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ニイガタビト

【座談会】UIターン経験者が本音を語る!
- 経験者だからこそわかる -

2014.03.19 掲載

 本県に戻ろうか迷っている、定住しようか迷っているという人は、その後の仕事やライフスタイルなど、様々な不安や悩みについて誰かと共有したいのではないでしょうか。
 そこで今回は、UIターンを経験した先輩方に当時を振り返っていただき、UIターンを考え始めたきっかけや不安、そして、新潟暮らしの魅力などについて、座談会方式で本音を語っていただきました。
 伊藤かおりさん(26歳)【左上】関川村出身。高校を卒業後、東京の大学で栄養学を学ぶ。大学3年生の時に、母から送られてきた情報誌「新潟生活」をきっかけにUターン。新発田市内の企業に就職し、退職後、古本屋「いと本(いとぽん)」を開業。
 恩田富太さん(38歳)【右上】長岡市出身。親戚から譲り受けて読んだ司馬遼太郎の小説『峠』に、故郷長岡が描かれていたことをきっかけに、遅咲きの郷土愛に目覚める。高校卒業後に上京し、10年間の東京生活を経た2004年にUターン。現在、広告デザイン等の仕事の傍ら、ご当地伝記マンガ『長谷川泰ものがたり』の制作に携わる。
 鈴木寛子さん(29歳)【右下】千葉県生まれの奈良県育ち。幼い頃から、母親の実家がある新潟に足を運び、新潟で暮らしたいという夢を持つ。大学卒業後は、東京都内で大好きな英語を活かせる仕事に就くが、新潟暮らしを諦めきれず、公務員試験にトライ。新発田市の職員採用試験に2度目の挑戦で合格し、現在入庁3年目。
 戸嶋直人さん(34歳)【左下】新潟市出身。高校を卒業後、大阪の芸術系の大学に進学し、建築デザインを学ぶ。そのままデザイナーとして大阪の企業に就職し、大手百貨店のディスプレイ制作に携わる。3年間の勤務を経た後に、Uターン。現在、新潟市内の企業にデザイナーとして勤務。アルビレックス新潟をこよなく愛する。

UIターンを考えたきっかけ

 伊藤:実は、都内の大学を卒業後は、そのまま都内で就職しようと思っていて、約50社の企業を受けたのですが、ことごとく落とされました。そんな状況の中、積極的に情報提供をしてくれる母親から、県が発行している情報誌「新潟生活」が送られてきたり、表参道の※ネスパスに行って情報収集をするよう勧められたりしたことで、Uターンを意識するようになりました。
 恩田:私は農村地域の長男として保守的なところで育ち、帰らなければならないという感じだったので、動機としては少し後ろ向きだったかもしれません。東京でやりきったという感じもなかったので、どうしても都落ちのようなイメージが拭えなかったのが本音です。正直なところ、新潟(長岡)を好きになったのは、実際にUターンしてからですね。
 鈴木:私は母が新潟県出身で、幼い頃からよく遊びに来ていたのですが、新潟の人は心が広く、ヨソの人でもそのまま受け入れてくれると感じていました。ずっと居心地がいいなと思っていましたし、たくさん良い思いをさせてもらっていたので、将来、絶対ここに住みたいと思っていました。
 戸嶋:私の場合は、アルビレックス新潟ですね。元々サッカーが好きで、よく観戦していたのですが、ちょうどJ1に昇格するかしないかの時期に、アルビサポーターが大挙して大阪に乗り込んできたときがあって、道を尋ねられた際の新潟弁が、妙に温かく感じたんですよ。それで、やっぱり新潟がいいなと。そこから、地元新潟に対する思いが強くなって、帰りたいと思うようになりました。
 ※ネスパス・・・都内の表参道にある新潟県のアンテナショップ。2回の「Uターン情報センター」「にいがた暮らし相談窓口」では、求人、企業情報や生活情報を提供し、新潟へのU・Iターン希望者を支援。

UIターン時の仕事・就職の不安

 伊藤:東京の場合、選べる職種は多いですが、その分競争相手も非常に多いです。新潟の場合は、東京と比べると選べる職種は少ないかもしれませんが、その分競争相手も少ないし、ゆとりある生活を送れると思いました。
 要は、その人が「生活環境」と「仕事内容」のどちらを優先したいかだと思うのですが、私の場合は、沈んだ顔で満員電車に揺られる大人の顔を何度も見ていたので、それだけはなりたくないという思いから、生活環境を優先しました。
 実際、新潟県内の企業を受けてみると、東京での就職活動の経験で百戦錬磨になっていたのか、都内で就職活動していた時よりも、苦労せずに内定をもらうことができました。
 恩田:私は、東京で広告デザインの仕事に関わっていたのですが、新潟市ならまだしも、長岡市で同じ職種に就くのは難しいかなと諦めていました。それでも、インターネットで検索していたら、“ネスパス”がヒットしたので、とりあえず足を運んで、登録しました。すると、色んな情報が送られてくるようになり、その中にあった長岡市の広告代理店の試験を受けた結果、採用が決まりました。
 私の経験から言えるのは、頭の中だけで考えていては、やはり難しいと思います。確かに不安はあると思いますが、実際に動き出して、少しずつ手応えが出てくると解消されていくので、いかに早く行動に移すかだと思います。
 鈴木:私は、東京にある外国人記者向けの会見を設定する団体の契約社員でしたが、何とか内定をもらいました。それでも、やはり新潟で英語を使った仕事に就きたいと思い、ネスパスやハローワークに通ったのですが、ロシア語や中国語ならまだしも、英語の仕事がほとんどないということがわかりました。
 そこで、一旦、内定をもらった団体に就職したのですが、新潟が好きで、新潟の人が好きで、新潟に住んで働きたいという気持ちが強かったので、それなら公務員が良いのかなと考えるようになりました。そして、仕事の合間の時間に公務員試験の勉強をするようになり、新発田市役所に2度目の挑戦でやっと合格できました。伊藤さんが言うように、私の場合は新潟という場所で働くことを優先しました。
 戸嶋:私も、確かに都落ちのようなイメージはありましたけど、デザイナーという仕事柄、優秀であればどこでも食べていけると思いましたし、実際に新潟から世界に出て活躍している同業者もいたので、自分次第だと言い聞かせて戻ってきました。就職先については、父がカメラマンなのですが、父を使ってくれているデザイン事務所から声を掛けていただいて、入社することになったので、恵まれていたと思います。就職活動といっても、大阪にはネスパスのようなものはありませんし、インターネットで企業検索したくらいでした。
 恩田:戸嶋さんのケースは、地元だからこそできることだと思うので、そういうのは活用すべき利点ですよね。

“にいがた暮らし“の良い点

伊藤:東京にいる時は、デパートのディスプレイを見て「あー、春が来る」と作られた季節感を先取りして感じていましたが、新潟では「山が赤くなった」など、日々、本当の季節感を感じることができるので、とても良いと思います。
恩田:長岡にUターンしてからは、地元にしかない良いモノを探すようになりました。いざ探してみると、良いモノや良いお店がたくさんあるので、プラスの意味でギャップがありました。
また、私の子どもはまだ小さいのですが、豊かな自然環境があって、頼れる家族が近くにいるので、子育て環境がとてもいいと思います。単純に道路や土地が広いので、危険が少ないこともそうですね。あと、ある医師から聞いた話では、長岡は病院と医師会の連携がよく取られているそうで、救急患者のたらい回しがないそうです。その点だけ見ても、良い街だなと思えます。

“にいがた暮らし“の満喫法

 伊藤:勤めていた時は、休日になると電車で新潟駅まで行き、そこからレンタサイクルで、やすらぎ堤に行ったりして、ピクニック気分を味わっていました。東京では買い物して疲れたらカフェで休憩して、また買い物という感じだと思いますが、新潟には、それぞれ自由に過ごせる環境があるので、とても満喫できます。
 また、商店街で古本屋をやっていると女子高生から90歳のおじいちゃんまで立ち寄ってくれるので、街の人を身近に感じます。世間話によって、知らなかった街の様子や歴史を知ることができ、人の温かさも感じるので、とても良い時間を過ごしています。
 恩田:長岡には「アオーレ長岡」という、市民協働をテーマにした市庁舎ができましたが、驚くくらい子ども達が走り回っていたり、市庁舎なのにお酒を飲むことができたり、とても革新的だなと。私も市民協働に関わっていて、町内会だけでは会えない人たちと、この街をどうやって良くしていくのかを考えているので、とても楽しいですね。面白いと思えることに積極的に関わっていくと良いと思います。
 鈴木:Iターンした人は、みんなそうかもしれませんが、初めは地名や方言がわからず、当初は覚えるのが大変だなと思っていました。ただ、幸運にも町内会等の活動を支援する部署に配属されたこともあって、地名や地域柄を早く覚えることができましたし、町内会の集まりにも呼んでもらったりして、楽しい日々を過ごしています。
 戸嶋:もちろん、サッカーのアルビレックス新潟ですね。そうは見えないかもしれませんが、私は郷土愛がとても強いのだと思います。新潟のサッカーは、走るし、転ぶし、とにかく一生懸命なんですよね。みんながアルビレックス新潟を応援して、県外出身の選手とはいえ、新潟を背負った選手達が頑張ってるっていうのを見るのが、とても好きです。アウェーの試合に行くと、特にそう思います。

困ったことや後悔たことは?

 伊藤:東京では、学生だったということありますが、周囲に様々な職種や働き方をしている人がいて、日常的に様々なジャンルの人と接する機会が多かったように思います。でも、新潟の場合は自分で行動しなければ、職場と自宅の往復になりがちで、色んな人との出会いが広がりにくいのかなと感じます。
 恩田:私がUターンしたのは2004年で、ちょうど中越地震が起きた年だったので、そういう意味では戻ってきたことをとても後悔しましたね。
 あと、伊藤さんの話ですが、私の場合は逆で、東京で働いていた時は職場に泊まることも多くて、ほとんど隣人と顔を合わせることがありませんでした。ですから、Uターンしてからの方が、人間関係は豊かになったと思います。
 鈴木:当たり前ですが、友人がいないということですね。あと、寒さに弱いので、やはり冬は苦手かなと。
 戸嶋:私の場合は、公共交通機関が脆弱な点ですね。我が家は所有する車が1台なので、妊娠していた妻が、すぐ近くのクリニックまでどうやって行くかを考えてみたら、タクシーしかありませんでした。新潟の場合は、車を1人1台所有していることが前提のような気がして、その点がネックかなと。

UIターンに必要だったと思う情報やサポートは?

 伊藤:東京に住んでいた時は、新潟県内の詳しい情報が欲しかったです。例えば、新潟県内で独自の活動をしている面白い人の情報とか。そういう人って、結局、東京に集まってくるのだろうと思っていましたが、Uターンしてみて、初めて新潟にも面白い人がたくさんいるということを知りました。
 鈴木:私の場合は、“挫折談”を聞く機会があったら良かったなと思います。最初のうちは、大学を卒業して、大手企業にストレートで就職が決まった人の話に夢を膨らませていましたが、内定が出ず不安な日々が続くと、逆に苦労してやっと内定をもらった人が失敗していた時にどう考えていたかとか、どういう行動を取ったとか、そういう体験談を聞く機会が欲しいと思うようになりました。
 伊藤:確かに、挫折したことがある人の方が相談したくなりますし、話を聞きたくなりますね。
 恩田:今はある意味、失敗前提の世の中なので、どうやって乗り越えたかという話の方が共感を得られるようですからね。

他になにか感じていることはありますか?

 戸嶋:帰ってきて思ったのが、新潟の人は、新潟のことを馬鹿にするのがうまいというか、たまに、そこまで言わなくてもいいのに、って思う人がいますね。
 恩田:ある講座を受けたときに、先生が「新潟の人は自己批判精神が強い」ということを言っていましたよ。
 戸嶋:なるほど。何か、分かる気がします。
 鈴木:新潟は食べ物が美味しいし、空気が美味しく自然が豊かで、外の人から見ると凄いモノがたくさんあるのに、新潟の人は当たり前にあり過ぎて自慢する程のものではないと思っているんじゃないでしょうか。
 戸嶋:確かに。私の大阪の友人が新潟に遊びに来た時、朱鷺メッセに連れて行ったのですが反応はイマイチで、反対に田んぼなんかを見て、とてもはしゃいで盛り上がっていましたね。
 伊藤:私自身も、一度県外に出たからこそ、新潟の良いところも見付けられるようになったと思います。

UIターンするか迷っている人へ

 伊藤:実際にUターンして住んでみて、初めて気付く良さ、発見がありました。何もないと思えば、何もないかもしれないですが、新潟はアンテナを張れば張るほど、とても面白い場所だと思います。
 恩田:まずは、地元の好きなところを見つけて戻ってきてもらいたいですね。そして、そこにしかないこと、そこでしかできないことを楽しいと思えるようになると、そこに住む意味につながっていくと思います。
 鈴木:私自身、民間企業の採用試験や公務員試験で何度も失敗し、本当に辛くて不安な毎日を過ごしました。そうした経験から、チャンスをつかむためには諦めずに、何でも何度でもチャレンジして欲しいということを伝えたいと思います。
 戸嶋:実際に住んでみると、新潟をもっと良くしようと考えている人や同じ思いを持って戻ってくる同世代の人がたくさんいます。Uターンするか迷っている人がいるとすれば、「迷っている時点で、あなたは帰りたいんだよ」と言いたいですね。

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