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ニイガタビト

地域おこし協力隊としての仕事、新天地に降り立って今思うこと

2016.08.17 掲載

vol2

佐渡市地域おこし協力隊

熊野礼美さん

35歳 佐渡在住

vol2

 兵庫県出身。大学卒業後、関西を中心に日本語教師や教材販売の営業など忙しいながらも充実した日々を送る。趣味は登山。その登山がきっかけで2014年5月初めて佐渡へ来島。その年、佐渡市地域おこし協力隊に応募し、晴れて隊員として佐渡に移住。夫と共に暮らし始めて、早1年半。佐渡暮らしの仲間が増えるといいな、という思いで、これから4回にわたり暮らしや日々感じることなど書かせていただきます。どこかの誰かの佐渡暮らしの参考になりますように。

前回は佐渡との出会いについて書かせていただきました。
今回は地域おこし協力隊という仕事とその活動についてお話します。佐渡に限らず、協力隊に関係のある方や移住をお考えの方に新天地に移ってすぐの自分が感じたものが参考になればと思います。

きっかけとしての地域おこし協力隊

 佐渡旅行から関西の自宅に帰った後も佐渡のことが忘れられず、「佐渡に住んでみたい」と思い、家と仕事を探しました。
 といっても関西から佐渡に度々行くことは難しく、何か専門的な技術や知識を持っているわけでもなく、コネクションもない自分がそう簡単に仕事が見つかるとは思いませんでした。仕事が先か、家が先か。そんなとき見つけたのが「佐渡市地域おこし協力隊」です。地域おこし協力隊のいいところは、家と仕事を3年間提供してくれるということです。見知らぬ土地で暮らしを始める身としては、こんなにいい条件はありません。おまけに普通に移り住むより地域に溶け込みやすいんじゃないかと思いました。私にできるのか、と自分を疑う前に、自分を試す3年間にするつもりで応募し、ご縁あって採用。協力隊員として、佐渡に移住することとなりました。
 市が借りてくれた家は築70年の古民家。漆喰の壁に高い天井、御前と呼ばれる大広間には太い大黒柱、漆塗りの障子枠、見たことのないくらい大きな神棚、一気に佐渡建築のファンになりました。お借りした家はいわゆる「ぼっとん便所」。不便も苦労も含めて何もかもワクワクする、そんな気持ちで協力隊の仕事に挑みました。

「様子を見とけ」が最初の仕事

 最初は、特に空回りしてフワフワしていたと思います。「何にでも挑戦したい!」と意気込んでいると、「最初は様子を見とけ」と地域の世話人でもある上司に言われました。今まで生きてきたスピードと違うことに戸惑い、「こんなにのんびりしていていいんだろうか」という気持ちがありつつも「様子を見とけ」の言葉通り地域を見て回ったり、景色のいいところへ行ってみたり、来て間もない今しか感じることのできない新鮮な気持ちで、佐渡を観察して回りました。この時の気持ちは、今、都内の移住セミナーなど佐渡の魅力をお話しさせてもらう時に生かされています。
 佐渡市地域おこし協力隊は現在12名と比較的大所帯。それぞれの仕事は多岐にわたり、私は空き家対策移住者支援を担当しています。都内の移住セミナーでの移住希望者の対応や、島内の空き家相談などが私の業務です。住む場所として佐渡を選んだという視点は、元々佐渡にいる人にはないことだと思い、「様子を見とけ」の間、見たり聞いたり感じたことをお話しています。佐渡に住むまでと、住んでからの経験などを参考にしていただきたいですし、佐渡の人と移住を考える人、双方の翻訳者のような仕事だと思っています。

佐渡市地域おこし協力隊ブログへのリンク

「暮らし」を伝える

 着任したころの佐渡市HP内の空き家情報はとてもわかりにくく、家そのものの魅力が伝わっていないな、と感じました。先ほど書いた通り佐渡建築のファンになった私は「古い」=「不便・使いづらい」を打破したいと思い始めました。不便だけど歴史のあるもの、使いづらいけど芸術性のあるもの、そういうところに価値観を置く方には、佐渡の古民家は信じられないくらい感性豊かな居住空間になる!今でもそう信じています。
 コラムのような空き家紹介がしたいと、担当の方にアイデア提案をしました。市のHPを利用するのは調整が難しかったので、既存の佐渡市地域おこし協力隊のブログを利用し、ブログから市のHPへリンクするようにしました。後に市のHPからもブログにリンクしてもらえ、多くの人の目に触れるようになり、概ねいい評価をもらいました。工夫次第で家主さんが大切にしてきた「暮らし」を新しい人にも引き継ぐことができる!と確信した瞬間です。
 図面や利便性だけで家を選ぶこと以上に、「暮らす」をチョイスする選び方が佐渡の家にはあると思います。それこそ、私が佐渡に「暮らしを求めて」来た、そのものです。

隊員的空き家レポへのリンク

いまはまだない「仕事」の可能性

 「佐渡は仕事がない」と佐渡の人は言います。確かに種類は少ないですが、「仕事」はあります。それに今まで島にはなかったけど、確実にこれから必要な「仕事」は存在します。
 例えば、『移住コーディネーター』としての働き方。佐渡にはこの肩書の仕事はまだありませんが、協力隊任期終了後の仕事にならないか模索中です。そういう「仕事」をいくつか組み合わせる働き方が、ここではぴったりではないかなと思っています。
 「小商い」という言葉がありますが、自分の得意なことや興味のあることを仕事にできる・・・余白のようなところがここ佐渡にはまだまだあるように思えてなりません。そう思うと全てに可能性を感じることができます。何か専門的な技術や知識を持つ訳ではなく、また何もコネクションのない自分が、そう思えるのですから、他の方も何かヒントを見つけられれば、可能性を感じることができるのではないでしょうか。
 佐渡に渡って2回目の夏を迎えました。ちょうど2回ずつ季節を巡りました。佐渡の四季は4つでは物足りなく、夏一つとっても、山の緑が麓からぐんぐん濃くなり、海はますます青さを増します。日が落ちると蛍が飛びまわり、夜空には天の川。昼間の空では雲が織り成す形は自在で、入道雲がでたかと思えば、日暮れには赤とんぼが飛び回るようになります。四季の移ろいが丁寧に感じるのは、島ならではの贅沢さかもしれません。
 次回は、手に入れた空き家!「ひょうご屋」の改修とその利用のお話をしたいと思います。

佐渡島移住・定住支援情報へのリンク

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