2022.07.19 掲載
株式会社越後薬草 YASO蒸留家/広報
杉川 郁実さん
上越市
◎杉川さんのプロフィール
・出 身:富山県南砺市
・移住時期:2021年11月
・経 歴:富山県出身
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富山高専を卒業
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国土交通省北陸地方整備局(新潟市)
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国土交通省近畿地方整備局
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上越市に単身で移住
(株)越後薬草へ転職し蒸留家・広報を担当
【Q.移住前の経歴を簡単に教えてください。】
生まれは富山県南砺市です。地元の富山高専を卒業後、国土交通省の北陸地方整備局に就職しました。初任地の新潟市で4年間を過ごし、その後、夫の働く関西圏への異動を希望して近畿地方整備局に赴任しました。上越へ転職して来るまでは公務員として働いていました。
【Q.上越へ転職・移住した経緯を教えてください。】
ある時、飲みに出かけたバーで香草や薬草をブランデーに漬け込み、再蒸留して造られたアブサンというお酒と出会いました。それがきっかけで自然の香りを楽しむお酒にハマり、アブサンよりも身近に楽しめるクラフトジンをよく飲むようになっていました。そんな中、上越の越後薬草という会社がクラフトジンを造るということを知り、インスタグラムをフォローしていたところ、『蒸留家募集!』という投稿が目に飛び込んできました。興味を惹かれていたクラフトジン造りに携われる滅多にないチャンスだと思い、思い切って転職・移住を決意しました。
【Q.ご家族の反応はいかがでしたか?】
念願の近畿圏への移動が決まり新しい職場での仕事が始まったばかりだったので、まさか自分が移住することになるとは思ってもいませんでした。
それでもインスタの「蒸留家募集」という投稿にどうしても惹かれている自分がいて、夫にも相談したところ、「それは応募するべきだよ」と背中を押してもらえたことが応募のきっかけの一つです。
公務員からの転職で、さらに移住となるので当初は家族も驚いていましたが、実際仕事が始まり充実した毎日を送っている様子を伝えると「楽しそうな仕事だね」と喜んでいるようです。
【Q.現在のお仕事に関して教えてください。】
越後薬草は原材料や製法にこだわり、独自の発酵技術を活用した健康食品を開発・製造販売をメインとしている会社です。私はこの会社に新たにできた酒造部門で蒸留家としてお酒を造るだけでなく、広報として情報発信等も担当しています。今年(2022年)6月には私が企画・開発したノンアルコールシロップ「バタフライピーシロップ」を発売しました。バタフライピーというマメ科の花から抽出した青色にミントや塩、数種類のスパイスで味付けしたシロップで、夏場に向けて楽しんでいただきたい爽やかな味わいです。今からお客さまの反応が楽しみです。チャレンジの連続で苦労することもありますが、充実した毎日を楽しんでいます。
【Q.新潟市での生活とも違いはありますか?】
新潟市ではほとんど職場と家を往復するだけの生活で、自然に触れる機会はあまりありませんでしたが、上越にはすぐ側に山や田園風景があります。生まれ育った富山の南砺も自然の多い所でしたが、上越に来て自然を感じながら生活することの豊かさや、それにすごく癒やされている自分に気が付きました。ジンの蒸留をしながら、使用するボタニカルの収穫のため、県内の山や畑に行くこともあります。自然に触れ、いい香りに包まれながらの仕事は本当に楽しいです。
【Q.今後の目標や取り組みについて教えてください。】
職場以外の方との交流が少なかった公務員時代とは打って変わって、今では企業や地元生産者をはじめとした地域の方々との交流が増え世界が一気に広がりました。今後は商品のユーザーさんやボタニカルの栽培をされる方々と直接お会いする機会を作り、広報として現場の声を届けていきたいと思っています。私はもともと料理が好きなので、料理を通じてお酒の魅力を知っていただくような取り組みもしていきたいです。
【Q.Uターン、Iターンを検討される方にアドバイスをお願いします。】
自分の『好き』という気持ちを大切にしてほしいと思います。転職・移住には大きな決断が必要だと思いますが、私自身は上越に来ることができて本当によかったと感じています。引っ越し代やその後にかかる生活費等、金銭面でも不安があると思いますが、行政から受けられる補助金をうまく利用することで、少し前向きに考えやすくなるかもしれません。私も有り難いことに上越市の家賃補助を受けられ、とても助かりました。