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新しい働き方 第118回

陶芸という仕事から学んだこと

2016.12.14 掲載

vol3

陶芸作家

藤田陽子さん

vol3

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Key word

 村上市出身。美術短期大学卒業後、胎内市(旧中条町)の坂爪勝幸先生に師事し、21年間陶芸を学ぶ。2016年2月、生まれ育った村上市瀬波温泉でToi陶房をopen。訪れる観光客や地域の人に作品を見てもらいたいとの思いで、ギャラリーと制作スペースが一体化した開放的な陶房に。陶芸体験を通して土に触れてモノをつくる面白さや自分で作った器で食事を楽しむなど、日常生活で少しでも豊かな気持ちになれる時間を提供したいと考えています。

前回は、坂爪工房で過ごした日々の話を書きました。
今回は、工房での仕事や制作のことについて書きたいと思います。

制作より大事な材料作り

 坂爪工房の仕事は、陶芸の材料となる土作りや釉薬(陶磁器の表面をガラス質で覆う薬品)作りから始まります。市販の釉薬や土は一切使わないので、材料を作らなければ作品作りはできません。
 陶芸に使う土は、原料となる粘土を水を使って粒の大きさをより分け、もぐさ土(もぐさのように軽い粘土)や木節(炭化した木片等を含む粘土)・蛙目(がいろめ)粘土(ねんど)(水にぬれると粒子が蛙の目のように見える粘土)と混ぜ、よく練って作ります。釉薬作りは、その材料となる松や雑木、藁(わら)の灰を集めます。そして粘土作りの時と同様に、水を使って灰の粒子の大きさを分け、その後灰汁抜きをします。ここでいう灰汁抜きは、料理の灰汁抜きとは少し違う意味があります。植物の灰には有害な水溶性アルカリ塩が含まれていて、そのまま使用することができません。そのため、水や熱湯で何回も洗ってこれを除きます。この作業を灰汁抜きと言い、その後、木灰と藁灰・陶磁器の主要原料である長石(ちょうせき)を調合して釉薬を作ります。ちなみに長石はその名の通り「石」なので、そのまま使うことはできません。細かく砕いたのち石臼や乳鉢で更に細かくしていきます。
 また、窯焚きの際に使う薪も自分たちで準備します。松をチェーンソーで切って薪割機で割り、乾燥させるために積み重ねます。この仕事はかなりの重労働です。
 器ひとつ作るにも大変な手間と時間が掛かります。けれど手間をかけて材料を作らないと、良い作品は生まれません。食材を吟味し、下ごしらえをすると美味しい料理ができあがるのと同じように、陶芸も材料・準備が大事です。坂爪工房で一番学んだことは、制作よりも材料作りが大事ということ。学生時代は作品を作ることだけに一生懸命になっていましたが、坂爪工房に入ってから材料のことについて解るようになりました。

陶芸で自分と向き合う

 坂爪工房の近くには、30年くらい前から続いている市の陶芸研修所があります。坂爪先生が教えていたこともあり、私もお手伝いに行っていました。
 研修所では70人くらいの生徒さんが、好きな作品を自由に制作していて、大きな作品を制作する方もいたり、想像もしない形態の作品を作る方もいます。焼成の難しいものなどもありますが、作品が変形しないように窯詰をしたり、焼成したりと私自身も勉強にもなりました。また、人とのコミュニケーションの取り方や生徒さんのイメージ通りになるべく私の手を加えずに教えることの難しさも学びました。例えば、生徒さんの作品のイメージを聞いて、イメージに合った作り方(手びねり、板作り、塊をくり抜くなど)を教えたりします。自分で作ることに意味があるので、形がゆがんだり、崩れたりして困った時にだけ手伝うように心がけています。
 胎内市では、小学生の授業の一環として陶芸を教えていて、この研修所を利用しています。美術教育は上手に作品を制作することが重要ではなく、子どもたちが目で見て、頭で考え、描いたり作ったりすることで、「自分と向き合うことが大事」だと教えています。心をこめて作っていくことで、自分自身を作っていくのです。子ども時代は人生の中で短いですが、その人間性を作る大切な期間だと思っています。

先生との制作を通して学んだこと

 話は制作のことに戻りますが、坂爪工房では公共事業のモニュメントの制作をすることもあります。私は先生のお手伝いなのですが、大きくて1人で持てない作品の制作はなかなかする機会がないので、大変勉強になりました。公共のものを制作する時は、普段の制作と違い、危険性が無いよう起こりうる問題を考えて作らなくてはいけません。作品の動かし方、窯詰の方法、釉薬の掛け方など、ひとくちに「制作」と言っても、その目的によって作業が全く違うものになります。
 坂爪先生の下で様々な制作に携わるたびに、私は新しいことを学ぶことができ、作品を制作するための考え方やコンセプトなどの重要性を知りました。

私が大事にしている制作スタイル

 学生時代は工芸科を選択していたので、電動轆轤(ろくろ)で器を引く勉強をしていましたが、坂爪工房では、足で蹴とばして引く古い形態の蹴(け)轆轤(ろくろ)を使用していました。蹴轆轤を引くのは難しいけれど、慣れるとスピードの調節がしやすく、モーターの音が無いため、とても静かで優れた道具です。
 器を作る時はお料理をイメージして制作をしていて、重かったりデコボコしていたりと使いづらいけれど、口当たりが良かったり、お料理が盛りやすかったりと楽しい器を作ることを心掛けてきました。
 また、先生の影響もあってオブジェの制作もしています。私は雑木林に囲まれた坂爪工房で日常的に自然に触れ、家や木、鳥、雲、動物など自然をモチーフに制作をしてきました。人間社会の中にひっそりと潜む自然に目を向け、私達が忘れかけていたものに気づいてもらいたいと思っています。便利なものだけを取り入れて行く時代になり、自然は私たちにとってかなり遠い存在になりました。私の作品を見て何かを感じてもらいたい。だから、私はこれからもこの制作スタイルを大事にしてきたいです。 
 次回は、独立を考えたきっかけやこれからのToi陶房のことについて書きたいと思います。

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