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2022.10.31

新潟市

フリーランスで教育軸のパラレルキャリアを実現。環境を生かした新潟遊びも充実

自分の生活を豊かにするための工夫=ライフハックとして新潟にUIターンし、地方だからこそ実現できる暮らし・多様な働き方を楽しむ「にいがたライフハッカーズ」。

今回ご紹介するにいがたライフハッカーは、自らを「教育フリーランス」と謳い、”学校教育と先生をエンパワメントしたい”という思いを軸に活動をする、新潟市在住の木村 有希さん。

大阪の大学に進学し、卒業後は高校の英語教育に従事。その後「リアルなキャリア教育を実践するためには、自分自身にもリアルな社会経験が必要」と一般企業への転職を決め、新潟へUターン。現在は教育系のNPO法人でキャリア教育に従事しながら、フリーランスで翻訳の仕事なども担当しています。

プライベートでは、モルック女子として新潟モルッククラブ会長を勤めるなど、気になるトピックが多い木村さん。これまでと現在の暮らしに迫ります。

 

 

ライフハッカー:木村 有希さん

 

 

1992年新潟市生まれ。大学時代にフィンランドの学校で1年間のインターンを経て、卒業後は、大阪府にて高校の英語教員として3年間の教員生活を送る。就職指導をする中で、自分自身が学校以外の社会を知らないことにモヤモヤを覚え、地元新潟にUターンし、製造会社の海外営業部門へ転職。現在は、教育フリーランスとして新潟にあるNPO法人「みらいずworks」で子どものキャリア教育支援をしながら、海外営業で得た経験を活かして翻訳・MCとして活動。また、フィンランド発祥のスポーツである「モルック」の普及にも携わっている。

 

 

ゆきの/高橋 薫乃

 

 

新潟市出身。大学時代は保育・福祉を専攻。就職活動をする中で、自分自身の幅をより広げたいと思い、人材広告会社で営業職を経験。その後、保育士・企業広報として勤務し、現在はフリーランスとして企業の営業や広報を担当。最近のマイブームは朝活。早起きして海辺を散歩したり近所のパン屋で朝ご飯を買ったり、のんびりと朝の時間を楽しむことが好き。

 

大学進学を機に大阪へ。教育現場で得た学びを胸に新潟へUターン

 

 

ゆきの

木村さん、今日はよろしくお願いいたします!

 

木村さん

こちらこそ、よろしくお願いします!

 

ゆきの

さっそくお話を伺いたいと思います。木村さんは大学への進学を機に、一度新潟を出られたのですよね?

 

木村さん

そうです!行きたい大学が大阪にあったので、関西へ引っ越しました。もともとは、日本語教師になりたかったので、日本語教員養成課程のある大学に入ったんです。

 

ゆきの

日本語の先生を目指していたんですね!そこからどのような経緯で高校の英語教員になったのですか?

 

木村さん

私の通っていた大学では、日本語教員養成課程を取るにあたり英語の教員免許を取る必要がありました。

また、在学中にフィンランドに1年間留学をし、現地の小学校や中学校でインターンを経験しました。そこで、フィンランドの公教育に興味を持ったこともあり、高校の英語教員を目指そうと決めました。

 

 

ゆきの

大学での留学がきっかけだったのですね。その後、就職は大阪でされたんですよね?

 

木村さん

そうです。大学卒業後は、そのまま大阪で高校の英語教員になりました。

 

ゆきの

このときは新潟に戻ろうとは思わなかったのですか?

 

木村さん

実は新潟の教員採用試験も受けていて合格したのですが、大阪にとどまることにしたんです。このときは「新潟に戻るのはまだ先でいいかな」と思っていました。大阪での暮らしをもう少し満喫したいな、と。

 

ゆきの

その後、大阪での3年間の教員経験を経て、新潟に戻ってこられたということですが、Uターンのきっかけはあったのですか?

 

木村さん

家族の事情や自分のキャリアの方向性を考えていたことなどがちょうど重なって、気づいたら新潟に戻ってきていました。元々予定していなかったので「不意に戻ってきた」という感じです(笑)

ただ、以前から「一度は新潟に戻りたい」と思っていたので、それが実現しました。

 

ゆきの

久々に新潟に戻ってきてどうでしたか?

 

木村さん

まず思ったことは、「あれ?友達いないくない?」でした(笑)みんな県外や市外に出てしまっていて、連絡できる友達が3人しかおらず、戸惑ったことを覚えています。

 

ゆきの

楽しい新潟ライフを満喫するはずが……という感じですね(笑)

 

木村さん

そうなんです(笑)なのでまず、友達作りから始めようと思って、その3人の1人に連絡をしました。そうしたら、その子がミュージカルを中心とした表現活動を行う「NPO法人コモンビート」の一員で、「県民会館で演者を100人集めてミュージカルをやるから、参加しないか」と言い出して!

今まで演劇に関わったことはなかったので、不安と驚きもありましたが、これで100人の友達ができるかもと思い、「やる!」と二つ返事で参加しました。

 

ゆきの

そこで一気に友達が増えたのですね!ミュージカルはどうでしたか?

 

木村さん

最終的には、3ヶ月間のプログラムで演者を75人集めて、新潟県民会館で2日間の公演をしました。とても楽しかったです!そこでは私と同じようにUIターンをしてきた方々ともたくさん出会いました。それをきっかけにUIターンのイベントにも呼ばれるようになったので、人脈が広がっていいことだらけでしたね。

 

 

フリーランスとして、新潟を拠点に全国でパラレルワークを実現

 

ゆきの

プライベートもどんどん充実されていったのですね!Uターン後の仕事はどうでしたか?

 

木村さん

高校の教員をしている中で「リアルなキャリア教育を実践するためには、自分自身にもリアルな社会経験が必要」という気づきがあったので、新潟では教育以外の職種で転職活動をしました。その時に見つけたのが、製造会社の海外営業という仕事でした。

 

ゆきの

学生時代の学びが生かせそうなお仕事ですね!転職活動の思い出はありますか?

 

木村さん

そもそも新潟にどのような企業があるかも知らなかったので、とにかく調べました。よく「新潟は就職先がない」という声も聞きますが、転職サイトやSNSなどで調べれば、いろいろな選択肢がありますよ!

 

ゆきの

教職から営業職へキャリアチェンジしてみて、どうでしたか?

 

木村さん

仕事におけるスピード感や柔軟性の大切さを改めて学びました。学校にもよると思いますが、教員はクラスや授業について、自分自身で裁量を持って動けることが多いんです。ここで改めて、自分自身が「裁量や責任を持って働くことにやりがいを感じる」と気づくことができましたね。

 

 

ゆきの

その後、フリーランスになるにはどのような経緯があったのですか?

 

木村さん

営業を経験したからこそ、改めて「教育現場で働きたい」という自分の軸が見えてきました。どのように関わっていきたいか自身を見つめ直したときに、教員という形ではなく、外部で関われるような立ち位置で学校教育と先生の潜在能力を引き出す役割になりたいな、と。

 

そこから会社員を続けながら、NPO法人「みらいずworks」でダブルワークをするようになりました。週4日は会社員、週1日は「みらいずworks」という感じです。そこからお仕事の幅が広がっていって、結果的に今はフリーランスになりました。

 

ゆきの

今も携わっているという「みらいずworks」では、どんなお仕事をされているのですか?

 

木村さん

主に「総合探究」という授業のコーディネートをしています。新潟県内の中学校や高校で、地域と学校を繋げる授業のカリキュラムを作ったり、授業に参加したり、先生のサポートをしたりしています。

 

ゆきの

「総合探究」の授業の中ではどんなことをされているんですか?

 

木村さん

それぞれの生徒が「ものづくり」や「新潟2km(新潟駅・万代・古町を繋ぐ街づくり事業)」など、興味のあるテーマを選ぶところから始まります。そして、テーマに沿ったゲスト講師をお呼びし、生徒からのインタビューを受けてもらいます。その後、1年間を通して調べ学習などを行い、ゲスト講師に事業がより良いものになるよう提案をするなど、学習の成果を発表するものです。

私自身は「地域と繋ぐことで、生徒の皆さんには新潟の魅力をよりダイレクトに感じてもらえたら」という想いで関わっています。

 

ゆきの

フリーランスになってからは、そのほかにどんなお仕事をされているのですか?

 

木村さん

新潟県内の仕事だけでなく、東京や福岡などの県外企業といっしょに、教育や英語に関わる仕事もしています。基本的にはリモートワークで、家で仕事をすることが多いですね。

 

ゆきの

私もフリーランスなので共通する部分があります!フリーランスになってみて、実際どうですか?

 

木村さん

一言で言うとすごく楽しいです!ミーティングなどで時間に追われる日も多いですが、毎日の業務を自分で決められるところがいいですね。効率よく動いて、浮いた時間で昼寝ができるなど生活の充実度も上がりました(笑)

 

 

ゆきの

いいですね!新潟に戻ってきた時は新潟でこのような働き方ができると思っていましたか?

 

木村さん

全く思ってなかったです!今はこの働き方が「自分らしく過ごせているな」という実感がありますね。

 

 

楽しみや居場所を見つけた、自分らしい新潟ライフ

 

ゆきの

生活やプライベートの面で、新潟の暮らしはどうですか?

 

木村さん

都会では「お金を払って娯楽を買う」という楽しみ方が多かった反面、新潟に帰ってきて「環境を活かして、自分で遊びを作って楽しむこと」が増えたと感じています。私の周りの新潟の暮らしを楽しんでいる人って、基本的に「遊びがないなら、自分で作っちゃえばいいじゃん」という姿勢を持っている人が多くて。

私自身も同じ考えなので、楽しいことを作り出しながら毎日を過ごしています。

 

ゆきの

木村さんは新潟モルッククラブ会長として、毎週月曜日にやすらぎ堤でモルックをされているんですよね!もしかしてモルックもその遊びの1つですか?

 

木村さん

そうです!興味本位でモルックのセットを買ったことがきっかけで始めました。最初は新潟のUIターンイベントで知り合った友人に「モルックをしよう!」とお声がけして。朝8時に集合して、夢中でモルックをしていました(笑)

 

ゆきの

朝モルックいいですね!今はどのような形でされているのですか?

 

木村さん

毎週月曜日の夜、モルッククラブのメンバーとともに、やすらぎ堤でモルックを行っています。

モルックは今世界大会が開催されていたり(インタビュー時の2022年8月上旬)、2024年には北海道で世界大会が行われることが決まっていたり、盛り上がりを感じています。

毎回10人前後が集まり、みんなでわいわいとやっています。初めてモルックをやるという人も増えてきたので、とてもうれしいです。

 

 

ゆきの

毎週月曜日にやっているのはなぜでしょうか?

 

木村さん

月曜日って週の初めで少し憂鬱じゃないですか?そんな気持ちを吹き飛ばせたらなと思って。そして「明日からも頑張ろう!」と感じてもらえるといいなと思ってやっています。

 

ゆきの

素敵です!今度ぜひ参加させてください!そのほかはどんなことをされているのですか?

 

木村さん

新潟市の繁華街、古町地区にある「タキザワガレージ東堀」の屋上階で定期的に行われている​​「8BAN EVENING MARKET」の運営にも関わっています。古町周辺エリアの価値を向上させ、公共空間の利活用を促し、古町エリアの活性化や新たな人の流れを作り出すことを目的として行っています。

 

 

ゆきの

私も行ったことがありますが、とてもおしゃれで活気のあるイベントですよね!イベントを通じて感じる新潟の魅力はありますか?

 

木村さん

新潟はコミュニティ同士の距離がすごく近いと感じています。

例えば、大阪で教育業界にいた頃は、有名なデザイナーさんに会いたいと思っても、それぞれのコミュニティが分離していてなかなか会えないんです。

それに比べて、新潟はコミュニティ同士の距離が近く、すぐ出会えるのがいいです。会いたいなと思っている方も友達の友達だったりと、間に2人くらい挟めばだいたい繋がれます(笑)今は教育業界にいながらも、デザイナーさんやクリエイターさんとの繋がりも増えました。新潟は会いたい人に会いやすい環境だと思っています。

 

ゆきの

新潟での暮らしを公私ともに楽しまれている木村さんですが、最後に、これからUIターン移住を考えている方へ、一言お願いします!

 

木村さん

自分にとって豊かな暮らしや最適な暮らし、心地よい生き方はどういうものなのかと言うことを考え、生き方を楽しんでいる人が、新潟暮らしを充実させていると思っています。なので、ぜひそういう方には新潟での暮らしをおすすめしたいですね!

 

 

 

私のとっておきにいがたライフハック

自らの生活をより豊かにするために、新潟で暮らすことを選んだ「にいがたライフハッカーズ」。そんな彼らの生活を彩る新潟のモノ・コト・ヒトについて、とっておきの「ニイガタライフハック」をお聞きしました。

 

新潟の風を感じながら移動ができる自転車!

 

 

新潟暮らしを楽しむ上での必須アイテムは「自転車」。海に行って景色を見たり、萬代橋を自転車で颯爽と渡ったりするのが楽しいです。自転車のメリットは靴が擦れないことや風を切って走れること。私のようなせっかちさんにはぴったりです(笑)

お気に入りのサイクリングコースは、新潟市の中心から一番近い海水浴場「関屋浜」までの道のり。仕事終わりに日本海に沈む夕日を見に行くのがおすすめです。また、最近では新潟駅周辺でのシェアサイクリングが始まりました。ぜひ皆さんも自転車で新潟市内の観光スポットを巡ってみてください!

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