとは言いませんが、農業従事者の高齢化、農業後継者不足といった課題はまだ山積みなので、ひとつずつ解決していく必要があります。
そのためにも、知恵をしぼり協力しながら、頑張っていきたいと思います。
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