カービングの魅力を伝えたい

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ニイガタビト

2014.01.15 掲載

カービング講師 (カービング教室　Pastel Green)

坂井宏子さん

31歳　三条市在住

Key word

　地元の高校を卒業後、仙台市の専門学校へ進学。卒業後は仙台市内で就職し、2011年に三条市に帰郷。ある病院の待合室で雑誌に掲載されていたカービング作品を見て感動し、その美しさに惹かれて、保育士業の傍ら作品作りを開始。現在は三条市内を中心に「カービング」講師として活躍中。
※カービングとは、ナイフ1本で果物や野菜、石けんに彫刻するタイの伝統工芸。

進学のために仙台市へ

　福祉と保育を同時に学びたくて、仙台市内にある「仙台医療福祉専門学校」に進学し、さらに保育を学ぶため、3年次に仙台白百合女子大学に編入しました。卒業後は仙台市内の福祉施設で働き、３年程前に三条に戻ってきました。　　　　
帰郷して1年ほど保育園に勤めていた頃、病院の待合室にあった雑誌の記事でタイカービングと出会いました。それまではカービングそのものを全く知らず、娘を喜ばせようとカービングの雑誌を買って、見よう見まねでりんごにキャラクターを彫ったのが始まりでした。
娘が喜ぶのと、まわりの友人も褒めてくれるので、自身のブログに作品をアップしていくうちに、どんどんカービングにハマっていきました。
　最初は仕事を続けながら、作品を作っていったのですが、これから娘と二人で生活をして行かなければと考え、カービングの本場であるタイに留学しようと思い、娘を連れてタイに行きました。学校は専門学校のようなところで、入学時期も特に決まっておらず、初級、中級、上級にクラス分けられ、それぞれの技術に応じて作品づくりを進めながら勉強をしてきました。

慣れないタイでの生活

　カービングの勉強をしようとタイに行ったわけですが、学校では1日中、とにかくカービングをひたすら彫りつづけるという感じでした。私が学校に行っている間、子供は、保育園のような所で預かって貰ったのですが、子供は慣れるのが早いというか言葉もどんどん覚え、友達もでき、楽しそうに過ごしていたので、ほんとうに助かりました。学校は日本人も多く、真剣にカービングを仕事にしたいと思っている人ばかりだったので、短い時間でしたが充実した留学生活を経験することができました。

三条で念願のカービング教室「Pastel Green」をスタート

　タイのマリサ・ランゲージ＆カルチャースクールにて受講300時間を終了して、１年程前に三条市内で手芸の材料や手芸品を販売するお店SATOWAさんの２階で教室をオープンしました。ほかに三条東公民館でも入門講座を行っています。生徒さんはほとんどが三条市周辺の方ですが、新潟市内や県外から来られる方もいます。
　カービングの楽しさを多くの方に知ってもらいたいので、いつかは新潟市内でも教室ができればと考えています。
この夏、タイで開かれた国内のフルーツカービングコンテストに、タイ人のカービング講師と私を含む教え子3人のチームで出場し、25チームが出場した団体戦で総合優勝できました。
まだまだ自分自身も勉強しなければならないことがたくさんあるので、がんばっていきたいと思います。

地元に帰って来てあらためて思う事

　皆さんと同じように、高校時代は地元がつまらない、刺激のない街だと思っていました。
でも、三条市に戻って来て地元でがんばっている若い起業家の方に出会うと、学生の時よりも深い関わりや連帯感を感じることができます。もちろん学生時代の友達もいるので、楽しいのですが、仕事で繋がることで大きなモノを手に入れたような気がします。むしろ、戻って来てからの方が、友達が増えたような気がします。三条市は、創業を目指す方を対象に新規開業に必要な経営の知識とノウハウを体系的に学べる創業塾を開催していて、それに参加したことで、ビジネスという視点で自分の夢や目標をとらえることができたことも大きかったと思います。
　まだ教室を始めて間もないので、ゆっくり休む時間はあまりありませんが、新潟ではできないと思わないで、どんなことにでもチャレンジしてみてください。地元にはそんな力があると思います。

Soap & Fruit Carving Pastel Green